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飛べない女と跳ぶ男

第4話『飛べない女と跳ぶ男』


マリス『遅い!!1時間24分。お前は雨の日のほうが調子がいいのか?なんだったら水の魔法で…』

御剣『ちょっとまった!!それは途中で転んだんだ。』

マリスの表情が変わる。怒ってる、怒ってる…

マリス『転んだ?実にいいことだ。少しでも速く走りたいんなら降りる時ぐらい跳べ。階段を踏み外すのを恐れるくらいではたかがしれているな。私は空を飛ぶことが出来ない…月滅剣を習得したものが飛べないのは恥でしかない。』

御剣『…ふん…飛ぶのは無理だけど跳ぶのなら僕にだってできるさ』

マリス『行け』

御剣『跳ぶか…とりあえず7段くらい跳んでみるか!!僕は跳んだ。跳び過ぎた。10段どころの騒ぎではない。

だが不思議と着地に成功した。続けて僕は何回も跳ぶことに成功した。これで少しは…』

マリス『失格!!』

御剣『タイムは?』

マリス『2時間17分』

御剣『くっそーなんでだ?10往復で2時間17分なんてな。うーん…』

御剣『考えていても始まらないか…次だ…』

マリス(1往復でだ。アホ。)

結局…その時は最悪だった一体何が悪いんだろ…明日マリスに聞いて見るか

次の日

御剣『マリス。なんで僕は跳んでも早くなれないんだ?』

マリス『お前、跳ぶ時にいちいちタイミングをとっていないか?』

御剣『ああ』

マリス『だからだ。その分遅くなるんだ。』

御剣『なるほどな。』

マリス『どうでもいいが、ミスって骨を折ったりするなよ』

御剣『ああ』

15分後。

御剣『マリス。タイムは?』

マリス『14分4秒』

御剣『あれ?僕のは15分17秒だけど』

マリス『だったら、そっちのタイムだろ』

御剣『そうか!!なかなかいいタイムだ。』

10分後

御剣『タイムは?』

マリス『10分』

御剣『僕もだよ10分10秒。よし!!コツを掴んできたぞ!!そうだ!!いっそのこと転んでしまえば!!』

マリス(5往復でな)


後半へ続く


10往復で45分か…あと少しだ…

昨日気になって階段の数を数えてみたが82957段あった。30回数えてみたが8割はその数字だった

マリス『タイムが落ちているぞ!!余計なことは考えず、頭を真っ白にしてやれ』

御剣『くっそーいかん!!頭を真っ白に…』

マリス『38分。もう一度…』

僕は昔から考え込む癖があるからなぁ…そうだな…頭を真っ白に…

マリス『31分。もう一度』

御剣『やっぱり僕の時計が壊れてる。29分か…』

マリス『35分!!』

御剣『雑念!!』

マリス『31分』

御剣『悪いマリス。今日はこれで終わりにしてくれないか?』

マリス『お前が止めてくれというのは今日で初めてだな。理由は?』

御剣『雑念だよ』


飛べない女と跳ぶ男終わり



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