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待たない女マリス

第二話『待たない女マリス』


大きな熊は横たわっている。多分、絶命しているのだろう。

僕は驚いている。熊が倒れたことではなく、熊を殺した人間を見てだ

身長は140センチくらいだろう。細身の体。薄紫の長すぎる髪の毛。

僕の目に狂いがなければとんでもない美少女である。

絶句している僕に対して。彼女はこう言った

『ようこそ。サウザント・アン・ラピアへ』

相変わらず何も話せない僕に対して彼女は実に流暢に、要点だけを

ペラペラ喋っている。

どうでもいいがそのでかい熊を持ち帰ってどうするつもりだ?

女の子なのに片手で持ち上げるのも不自然極まりない

僕は彼女にこう言った、一応第一声だ。

その熊、人形だろう?と

彼女は笑って答えた

ああそうだ。人形だよ。持ち上げて見るか?

御剣『なんだ。やっぱ…』

バタッ

危ない!!と言って後ろに倒れそうな僕を彼女が助ける

随分、重い人形だ…

すまない。冗談なんだがやはりお前はメイモント人だな

サウザントの人間はこれぐらい常識なんだが

お前、本当にパークティア大王の息子か?随分貧弱なんだな

御剣『なんか…異世界に来たというのもあながち冗談でもなさそうだ…

待てよ?確か…バルテスじゃなかったっけ?』

頂上についた。僕が疲れてないのは理解できるが、彼女はなんで汗一つ、息一つついてないのだろう…

お前の名前は?

御剣『ああ、御剣。御剣大胡。』

歳は?

御剣『26歳』

うむ、一応バルジナ爺様の言っていた通りだ。

御剣『あっ!!推薦人にその名前が!!そういうことか!!僕はてっきりパークティ博士かと…』

女『パークティではなくてパークティア大王だ!!これからは失礼のないように…

ん?なんでお前がパークティア大王の名前を?

もしかして、サウザントに住んでいたことがあるのか?』

御剣『あのなぁ…推薦人だよ、推薦人。』

女『だったらなおさらおかしい…パークティア大王の事を知っているのは私とバルジナじい様だけだ』

御剣『間違って両方で推薦したんじゃないか?パークティアってほうが正式な推薦人だとさ』

パシン

平手打ちを喰らった。ちなみに男でも女でもこんな見事な平手打ちは出来ない…ぞ。

バタン

僕は気絶した。

目を覚ましたが女の姿はなかった。倒れたいた場所はさっきと同じだ。怒ってどこかに行ったのか?

しかしなんにもないところだな。とりあえず、小さな家らしき建物が一軒、随分大きな建物が一軒

他はあたり一面木が生えている

なんとなく僕はその木を見てみる

御剣『随分若い木だな。結構太いのに。』

とりあえず回りの木を全部調べてみたが全部そんなふしぎな木だった

うーん。一本倒してみるか。この木なんかわりと細いな。

とりあえず8割くらいの力で木を蹴ってみた。腕でやるよりかはわりと簡単だ。

木はあっけなく倒れていく…まぁ、細いしな。

じっと切り株を見る。

うーん。年輪が太いほうが南だよなぁ。こっちか?

そうこうしているうちに女の子が帰ってきた。手桶に水を抱えている。

僕のためかな?表情は相変わらず無表情。とりあえず怒ってはいないようだ。

どうでもいいが馬鹿でかい手桶だ。風呂にでも使うのかな?


後半へ続く


御剣『すまんな。さっきの事。お前がバルジナ爺さんのことをそんなに尊敬しているとは思わなかったんだ』

女『バルジナ爺様の事もだが、パークティア大王の事もだ。大体、爺様は嘘なんてつかない。それより…』

御剣『ん?』

さっきパークティと言ったな…名前が少し違うにせよ、いくらなんでも偶然が大きすぎる。発音が間違っている訳でもないしな。パークティ博士か…もしかして月滅剣の事を知っているのかもしれんな…だとすれば、サウザント中に広がっているかもしれない

御剣『なぁ、さっきからサウザントと言っているけどバルテスじゃないのか?それとも国の名前なのか?』

女『バルテスは古い言い回しだな。今はサウザントという。国も何もこの世界全部をサウザント・アン・ラピアというんだ。』

マリス『まだ、私の紹介がまだだったな。私の名前はマリスだ。歳は17歳』

そういうとマリスは

マリス『さっきはぼっーとしていてよく聞いていなかったようだから。もう一度言うぞ。お前の名前は御剣というらしいがお前の本当の名前は。パークティアだ。お前は月滅剣の立派な後継者難だぞ。パークティア大王は月滅剣の腕は一流なんだ。いや、一番だ。その血がお前にも流れている。だからこれからは私と共に月滅剣を学び、そしてムーンスロットをフルスロットまで高めろ。わかったな。』

僕は何も言わない…いや、言えない。彼女の言っていることが本当なのか嘘なのかわからないからだ

マリス『よし。月滅剣を始める前に儀式を行う。月滅剣は呪われた血が流れていないと使えない。まぁお前の体の中には呪われた血が流れているが。念のため儀式を行ってもらう』

僕はマリスの声を聞き流している。いや、頭の中の整理で頭がいっぱいだ。

しかし、すぐに目が覚めた。

マリスは自分の手首を切ったのだ。リストカットではなく思いっきり切った。顔色一つ変えずに

そうして。竹筒の中身を一杯にした。それから

彼女はその傷を治した。

御剣『おい、マリス!!大丈夫か?それに今のは?』

マリス『ああ、初期の魔法だ。なんだお前の世界には魔法もないのか』

まったく…どうやらここは異世界らしいな…


第2話『待たない女マリス』終わり


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