おっくう
掲載日:2014/02/05
エンピツ一本けずって
ノートに言葉を綴る
当たり前のことだった
慣れ親しんだことだった
パソコン 携帯 指先だけで
言葉を綴るようになってから
おっくうになってしまった
エンピツ一本けずって
ノートに
おっくう、を
ゆっくり書いてみる
お、のクネリ
っ、の払い
く、の引っ込み
う、の流し
いつかこしらえた鉛筆ダコが
ぺっこり凹んで笑っていた
一文字書いて
一息ついて
一文字書いて
一息ついて
浮かない顔していた
母の顔が浮かんだ
おっくうは
おっかあと
泣き出して
母の好きなたんぽぽ柄の
便箋と封筒を買いに出た




