暴君様×同級生の訳
日常的なものです!
ここからは暴君語りがたくさんです!
暴君様は私の同級生兼お世話係である。
過去は何も変わらない。
過去は何も変わらない。
しかし、未来は変えることが出来る。
わけを言うほど身の衣は剥がれ落とされる。
わけは真実に近づけさせる。
葵様の過去を見てから3日くらいが経っただろうか。
今、50キロのスピードで走りながらバックミラーで暴君の顔色を伺う。
するとふと目が合ってしまい、その鋭さときたら鬼と同等。
「・・・何を見ている外道め。」
お決まりの3秒設定は変わっていなくて、変わったとするなら少し距離が遠くなったような感じだけ。
きっと私から離れていっているからだろう。
なぜなら、この暴君、彼こそが悲劇の鍵であるからだ。
葵様の能力『時刻ミノ心臓』の予知で“ジョーカー”となる答えが出たからだ。
最終で最大の悲劇が起こりうると。
というか、このまま何もしなければそんな悲劇が確実に必然的に起こるのだ。
私は一人で身震いをしていた。
そうこうしていると、大学先につく。
「きゃぁーーー!」
そんな悲鳴も劇的な光景を最近まで見てきた私にとってなれないものだった。
なんというか人が生きている・・みたいな新鮮感。
いやいや、いつも死んでるみたいで申し訳ない。
この私・・・もう、人間ではないので違和感大有りである。
昼間でも大丈夫なようにそのためのイヤリングもしていることだし大丈夫なのだがそれでも日の光は抵抗のあるものだった。
吸血鬼になったばかりの時間で日の光への恐怖を味わってしまっている私だから。
まぁ、私の体調を話してもきりはないだろう。
いや、こいつ暴君野郎のいやみなどそれ以上の時間を使用する。
多大なるエネルギー消費は避けておこう。
・・なんたって今日は教室のご説明なんてものか?
というかどんな大学に行っているのなんてことも話さなくてはならない。
ここ『ピー』大学は医学というか福祉系の大学である。
しかし、のんきな事にここの大学は金持ちの集い場でもある。
ホントはどこでも良かったらしい。
しかし、当の本人、人間の内部というかつくりが知りたかったらしく入ったらしい。
そこで私たちは講習を受けるべく行くのだが、本人まじめに聞くつもりがない。
・・・というか、元吸血鬼であった暴君・・・結構年のはずなんだよね。
あっ葵様実際のところ・・250歳だものね。
その兄ともなれば・・何歳なのだろう?
隣に座る暴君野郎に丁寧に聞いてみる。
「あの柊聖様・・。」
「・・・慎め。メイド以下の分際で話しかけるな。」
(!!!!)
「なんで、大学生なんてやっているんですか?」
私はいつも質問するときこの発言にあう。
だから、気にせず話を進めるが一番いい。
「っ・・・。唐突だな波瑠。悪くはないが・・・。そうだな。」
<カキカキ・・>
暴君は無言でノートに何かを書き出した。
私はそれをみた。
「!?」
“俺の気まぐれと見た目に合わせるため”
「たっただそれだけのために・・私はつき合わされたというのですか・・!?」
「・・・これでも、大変なのだがな。」
彼は窓を見つめた。
成長の遅い吸血鬼。
逆に言えば長く生きる吸血鬼。
そう思ったとき、葵様のあの物語を思い出す。
人間の世界で暮らすことは、ただ一人取り残されていくような感覚に襲われる。
けして、弱いわけでもないのに。
吸血鬼のほうが知能も体力も全てが上なのかもしれないのに、見た目だけで判断される彼等たち。
そんな思いを耐え続けた暴君もまた葵様と同様辛い思いをしてきたのかもしれない。
「・・・なーんて。勘違いをするな。俺は何も苦ではない。これは俺の勝手でやっていることだ。人をどうこう思うより自分もそうなることを今から考えておくんだな。」
私は現実に引き寄せられた。
奴が人の心配をするなど・・・明日雨が降りそうだ。
なんて考える。
他愛もない日常だった。
「・・・波瑠。忠告しておいてやる。他人を気にするよりも今やるべきことを考えろよ。」
なんて言う。
『ある意味』愛のある発言だった。
ww