暴君様×謝礼ハ未来/時刻ミノ心臓*終
この話はtokiの最終です!
ぜひ最初から読んでみてください!
葵様は、眠り姫である。
眠り姫を起こすときはそれなりの覚悟を持て。
恐怖に怯えたくなければ起こさないでおけ。
しかし、彼女が苦しむこととなる。
しかし・・
その夢には価値がある。
その夢には未来を動かすきっかけとなる道具がある。
「波瑠。ありがとう。・・・謝礼に私が今見た夢のお話をするわ。」
彼女は私を見上げた。
澄んだサファイアのような蒼い瞳が語りかける。
それは、またしも私に疑問をもたらせ、謎が深まるばかりであった。
迷宮に隠された謎。
しかし、答えは『知られざる者』が知っていた。
「貴女がここに駆けつけてきて私が倒れていたとき・・あの時、この能力が発動したの。」
白い小さな手が胸にかける。
そして、ギュッと握り締めた。
「時刻ミノ・・心臓の能力は・・未来を見ることが出来て過去を記憶していくこと、でしたね。」
彼女は重く重く脳裏に書かれた言葉を言う。
---彼女は未来を曖昧に語った。
“神々の血と漆黒の血が月環の下で交わされた時、表の世界につかの間の休息をもたらすことだろう。
しかし、裏の世界では5本の足が女神に囁かれ黒玉を血に染める。
5本の足は進むことをやめない。
その心が満たされぬ限り。
交わされた血が最終の悲劇を呼ぶことだろう。
最強の悲劇が世界の進行を狂わせる。
女神に狂わされてはいけない。
女神が喜ぼうとも最悪なのは変わらないのだから。
もし、避けたいのなら金星の者に聞くといい。
その星は始めに知る者。
女神に一番近い者なのだから。”
静かな風が広く長い廊下に吹き渡る。
太陽が南中に近づくにつれ、影が次第に大きくなっていく。
その影は私たちをすっぽり覆うとき。
「どういうことなのですか!?葵様・・悲劇って!」
「・・・私も内容は知らない。いえ、・・覚えていないの・・。なぜか今回のははっきりとした出来事や人の名前が覚えていないのよ。ただ脳裏に書かれていたのはこの言葉のみ。“神々の血と漆黒の血が月環の下で交わされた時、表の世界につかの間の休息をもたらすことだろう。しかし、裏の世界では5本の足が女神に囁かれ黒玉を血に染める。5本の足は進むことをやめない。その心が満たされぬ限り。交わされた血が最終の悲劇を呼ぶことだろう。最強の悲劇が世界の進行を狂わせる。女神に狂わされてはいけない。女神が喜ぼうとも最悪なのは変わらないのだから。もし、避けたいのなら金星の者に聞くといい。その星は始めに知る者。女神に一番近い者なのだから。”とだけ・・。ごめんなさい。でも、悲劇が起こるのは確実なはずなの。」
「金星に聞けばって・・誰なのかもわからないし・・・。」
葵様は無言を返した。
いや、口をこれまで以上に重く慎重に開けた。
「金星とは一番初めに現れる一番星のことを特に言うの・・・。あなたは心辺りがあるのではないの・・。」
「!?」
私は覚えがあった。
「しかし・・まさか・・・
そう、私は知っている。
月夜の綺麗なある晩餐。
目を開けた先には6本の柱があってそこに立つ5人の死にたがり屋たち・・。
あいつらがいっていた一番星は、・・・一番目・・・
・・・柊聖様?!。」
「だと、私は思っているけれど。・・お兄様とは考えたくはない・・。
けど、そう考えるしかはないってことだと思うわ。
それと・・・。これは、私だけの疑問なのだけれど・・・」
「え・・。」
私は大きな疑問を身近に感じることとなった。
親しいものを裏切るとかはしたくない。
そう思っていたけど、一度知ってしまえば不振な思いは隠せないだろう。
「私の記憶に瑠子亞の記憶がないのよ・・。」
『時刻ミノ心臓』
これは未来を見ることが出来、過去を記すものである。
次はいよいよ!・・暴君!