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あたしだけの暴君様!  作者: 白木院 初
Round 2:時刻ミノ心臓
18/30

暴君様×傷物ルビーⅠ/雫に映る物語

全然最近かけてませんでしたが!

グロイので最初から読むとわかりやすいですw

葵様の持つブルーの瞳は悲しみを憶えている。

しかし、吸血鬼である彼女にとってそれが本当の思いとはいえない。


隠れた宝石がある。

暗闇の中に紅く紅く紅く鮮やかに光り輝くもの。

血のような赤。

まるでルビーのような瞳はすこし安価なものになってしまっている。

奥深く奥深くの悲しみに少し傷がついた。

高価な思い。

しかし、安価な傷物ルビー。





山奥の屋敷から町にかけて大通りの道が続いている。

月が静かな光を放つ。

電灯もない坂道に確かな点の光が繋がって線になる。

炎よりも赤く血よりも鮮やかな色。

赤い光はすぐさま消えた。

しかし、今晩はそれだけではなかった。

漆黒の魔女が立ち去った後の屋敷にかげが一つ。

いや、二つである。

魔女も知らない物語が終わりの物語と同じ時間に上映されていた。


「少し、遣り過ぎ。最後の後継まで追い込むことはなかったと思うよ。死にたがり屋さん。」


広々とした廊下をそこの高い靴で歩き音を確実に響かせる。

そして、あたりを見渡す眼鏡越しの瞳。


「こちら側の人ではない貴女あなたに言われたくありませんねぇ。というか特に【望んだ貴女】にはねぇ。」


もう一人の付き添いの仮面姿の翳がそういう。

それに対して、考え込むように胸ポケットからタバコを取り出す。

そして、吐いた煙が視界を曇らせるように立ち込める。

「・・。消えるよ。私は。少しヤラレタ傷を癒しにね。」


「ふふ・・。貴女はいけない人だ。後の未来に解決させるなんて。」


「全ては、あなた方のためだよ。感情あるものの恨みを買い、その恨みで望みを叶える。そうすれば、恨んだほうもすっきりするし、君たちもすっきり平和~。」


「そう簡単に行けばよいのですがねぇ。では、そのための研究を始めますとしますよ。」


翳が一つ消えた。


「私は、信じていない。何も望まない。しかし、解決するのなら共に喜ぶことは出来そうだ。」


翳が完全に闇へと消えた瞬間。

それと同時に過去の晩餐が開始されていた。

赤い線の光が点になった時。

一瞬にして町中の灯りという希望が消えた。

冷たい風が吹き荒れる。

魔女は何も語らずただただ歩み続ける。

歩めば歩むほど人間は抜け殻になったかのように肉片と骨と布切れだけを残して地面へと倒れこんだのだった。

笑い声も涙も悲鳴すらもありはしない。

そこに経つのは最強である魔女なのだから。

魔法を使ったのかというくらい許されることのない現状が起こっているのだ。

終わってみれば案外神秘的なものである。

月光が薄い膜を通りぬけ、奥の筋肉が鮮やかに見えるほどである。

心臓の脈まで案外凝らしてみれば見えるのではないのだろうか。

少しの燃える火の近くに赤い痕跡が残っていた。

魔女はそれに手を振れ、においを嗅ぐ。

晩餐という時を追えた魔女はなぜか涙を流すのだった。

赤き瞳が蒼く蒼く闇に溶け込むような静かな色に変わる。


「う・・ううっ・・・・あ゛ア゛アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああアアアアああああああああああああああああああああああ嗚呼ああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああアアアアアアアああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああ嗚呼アアアああああああアアアアアアああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああ嗚呼ああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああああーーー・・」


魔法が魔女を苦しめる。

キッと紅き瞳に変わり、月夜を見上げる。


「こんなので満たされない、満たされないの!」


近くの人間の頭を掴み、引きちぎり、地面に叩きつける。

そして、行いを消すかのように火に投げる。


「この人間めぇ・・死してなお私をくるしめるというのか!アルはこんなことで戻ってはこない・・お前等がお前等に巻き込まれたせいだというのに。償え償え償え・・・死して償いアルに土下座しろ・・・・ぁあ゛!?」


魔女、いえ、彼女はわかっていた。

しかし、その衝動を抑えきれず、人間という魂を踏みにじるのだった。


時間が経ては事は終わりを迎える。

彼女はまた動き出した。


「・・・次は、・・」



・・・次は・・・次もw

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