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あたしだけの暴君様!  作者: 白木院 初
Round 2:時刻ミノ心臓
16/30

暴君様×能力始動/雫に映る物語

葵の過去は蒼き姫からぜひ、見てください!

主人公の過去は最初からです!

葵様はいつも変わらぬ姿と心をお持ちだ。

それが皮肉といえば皮肉なのかもしれない。

腐ることも動かなくなることも無い心臓。

昔から守られ続けた呪いのモノ。

未来を知り、過去を記憶していく能力。


それが、彼女がもっている心臓である。









彼女は15年間、山奥で一人で暮らしていた。

畑もある。

鳥や牛や豚だっている。

何不自由することはなかった。

しかし、会いに来るはずの子供等はいなくなっていた。

この間、彼等は立派な大人になっているだろう。

立派に働いて家族も子供も出来ているのかもしれない。

時間が経つことは誰かが死に誰かが老い誰かが誕生する。

でも、彼女はどれでもない。

ただ、年が増えるばかりで・・老いとでもいうのだろうか?

姿形も変わらない彼女を御婆ちゃん。

なんていえるだろうか。

けして、私は言わない。

決して人間は言わない。

不老不死。

この時代、そう呼ぶほかにはないだろう。

老うこともない彼女は町中に広まり恐怖の存在となっていた。


彼女はおじいさんがいないことに不思議に思い探しに出かけた。

町に降り立つことにした。

もしかしたら出かけたのかもしれない。

そう、思ったのだろう。

彼女はすぐおじいさんのいるだろう町へ出かけた。




「ちょっと・・・」


影で話し合う人間たち。

奇妙な目で見つめて睨めて下して・・

彼女に近寄るものさえいなかった。

しかし、彼女はそんな中人々に声をかける。


「あの、おじいさんを知りませんか?」


無言で逃げる。

闇よりも純粋で漆黒の中の漆黒。

闇よりも純粋で漆黒の中の漆黒。

闇よりも純粋で漆黒の中の漆黒。

闇よりも純粋で漆黒の中の漆黒。

闇よりも純粋で漆黒の中の漆黒。

それが人間。

吸血鬼よりも酷く酷く酷いものだ。


「なんで、皆逃げるの?」


ただ、彼女はたたずむしかなかった。

騒がしかったあの町は今。

昼時だというのに、静まり返っている。





---


黒い棺桶が土の中へと隠れていく。

花束が土の上に咲き誇り、立てられた岩にはある男の名が刻み込まれていた。

その光景に大勢が涙を流した。

家族という家族たちが腰を下ろしては泣き、子という子供が声を張り上げる。

町中が涙したことだろう。

優しき男は、皆を家族と呼び、皆を愛していた。

そして、また皆も男を心から受け入れ、また、愛していた。

多くのモノたちが男に救われている。

それぞれの思い出が涙へと変わっていったのだ。


黒い黒いモノたちが町へと帰っていく。

それは日が昇り始めた早朝のことであった。

立ち上る丘の上に聳え立つモノが2つ。

白き住人と誇り高き灰色の死者。


「私は許さない。消えることなんか許さないから・・・。



おじいさんが消えたら私を信じる人はいなくなるのよ・・」





それは、数年前の事だった。

白き住人は一人で死を受け入れず死に行くものを生きさせた。

記憶の中から死を抹殺したのだ。

だから、白き住人は男が生きていると信じてしまったのだ。


そして、新たな次元が開いた。

黒い闇、静かな鼓動。

しかし、確実な響きをもって聞こえてくる。



『あいつはなんなんだ?何年たっても変わらないままじゃないか。』


『そういえば、いつの間にかおじいさんのところにいたよな・・。』


『俺思うけど、あいつ人間じゃないよ・・。きっと化け物だよ。』


『いつも、変なの首につけているよね。』


『私、聞いたんだけど怪しい人たちが女の子捜してたよ?あの子じゃないかな?』


『なにもの?


なにもの?


なにもの?


なにもの?


なにもの?





『化け物だろ?』



---

っっ


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああアアアアああああああああああああああああああああああ嗚呼アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああアアアアアアああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああ嗚呼アアアああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああアアアああああああああああああああああああああああ嗚呼ああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああ嗚呼ああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああ亜ああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああ・・・・・・・・・。





はぁはぁ・・。夢。違う・・・・」



見慣れた天井といつもつけていた首輪が地面へ転がっていた。

高く高く鳴り響く心臓。

彼女の目が大きく赤く光だした。




「そうだわ。おじいさんはもう亡くなっていて・・・私は皆から皆から・・。」




彼女はようやく気づいたのだった。

自分の時間への鈍さに。

消し去った記憶に。

取り戻してしまった・・・



時刻ミノ心臓の・・・能力に。



次は少しほっとするかも!


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