暴君様×蒼き姫
学園の前にもう一つの謎が登場!
暴君野郎には妹がいる。
しかし、足が不自由で体も弱くてずっと家にいる。
そういった生活を妹様は何年も過ごしている。
年を聞いたことはないがまだ幼い、小学生くらいに見える。
彼女は若い。若すぎる。
しかし、これまた悲しい思いを抱いていた。
これもまた、呪いのモノ。
私は先に彼女のことを知らなければならないだろう。
私生活は彼女の寝顔を見るところから始まる。
かわいらしい寝巻きを見て一人で興奮している。
日差しに照らされている髪の毛が薄くなってふあふあで・・
アーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
ちょっと欲求不満なのかもしれない。
最近疲れている。
それは、あの暴君野郎に走りまわされているのだから当然のこと。
甘い甘い葵様との生活はほぼ奴の手によって壊されているのだ。
そっと彼女の顔に手をあてると長いまつげが動き、綺麗な瞳が輝く。
皮肉にも暴君の兄弟君であらせられるので色がそっくりだ。
そこがやっぱりちょっと気になる。
しかし、似ていたとしてもこの微笑みは彼女だけのもの。
私に朝の寝顔を見せる。
「お早う御座います。葵様。」
「ふふ・・おはよう、波瑠。」
この笑顔にいつもやられている。
そして、私だけにかけるあいさつ。
しかも、最初の姿!あいさつ!どれをとっても私が一番最初!
これはある意味私の自慢である。
私は彼女の着替えを手伝い、お食事までお世話をした。
どんな姿でも機敏で綺麗で仕方がない。
そう、もう最初からいっているが傍から見れば少しばかりGLが入っているこの一時。
いつから女に、いやそもそも恋に目覚めたのは何時と聞かれると・・
やはり、彼女が最初の恋。
初恋なのではないだろうが。
そして、またもやいうかも知れないが、このときの私にもエロ星人は体内に済ませてないのでそこまで激しくありません・・
あくまで純情な片思いである。
言い訳している時点でもしかしたらエロ星人だったかもしれない。
しかし、真っ直ぐに彼女だけを見ていた。
女の子はいい。
清潔で、か弱く見えるが心の広き強いものたちばかり!
儚い想いをいつも焦がしていた。
この日は彼女と二人でいる。
声を大切にしている葵様はあまり語られないが、すっごく明るい方なのだ。
でっかい屋敷で2人きり。
「ロマンスが広がるぅ~♪」
勝手にまた盛り上げる・・ははッ
私の性格は彼女によって随分やわらかくなったと思う。
前までの私はカスみたいだった。
全て・・彼女らのおかげだろう。
今日は、彼女は何処かへといってしまっていた。
私が片づけをしている間にどこへ行ったのだろう。
ぽかぽか日和。
幸せな日々なのに。
しかし、私は衝撃の光景を見た。
誰もが予想もしなかったものを見た。
「葵様!!!」
とっさに言動した。
可憐な薔薇の隣で車椅子から落ちて倒れている女の子を発見した。
それは紛れもなく足の悪い妹君様で在らせられる。
私はすばやく彼女の体を軽く揺さぶった。
鼓動が聞こえても起きてくださらない。
何度も彼女の名前を呼んだ。
「・・波瑠、大丈夫よ。」
綺麗な瞳が私に笑いかける。
どうしたのですか?という私の問いに彼女はうつむいた。
硬く閉じた唇が慎重に重く開き始めた。
そして、私は彼女の悲しさを知った。
この体には似合わない。
果てしなく重く重く耐えられないくらいの想い。
果てしなく重く重く耐えられないくらいの想い。
しかし、心に穴が開くような衝撃的事実も知る。
それは、私にとって皮肉なもので・・そう、皮肉なものでしかなかった。
これしかいえない。
皮肉なものでしかなかった。
皮肉なものでしかなかった。
皮肉なものでしかなかった。
皮肉なものでしかなかった。
皮肉な運命を呪う私もまた存在。
皮肉な運命を背負う彼女も存在。
「やはり、交換してしまったのですね・・。」
知られざるものを彼女は知っていた。
「・・もう、貴女には話しておくべきかもしれませんね。・・
私はこの恋を自慢に思う。
この恋は素晴らしいものだと思う。
この恋は素晴らしいものだと思う。
この恋は素晴らしいものだと思う。
だから、この話は、
皮肉なものでしかなかった。
「・・私の心臓も記憶も、貴女の母、瑠子亞のモノなの・・」
私はまだ何も知らなかった。
そして、彼女の本当の姿も知らなかった。