暴君様×誕生の影鬼/救世主*終
ここまでは過去編です!
最初からぜひ見てください。
戦いシーンは熟成パーティーからオススメです!
暴君様は何を考えているかわからない天才野郎だ。
どこまでを把握しているかわからない超人だ。
彼の地位をどれだけ低くしても、彼自身すごい人だろう。
例え吸血鬼でなくても、特別な血で苦しんでも・・
きっと彼は一人でこなしてしまうだろう。
知らぬ間に彼は私たちを置いて、頼んでもないのに守ってくれる。
暴君様。私を救ってくれた・・世界を救っていただろう、救世主。
彼は・・・妹だけには優しい、暴君野郎で救世主である。
「ん・・」
朝だとカーテンからの日差しでわかる。
なのに、体は目覚めてくれない。
私は大きなベットの上で白い心地の良いシーツの中で寝ていた。
よく寝た感じはするが、どうも何かがざわついている。
大きな窓の方向を見る。
カーテンの少しの隙間から太陽の日差しが部屋に入り込む。
<ッ!!!>
私は冷や汗をかいた。
味わったこともない恐怖に駆られた。
私はどこから出たのかわからない悲鳴を上げ、部屋にある大きな扉を叩いた。
叩いて叩いて涙が出るくらいに叫んだ。
太陽が南中していない少し早めの朝だったので、部屋の奥にいるというのに、その日差しは私のところへと光を伸ばしてくる。
だんだん近づいてくる。
まるで私だとわかっているように忍び足で来る。
足先まで光が来ていた。
息を呑む。
「・・・おっと。」
「!!」
後ろからドアが開いた。
その反動で後ろに引っ張られる。
どうやらもう少しで当たりそうだった光を避けることが出来た。
頑丈な腕に抱かれながら私は光を見つめた。
「・・・まだ、光は浴びれないつーの。」
聞いたことある低い声。
そう暴君野郎である。
いつもと変わらないカラメルの茶色い髪に青い宝石のような瞳。
そして、少し冷たい口調。
その時点では使いのものとしての記憶が戻る。
その後にあの恐怖の光のようなものがこみ上げてくる。
過去は消えたりしない。記憶がある限り。
過去は消えたりしない。記憶がある限り。
過去は消えたりしない。記憶がある限り。
過去は消えたりしない。記憶がある限り。
過去は消えたりしない。記憶がある限り。
過去は消えたりしない。記憶がある限り。
過去は消えたりしない。記憶がある限り。
過去は消えたりしない。記憶がある限り。
・
・・
・・・
彼は忘れはしない。
人々が無いとしてもこの人も私も記憶がある。
私は少しだけど・・・この身は吸血鬼になってしまっている。
そこ知らぬ多大なる闇黒で漆黒の恐怖が地獄のように付きまとっていた。
「・・・そうだ。これをつけろ。」
暴君野郎が私に差し出したのは白か灰色かわからない色のピアスだった。
とても、危なそうだけどとても、繊細そうな・・そんな感じに見える。
すぐに割れてしまいそう。
「・・・これは月環の湖の巫女の精霊が作ったものだ。封印の呪いを施してある。月の欠片で出来ている高価なものだ。・・・まぁーお前にはもったいないものだが、あとあと俺が面倒なのでな。」
<ヵチャ・・>
部屋中に響き渡るピアスが私の耳にくい込む音。
なにかが起こると思っていたのだが、ただ普通の日常に戻っている。
「・・・・・・これで、お前でも光を浴びても大丈夫なはずだ。」
そっと触れてみる。
「っ・・・言うのを忘れた。それは壊れやすいものだ。すぐに直せるが俺のいないところで壊したら、お前を殺す・・・いいか。」
「!は・・・はい。」
「ふっ・・・・よろしい。俺の下僕。」
「はぁ!?」
やはり奴は多大なる暴君野郎だ。
嫌いだ嫌いだ!!!!!!!
なんかむかむかする。
そして、その後に思うのは・・・
「葵様!!」
やはり恋しい彼女のこと。
やっとこれで私は解放される!
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これが私の過去の記憶。
滅ぼしかけた罪人として。
それを見逃してくれた彼に対しての行為として。
私はこれからもこの人を支えられずにはいられないのかもしれない。
思い返しているうちにもう、夜を迎えていた。
夕食を私は見つめている。
そして、彼の首筋をつい眺めてしまう。
私だけが知っている事実。
彼の血は最高の特別な血。
そして、私は吸血鬼の純血。
やはり3日に1度は飲まないと体力的に削られる。
飲みたくないが私は奴の血なしでは生きられない体になってしまったのだ。
私は暴君の影。
彼の影のものとして働くことになったのだ。
ピアスをしたときから・・・その運命は下されている。
そして、終わったものだと思っていた。
このときの私も波乱な出来事など終わったものだと考えていた。
やはり、未来などわからない・・。
やはり、私はただの女に過ぎないのだ。
いや、少し過激な奴なのかもしれん。
次からは少し学園の前に新たな謎を明らかにします♪