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別れ
ーー晴江ちゃん、大好き。
私も好きだよ捺加。
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久しぶりにみた、私の好きだった人の夢。
小さい頃にあった夢。
夢夜晴江、15歳。
高校一年生だ。
今さっき夢に出てた人の名前は、
松田捺加だ。
私と捺加は、私の両親の離婚の所為で一緒にいれなくなってしまった。
私と母が引っ越したから。
でも、私は、ずっと好きだった。
いつもニコニコしてて、元気で、健気な捺加が・・・。
今はどうかわからない。
でも、変わってないといい。
これは私の願望だ。
記憶は薄っすらとしか覚えてないが、本当に好きだったのは確かだ。
私は、考え事をしている余裕がない事に気付き、身支度をした。
部屋から出ると、母親の姿がなかった。
私の家は母子家庭で、女一つで私を育ててくれた。
父は、私への暴力が激しく、母はずっと働いていた。
ある日、私が父に殴られているのを見て母は私を連れて、父の元から去った。
捺加に何も告げづに。
父から殴られていたのを境目に私は、男性恐怖症になってしまっていた。
そして、私は、女子小中高大のエスカレーター式の学校へ行く事になった。