契約について!
はい今回は契約についてです。
事故的キスの後、呆けていた羅姫と別れ、志津香のもとに行った。
「……ごめん!」
「え? なんのこと?」
俺は静かに、ワイシャツのボタンをあけ、胸を見せた。
「……………………誰のなの?」
静かに、そして冷たく一言だけ口にした。
正直、顔を見ることができない。すごく怖いオーラ的なものを感じる。ついに、俺も優樹菜先生のようにオーラが感じ取れるように………ふざけてる場合じゃなかった。
「上級生の、華山羅姫先輩って言えばわかるかな?」
「あ~あ、あのSS10の。で、あの人となんでしたの?」
「それには深いわけがあって………」
「いいから言ってみて」
「実は、話してて、うつむいちゃったから、顔を覗き込んだら、羅姫先輩が急に顔を上げてきて、くちびるがあたって、キスしてしまいました」
あれ? 結構簡単に話せたな。
「……それだけ?」
「……はい。それだけです」
「でも、紋章があるのは何故? あれは、男女どちらかの好意があるのが前提で、さらに紋章を相手につけたいという思いがなければ刻まれないのよ」
「え? それホント?」
あ、そういえば、先輩も何か言ってたな。『望んだから』とかなんとか。つまり先輩は俺のことが好き………?
「いや~それはないだろ~。先輩が俺のこと好きだなんて~」
「その様子だと先輩の方からみたいね」
……はっ! やべ。今のニヤニヤ見られてた!!
目をうっすらと開けると、口元だけ笑っている志津香がお出迎えしてくれた。
「ところで、教育したほうがいいかしら~? したほうがいいよね~」
それから白門が志津香の説教を数時間かけて受けたのは言うまでもない。
「もう、しちゃったものは仕方がないけど、明日羅姫先輩に消してもらうのよ?」
「え? これて消せるの? というか、俺、この紋章の効果とか知らないんだけど、なんか強くなったりすんの?」
『私とあなたの契約をすればいいの』って言っていきなりキスされただけだもんな。当然、意味や力について知ってるはずがない。
「あれ? 私言ってなかったっけ?」
爆弾発言投下して出てったじゃん!
「言ってなかったなら言うわね。契約相手がピンチなときとかに、頭にビビっ! って直感で分かる時がある。あとは……」
「ちょちょちょ、待って。その非科学的なやつ何? ビビっ! とか」
擬音とかさらにわかりにくい。
「非科学的って言ったけど、魔法自体、非科学的なのよ?」
「…………そうだった」
魔法とか、以心伝心よりありえねぇことじゃねぇか。以心伝心は……まぁ、たまに……稀にあるよな!
「で、あとは、魔力の受け渡しができるってことくらいかな」
「魔力の受け渡し?」
俺が聞き返すと、志津香は俺の右手をその両手で包み込んで
「私に魔力を少しあげたいと思って」
「え? ああ、別に構わない――うぉっ!?」
突然、俺の右手から魔力であろう白い液体(見た目は)が志津香の両手に吸い込まれていった。それと同時に、少しの疲労感が襲ってきた。あげた魔力が少量だったからぐったりとはしなかったが、魔力が減ると、体力も減るんだな。
逆に、志津香の方はジャンプしたり、ステップを踏んでいて体力が増えてるようだった。
「なるほど、こうやって、契約した者を助けてやれるわけだ」
「そういうこと!」
そういって、右手の人差し指を立て自分の口元に当てた。
大変短いです。我慢してくれると助かります