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白門の意外な先輩ッ!?

鍛えますよ。いう程鍛えてませんよ(笑)


「はぁ~~~あ」

長いあくびが溢れる。クタクタだ、今日はいろいろありすぎた。

「これから、まだやることあるけど、行きたくないな~」

放課後、優樹菜先生が、『ここに来るようにっ! いいな?』と怖い顔して地図を渡してきたため、仕方なく行くことにした。

「それにしては遠いな。この学園、どんだけ広いんだ?」

まぁ、さっき飲んだ薬のおかげで、バッチリ、パワーアップしていたので、苦にはならないが。

そんなことを考えているうちに、でかい建物が見えてきた。

「体育館? この広さで? ひとつの運動場じゃねぇか」

グランドはもっと広かったが……。ここの体育館、俺がいた学校のグラウンドの十五倍くらいあるぞ! (ちなみに、ここのグラウンドは、俺のいたところより、三十倍くらいでかい)

「やっと、きたか。待ちくたびれたぞ」

不意に声がした方を向くと、やっぱり優樹菜先生が座っていた。う~ん、微妙に違う。空中で・・・あぐらをかいている。……もう、驚か――

「えぇえぇ!? なんで浮いてるの!?」

脳で考えるより早く脊髄反射で驚いてしまった。

「そう驚くな。魔術には、多様性がある。これはその一つ、浮遊するだけだ。お前も見ただろう、志津香の水龍を……」

あ、あれよりは、まだマシかも……? ……それより伝えなくては!

「……あ、あのですね」

「何?」

「パンツバギャ!」

ピンクのパンツが……見えてました。女性があぐらなんかかくから。

「いきなり蹴るなんてひどいですよっ!」

「……それはすまん」

なんか弱気になった!?

「先生も女性なんですから、あぐらなんか、かかない方がいいですよ。かくと、パンツがブベっ!」

「そんなにパンツパンツ言うなッ!」

だからって、回し蹴りは無いでしょう。ミニスカート履くから悪いんです。そういうのが好きなら仕方ないですが。



「優樹菜先生ったら、白門様に何してるんですの」

出ていきたい。白門様の前に立ってお話したい! ですわ。そのためには、序列に白門様が入ってくれなきゃ無理ですの。入ってくれさえすれば、同じランク三十位内のライバルもしくはお友達として、お話できますわ! 戦闘訓練の時も、さりげなく組むことができますの。そして、いずれは契約してもらいますの! はぁぁん! わたくしの計画は完璧ですわ!……。

「……あら? 見失ってしまいました」

優樹菜先生は気づいていらしたのかしら? 私のことに。



「まったく、ストーカーか。普通に話しかければいいのに」

「なんのことですか?」

何ブツブツ言ってるんだろう?

「いや、なんでもない」

ま、なんでもないというならなんでもないんだろう。なら、詮索しないというのが男だ。

だけど、詮索しなければならないこともある。

「それ、体育館に来て、俺は何をするんですか?」

「私が、お前を鍛える。そのために体育館に来ている」

やっぱりか。はじめの時も言ってたしな、『立派に鍛えてあげるわよ』ってさ。てかキャラ完全に変えたな。

「さ、ついたぞ。私たちが使用する体育館だ」

最初の感想は「うぉ!」二番目の感想は「うわぁ」三番目の感想は「金かけてんな~」だった。

「うるさい、黙って付いて来い」

広大な体育館には俺らの他にも、結構な人がいた。その人たちの横を通り過ぎると、ひそひそと、声が聞こえてくる。「あれって、噂の?」「そうでしょ? この学校、男子少ないんだし」「ねぇねぇ! それよりかっこよくない?」「あ、それ思った!」「いい感じだよね」「諜報委員に頼んでメアドもらおっかな」「あ、私も私も」

最後らへんの人、プライバシーを尊重して……。

「うるさい女どもだ。私のメアドなど、聞けば教えてやるのに……」

「いや、あんたのじゃねえだろ?」

何聞いてたの? 

「あんただぁぁ?」

しまった。あんただなんて先生に向かって言っちゃダメだぞ! 俺。

「ゆ、優樹菜先生のじゃないと思いますよ?」

「わたしのじゃないぃぃ?」

この問題の正解は、喋らないことでした!!

「…………んんっ! 鍛えると言っているのに、変な方に話を持っていくな」

あぶね。軽く殺されるところだった。

「えっと、まずは……腕立て200、腹筋200、背筋200、スクワット200、座禅15分を10分でやれ」

ちょいちょいちょい。おかしいぞ。座禅15分かけてやるのに、全部やって10分で終わらすなんて、物理的に無理だ!

「無理です! 10分じゃ無理です!」

まず、トレーニング的に無理がある。座禅以外をやったとしても、それだけで30分は掛かると思う。

「そうか、じゃあ、30分でどうだ?」

少しだけ伸びた、けど…………はぁぁ、やるしかないか。

「わかりました。出来る範囲でやってみます」

「よし、いい答えだ」

―― 

――――

――――――

――――――――

「終わった~!」

なんとか、座禅以外を15分以内に終わらせて、15分間座禅をやることができた。我ながら、恐ろしいと思うぞ。あの薬、一体なんなんだ?

「よくできたな。普通はできないぞ? さすがは、相模さがみ道場だな」

関心げに語っているなぁ。……相模道場をなんで知ってんだ? 相模道場とは、昨日まで俺が通っていた、戦闘系のことをやる道場だ。なんで知ってるんだろ?

「……って、なんで普通はできないことやらせたんですかっ!」

「いや、なに、できるかな~って。テヘ?」

どうやら、相模道場のことを、意図的に晒したようではないな。

「ちょっと、その『テへ』はないです」

「うるせぇ! しばくぞ!」

ほらこれだ。だから俺は――

「すいませんでした」

素直に謝るのだ。ドヤァァ。

「ドヤ顔すんな!」

はい、持っていた薙刀なぎなたの刃がない方で殴られました。持っていた?

「……怖い。なんでそんなもん持ってんですかっ!?」

頬をさすりながら聞いてみた。

「これが私の武器だから?」

「違うっ! なんで今持ってるんですか?」

「これから、お前を鍛えるから」

「へっ?」

「これからお前を鍛えるから」

武器必要なくないですか?

「だから、戦闘訓練をするって言ってんの。わかる?」

あぁ、納得した。ここの学園じゃ、鍛えるとは、筋肉を鍛えたりするのではないんだ。実践になれるなどといった、感覚的な面も鍛えるんだ。

「わかりました。で俺の武器は?」

「? んなもんは、魔力で創り出せ」

「転入して半日も経ってない人にそんな無茶なことできるわけないじゃないですかっ!なにいってんですか!俺は天才じゃないんです」

その通り。俺は天才じゃない。武術に関しても、剣術に関しても、あらゆることにおいて、努力し、この立ち位置に持ってきている。

「ゴチャゴチャうるさい。やれ!」

だから何事においても――

「ぇえええええ!」

何この人。怖い。予想以上に怖い。コワイコワイ。

「なにより、さっき私と、和花奈を倒したろう?」

「そりゃ、和花奈は倒しましたけど、あなたは全然本気じゃなかったし」

「よくわかってるじゃないか」

「そりゃ、本気出してるかなんて、わかりますよ。一応、武道家なんで」

「さすがは、相模さがみ。いいやつを出すじゃないか」

また、その名前を出す。いい加減聞くか。

「あの、さっきから相模相模いってますけど、なんで知ってるんですか?」

「あれ? 私はそんなこと言ってたか?」

「やっぱり、口からこぼれてただけなんですね」

緩い口だ。ププッ!

「まぁいい。この際だから言うが。お前が、小六の時にはいってきただろ? あの時、私もいたんだぞ? 私が22の時だったな」

「え? マジですか? 先輩になるんですね、先生は」

先生が22なら今は、26くらいか。てか、なんでそんなこと覚えてるんですか……。

「私は、お前のことが結構気になっていたんだ」

はぁ? はぁぁあっ!?

「ちょ、ちょっと待ってください」

「勘違いしてると悪いから言うと、恋愛感情じゃあないぞ」

うわぁ。何動揺してんだよ。先生は、赤毛で顔が整ってて、スタイルもいいけど、歳の差があるんだから。しかも、俺には志津香がいるんだから。

「私が気になっていたのは、そのお前が出している……なんだ、オーラとかそんな感じのやつが。なぜか、他のやつと違うような感じがしてな」

「……」

まさか、先生にそんなこと思われてたなんて。てか、先生はオーラとか感じ取れるんですね。すげー。

「さっきも、お前とやれて嬉しく思ってたんだ。生徒とやって楽しくなるなんて、どこの先生だよな」

「そんなことないです。俺も強くなったら本気の先生とやってみたいです」

「そっかー。それなら、本気じゃないけど、今からやるぞー」

さっきとは、打って変わって、先生は怠け口調になった。

「……マジで?」

結構いい話だと思ってたんだけど。

「さあ、さっさと、準備しろ。あ、武器は、お前が使ってた太刀なんかがいいと思うぞー。ずっと使ってたから、想像しやすいだろー」

「俺、武器ならほとんど使えるんですが、何個も出していいんですか? 武器」

「んあ? 別にいいぞー」

これで、武器使用限度はなくなったから、あとは一秒で何個武器を出せるかだな……。

試しに、太刀を想像してみる。

白い光に包まれて出てきたのは、相模にいた時に使っていた太刀と似ていた。色はもちろん白い。

3秒で一個か。両手でやって、3秒に二個……ま、やってみればわかるか。

「準備できました!」

「よし、それじゃいくぞ」

いつの間にか離れていた先生に声をかけると、薙刀を持って、走ってきた。

「その加速力ホント現実離れしてるわ」

俺も、先に創っておいた白い太刀を体育館に突き刺し、両手に白い短剣を創りだす。たかが3秒がやけに長く感じる。

「そんなもの創って戦おうってか? リーチが違いすぎるぞ!」

100メートル先から、大声で忠告してくる。

だけど、リーチが長いのは俺の方かな。100メートルが10秒で走れたとして、あと6本。さっき作ったのも合わせて8本か、なんとかなるかな?

「お前勘違いしてないか? この体は速いんだぞ・・・・・?」

――チッ! 計算を間違えた。6秒台で来るか? 100メートルを6秒で走るとかどんだけだよ。 なら、あと3秒しか時間はない。手には4本の短剣、それと体育館に突き刺してある、太刀。どうすれば切り抜けられる? 適当にやるしかないだろ!

3、2、1……まず、初めの、薙刀の突きを短剣2本で受け流す。

ギギギっ! っと、金属をすり合わせた嫌な音が耳に届く。

――100メートルの助走ありの突きはきついな!

それでも、負けずに突きを受け流しきったあと、1本の短剣を優樹菜に向かって、投げる。

「こんなもの!」

キンッ! こんなものと言うとおり、いともたやすくはじかれる。

――だけどっ!

手には今、5本の短剣。そのうちの2本を同時に投げる。

――さぁ! どうする?

「だから、こんなもの!」

優樹菜は薙刀を、プロペラのように、前で回し、弾き返した。

――これを待っていた!

薙刀は、遠心力によってすぐには止まれない。ここを、いっきに攻める!

太刀を拾いながら間合いを一気に詰め――あれ? 先生がいない!?

「薙刀が止まらないんなら、回したまま動けば問題ないではないか」

後ろから声がして振り向くと、切っ先が白門の首に向けられていた。

――あぁ。まだ、先輩には勝てなそうだな、本気の先輩じゃなくても……。

JOKERGAMEは進んでいません。すんません。テへッ! ←うわ恥ずかしい。やばいやばい! そんなわけで、白門君を来るべき戦闘に向けて、鍛えます。

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