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遅刻の朝

年内に書き上げることができました。ひとまずは、これで今年各作品は応募用の作品だけになります。なので、なろうに上げることはないと思います。


「遅刻だ。3日目にして遅刻だ」

「そんな落ち込むことないわ。私なんか、しょっちゅう遅刻してるわよ?」

「志津香が問題児扱いなのは遅刻のせいだったのか……」

てっきり魔法の力が強大すぎて先生方も困っているのかと思ってたが、実際は……。

白門はため息をついた。

「あら、ため息つくなんて失礼ね。私は優秀な問題児よ! 序列を見ればわかるでしょう?」

確かに志津香の序列はSS18と学内18位の実力者だ。

「それはそうだけど――」

「それに昨日羅姫先輩を倒したから私の序列はきっと上がってるわ! 遅刻くらい問題ないほどに!!」

「いや、遅刻は問題だよなっ!!」

どうも、昨日の試合いに勝ったことで浮かれているのかもしれない。

「志津香、早く行こう。きっと先生も怒ってる」

「…………わかったわよ」

結局、俺たちは早足で学校に行き、優樹菜先生に怒られることとなった。



休み時間。

「「「「「白門クン? なんで遅刻したノ? 志津香さんと何があっタ!?」」」」」

俺は問いただされていた。

「いや、俺が寝坊しただけだよ。心配するようなことは何もないって」

風呂のことは記憶から一時的に消した。

「「「「「ほんとっ!? ホントのホント!?」

「……あはは。ホントだって」

消去しきれなかった記憶のため顔がひきつる。

その時、小悪魔を視界の端に捉えた。

「え~! 白門ったら。朝まで……ねぇ」

バカヤロ――――!!

盛大な誤解を招いてしまった白門は一目散に教室を逃げ出そうとした。

――だが。

「白門ぉ?」

そこには明らかに皆と違う怒り方をした和花奈……いや、ここは敢えて修羅と呼ばせてもらおう。

修羅は俺のことを凝視したまま動かない。

どうするべきだ? 無視もできない。後ろまで迫って来ている女子たちを考えると。

「これが一番いい方法っと!」

「あぁ――――!!」

「……へっ!?」

俺は和花奈を肩に担いで教室のドアから廊下に出――

その時、白門は見てしまった。

和花奈とは比べ物にならない、本物の修羅を。

恐怖に駆られた白門は一目散に逃げ出した。



キーンコーンカーンコーン


「二時間目始まっちまった。まいったな」

隣の和花奈に目をやるが、修羅の表情どころか、顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている。

まぁ、恥ずかしそうにしてるのは俺が原因なんだが。

これで俺は二時間授業出席せず、和花奈は一時間出席しなできないということになった。

いや、今からでも授業に戻ることはできるが和花奈が固まったまま動かないし、それに教室には修羅が……。

そう思うと急に背筋が凍るような悪寒がした。

「和花奈ぁ! 聞いてるか? お~い」

「はず…し……白門…みん……前で」

まだダメなようだ。

「悪かったって、ほら元に戻ってくれ」

「…………は」

「は?」

「恥ずかしかったっっ!!」

――!? びっくりした。

「……お、う。悪かった。急にしたらびっくりするし嫌だもんな」

「あ、いや。正直嬉しかったけ……違う違う!」

「どうした?」

「私が言いたいのはそんなことじゃなくて! …………昨日と今日、黒姫の部屋で何やってたの?」

和花奈が顔を真っ赤に染め、今にも泣き出しそうな声音で問うてきた。

か、かわいい……こんなの、ほんとのこと言うしかないじゃないか。

「実はな、風呂入ったんだ」

「えぇぇぇぇぇぇえ! いきなり二人でお風呂入ったの!?」

「ちがーう!! 初めは一人で入ってたんだ!」

「初め? じゃあ、あとには……っ!」

「もう、ちょっと静かにしててくれない?」

それから、説明するのに30分を要した。


キーンコーンキーンコーン




その頃、志津香は


「……………………ぬぅ」

未だ修羅だった。





年内最後の作品はどうでしたでしょうか><

それでは良い年末年始を…。

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