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志津香VS羅姫 白門の取り合い……。

決戦書けました!!誕生日なのでめっちゃ頑張って書きました! 評価してくれると嬉しいなぁ……。

ということでよろしくお願いします!!!!!

授業の内容はまったく頭に入ってこなかった。今日は、せっかく『属性』についての授業だったのに……。

全ての元凶は、志津香だ。俺の好きな人であり、多分、俺のことが好きな女の子。

朝告げられた喧嘩を売りに行くという、事がまったく頭から離れなくなってしまった。

俺が先輩の羅姫と契約したことがダメだったらしい。

…………あれ? 元凶俺じゃん。



というわけで昼休み、俺と志津香は二年A組の羅姫先輩の元へ向かった。

「喧嘩なんて無理だからさ、話し合いで決着できないのか?」

ランクこそ上だが、見た目中学二年生くらいの女の子と、喧嘩なんかしたくない。

「大丈夫。喧嘩するのは私だから」

えっ?

「それこそダメだろ! お前、ランク負けてんだろ? 俺は羅姫先輩のものになんかなりたくない」

「じゃあ! なんで契約キスしたのよぉぉ!」

予想以上の大声と正論にビクッとなった白門だったが。

「そ、それはそうだけど……やっぱり俺が戦う。お前に怪我されちゃ、俺が耐えられん」

「白門、ありがとう。でも、これは私がやるわ。教師達にもそう伝えてあるから」

「はぁあっ!? 教師っ!? なんで?」

「Sランク以上が授業以外で対戦する場合、先生たちに報告しなきゃならないの」

と志津香が言うが、俺はひとつの疑問にたどり着いた。

「羅姫先輩にはまだ言ってないんだろ? 出来るかわかんねぇだろ、その喧嘩」

「えぇ、でも、きっと受けるわ。あの人も、白門君を独り占めしたいと考えるだろうから……」



そうこう言ってるあいだに羅姫の教室にたどり着いた白門と志津香は、いきなり教室に乗り込んだ。(白門は無理やりだったが)

「羅姫先輩いますか? 決闘を申し込みに来たんですけど」

志津香が、物怖じせずに、ずかずかと教壇にあがり声をかけた。

わたくしならここですけど……はっ白門様! 来てくれたのですね!」

窓際で読書をしていた羅姫は、白門を発見すると、新幹線ばりの速さで突進してきた。

だがそれを志津香が制した。

「っと、何するんですの? ……黒姫?」

「聞いてなかったの? 羅姫先輩、あなたに決闘を申し込んだのよ」

「なぜ? 私のほうがランクは上ですし、する理由もないですわ」

「いや、あるわ! 私の白門によくも私の許可なく契約してくれたわねっ! 白門を賭けて勝負しましょう!」

「許可? なぜあなたに許可を申請する必要が? …………でも、白門様を賭けるってことはあなたも負けたら私にくれるってことですわよね?」

え? 嘘! 俺聞いてない! てか、聞いてたら、なんか俺は志津香の所有物じゃねぇかっ! ……それでもいいけど。

「ちょっと待て! 俺は羅姫先輩のものになる気はないぞ?」

いち早く反応したのは羅姫だった。

「え? 白門様……やはり私じゃダメなのでしょうか……グス」

それに涙目になってしまった。それでも俺は心を鬼にし……なんだこれ! すげぇ母性本能を刺激される!!

「ちょ、ちょっと待って……ハンカチハンカチ……っ! 何してんだ俺」

後ろに冷たい視線を感じ振り向く。

「白門ぉ? あんたは私のところにいなさい。惑わされないでよ」

「……はい。何もできなくて申し訳ありません……」

まるで忠犬だな俺。

「今日の放課後! 体育館で待ってます。これは公式です。それでは」

言うだけ言って踵を返し教室を出ていく志津香を追って白門も教室を出た。

「おい、公式ってなんだよ?」

「文字通り、公式でやるのよ。先生達も知ってるって意味」

なるほど、公式で俺を取り合うと……。

「っておい! 大掛かりすぎだろ!?」

こんな俺を取り合うために……てか、志津香に頑張って欲しい。正直、何回も言うが俺は志津香が好きなんだ。だから当然俺は志津香に勝ってほしい。だから、卑怯だけど……。

「志津香、志津香。これ」

小声で話しかけ、右手を出す。

「何? 何もないじゃない。からかってんの?」

「違う。俺が渡したいのは――」

「わかってるわよ、魔力でしょ?」

白門は自分の言いたかったことを先に言われて、戸惑った。

「私はね、あなたの力を借りるときもあるわ。でもね、今はその時じゃない。あなたが景品なのに、好きな方に肩入れしちゃダメでしょ?」

……その通りだ。志津香の戦いなんだ。手出しは、できないんだ。

「じゃあ、勝ってくれ。力を貸すことはできないけど……。俺のために勝ってくれ」

「ノー、違うわ。白門のためじゃなくて、私自身のためよ」

そう言って、余裕そうに微笑んだ。



教室に戻ると、見知らぬ女教師が、担任の春崎優樹菜と話していた。見知らぬ女教師と言っても昨日ここにきたっばかりだからほとんど知らないんだが……。

「ったく、ごめんな。急にこんなことになっちまって、お前も忙しいっていうのに」

「いえいえ、大丈夫よ。志津香ちゃんも大変なのよ」

「そういってくれると助かるわ~」

もうすっかり、口調がかわってしまった優樹菜先生が謝っているところだった。

「何やってるんですか?」

気になって声をかけると、女教師は「それじゃあ」と去っていった。

「なんだ、後輩。稽古でもつけてほしいのか?」

ははは、と笑いながら話してくるあたり機嫌がいいんだろう。

「あの、さっきの誰ですか?」

「あぁ、羅姫のクラスの担任だ~。決闘にはその者のいるクラスの担任が絶対出なきゃなんねぇんだ」

「はぁ、メンドくせぇな」と本音を漏らしている。

確かにめんどくさそうだ。放課後の仕事が増えるわけだからな。

仕事が増えた先生に同情しつつ、今日の稽古がなくなったことを残念に思った。

「なんか、すいません。ホントは今日の稽古もして欲しかったんですけど。無理そうですね」

「んぁ? やるに決まってんだろ」

「マジですかっ! やった……んんっ」

これは予想外だ。まだまだ、教えて欲しいことがあるからな。授業じゃ、そうわがままを言えないからな。

咳払いをしつつ、決して浮かれているところを見せずに平常でを装って続ける。

「じゃあ、決闘終わったら体育館で待ってます」

そして教室に戻ろうと足を踏み出したその時。

「あれ? あいつどこいったんだ?」

志津香がいないことに気づいた。



探すあてもないので教室に戻ると志津香が俺の席に座ってパンを食べていた。

後ろから近づき声をかけようとしたが、彼女がブツブツ何かを言ってることに気がついた。

そっと耳を傾けると。

「絶対負けない絶対負けない絶対負けない……」

と呟いていた。

心の中でため息が漏れた。

ったく、昔からこんな感じだったよな。コイツと遊んでいじめられたりした時も、みんなに喧嘩売って、水龍だしてたり……あれ? めっちゃひでぇ。

すこし引き気味で顔を見ると、ジャムパンだったのか、口元にジャムがついていた。

可愛いのか、ひでぇのか、どっちかにしてくれ……。

志津香の口元に手をやり、ジャムをとってやる。

よし、ちょっと、キザにやってみよう。

「おい、ほらジャムついてたぞ」

やっと俺に気づいたのか、ゆっくり顔を上げて自分の口を触った。

「だから、取ったって、ほら」

改めて見せてやる。

「ほんとだ、ありがとう白門」

結局声のトーンは沈んだまま。

これは、こういう場所でやりたくなかったが……。

白門は手についたジャムをペロリと舐めたとった。

「……ったく、可愛いじゃねぇか……」

言った瞬間、志津香は顔をこれ以上ないほど赤くさせ、周りの生徒たちは、「キャーーー白門君かっこいい~~」と叫んだ。

「ちょ、お前ら全員みてたのかよ!?」

やけに静かだと思ったが、まさか息を潜めていたとは……。くそっ、滅茶苦茶恥ずかしいじゃねぇか。ここまでしたんだ。絶対勝てよ志津香!

そう目で語りかけたが、志津香は頭から湯気を出し、のぼせたようになっていた。

逆効果……?



午後の授業もみんなからの視線と志津香が気になり、全然集中できなかった。

結局、何にもせずに終わった授業では、数学を勉強していたから、俺自身全然問題にならないが。

そうこうして、放課後。景品の俺は戦いを見るために、どデカイ体育館に足を運んだ。

「はぁ、こんなでかい体育館、ほかにあるかよ……。

体育館中央まで来ると、白門専用の椅子があることに気づいた。

「景品……それに座るの?」

椅子は、どこぞの王様が座るようなVIPな椅子だった。

ゆっくりと近づき、椅子に座り手を肘掛に置くと、肘掛から手錠が出てきてどこぞの尋問器具に化してしまった。

「うへっ!? な、なんだこれ!! 景品だぞ! 俺一応景品ぞ!?」

テンパって自分でもよくわからない言葉を出してしまった。

とそこに優樹菜先生と見知らぬ女教師が出てきた。

「ちょっと、そこで我慢しなさいよ。お前は志津香がピンチになったらきっと助けに行くだろうからな」

くっ! 多分当たってる。志津香がピンチになったら、多分手助けしてしまう。そこまで計算されてこの椅子なのか。

「っ、はぁ、なにもしませんよ」

少し強がる。ホントは志津香がランク上の奴とやって傷つくのが嫌なんだ。

抵抗をやめ、志津香に二人が出てくるのを待つ。

数分経ち、ギャラリーが集まってきた。

「やだ、白門君なにやってんのかな? ふふっ」

「景品だからかな? ふふっ」

当然、王様椅子に座っている俺は目立つわけで……。

「ちょっと、これはきついぞ。おい、優樹菜先せ――」

「おいっってなんだぁ? おいっ、私は先生だぞ? 立場をわきまえろ」

「は、ハイッ!」

やはり、薙刀で襲ってくるだけはありますこの先生。相当なオーラ量の持ち主ですはい。

こんな高い椅子に座っていられる王様を尊敬しつつ、再び志津香たちを待つ。

さらに数分後、黒いレイピアを持った志津香と、小さいペンダントを握った羅姫先輩が現れた。

「先生、羅姫先輩のあれって」

「そうだ。志津香の持ってるような武器じゃないけど、あれは戦闘に使うものだ」

何に使うんだ? 全く想像できない……。

「はぁ、ヒーリングだよ。傷を癒すんだ、あいつは強い。保健室の先生ほどじゃないが掠り傷なら、3秒もかからないだろ。ま、和花奈の毒なら別だが……」

なんて人だ。羅姫先輩には剣で付けた傷が治っちまう。つまり、強打の打撃攻撃か、深く切り込まないと羅姫先輩には勝てない。

「志津香……」

無意識に漏れた声は……戦いの始まりを告げるホイッスルにかき消されてしまった。



戦いが始まった。

「容赦はしないわ!」

「私の白門様にするのですわ!」

二人の声が重なり、一斉に相手の方にかけた。

初めに技を出したのは羅姫だった。

「水魔法『スプラッシュフォッグ』っ!!」

唱えるとたちまちあたりが霧に飲まれていく。

「こんなの、気配でわかるわよッ!」

志津香は集中して、探知しようとする。だが。

「無駄ですわ!」

霧の中で、羅姫の声が反響して聞こえてくる。

「私は隠魔法が得意ですの……だから、あなたに私は見つけられない!」

「くぁ! どこよっ!」

霧に乗じて攻撃しているようだ。

だけどこの霧なら志津香の風魔法で吹き飛ばせるはずだ。なのになぜやらない?



志津香は考えていた。

こんな無様な姿、白門には見せられない。

と。

現在、志津香の制服はボロボロに破け、ところどころ素肌が露わになってしまっている。

こんな恥ずかしい姿っ白門に見せられるわけないじゃない!!!

そこで考えたのが相手のペースで戦わせて、いい気にさせる作戦。

近づいてきたところを捕まえて、この、手に装備している鉄のグローブで殴り飛ばす……。

志津香は、羅姫のペンダントの能力を知っていた。

だから、外部の傷ではなく、内部に傷をつけることにした。

あとはどうやって捕獲するか……。

あまり時間がない。こうなったら、探知してみようか、広範囲を。だけど、羅姫は隠魔法が得意だ。並大抵の濃度じゃ見つけられない……。

「くっ!」

また掠り傷をつけて戻っていく。

まるで、こちらの場所がわかってるように見えるわね……。

少し考えて、ある考えに行き着いた。

この霧……まさかっ!?

そう、この霧は羅姫によって操作されているのだから、霧にぶつかったところに志津香がいるのはバレてるのだ。

ならっこっちも!

志津香は更に考えた。こちらも霧を作ってしまおうと。

幸い、霧が出ているということは、温度が下がっているわけだ。こちらも水魔法と氷魔法を同時にやって、水の温度を下げれば……いける!

考えがまとまった志津香はすぐさま行動に移した。

「氷魔法『リング・フローズン』!」

親指と人差し指をくっつけトンネルを作り、あまり得意じゃない氷魔法をそこ限定でかける。

「水魔法『ウォーター・ドラゴン』」

立て続けに水魔法を唱え、トンネルをくぐらせる。

温度が下がった水たちは、霧となり、さらに視界を塞いでいった。



羅姫は勝てると思い込んでいた。

いつもこの作戦で勝ってきましたわ。

みんな、この霧にはすぐには対応できない……そこを畳み掛けて終わりですの。

それに私には切り傷があまり聞かない。

掠り傷さえも3秒で元通りですの。

だから、私の勝ちは揺るぎませんわッッ!!

霧を操作し場所を把握する。

ちょうど近くに向かってきてますね。そろそろ、終わりにしましょうか。

この水たちを氷の槍に変えて串刺しですわぁ。

そういえばだんだんこちらに向かってきてますわね。

なぜかしら……私の場所はわからないはずですのに……。

「そっちは水龍ね! 捕まえたっ!」

「えっ!? ひゃぁ!」

え? でも前に!? え?

今私はどうなってるの? 手も足も動かない。それに掴まれてるところが冷たい。凍ってるみたいだ。

「さぁ! これでラストよ! 見なさい。火魔法『ランプライター』!」

志津香の手に見える明かりは火のようだ。

その火は、当たりの霧を熱し、水に戻しているようだ。

そして私は状況が状況がわかりました。

「キャーー! なんですのこの状況!」

逆さになり、スカートがめくり上がってパンツが丸見えになっている。

こんなの白門様に見られたら……っ!!

どうにかしないと……。

「無駄よ! 固めてあるんだもの。氷よ? そんな分厚い氷、どうやって割るのよ。叩き割る? そうね」

まって、私、何も言ってない……。

「じゃあ、この拳であなたを殴りまくって氷から出してあげるわ。その前にあなたが壊れちゃうかもしれないわね……フフフ」

志津香は笑いながら拳を見せてきた。黒々とした硬そうなグローブをしていた。

「まって、まってくださいの! そんなのでやられたら死んでしまいますの」

「べつにいいわ。序列が上がって白門が返ってくるだけだもの」

そういって駆け出してきた。

「おりゃぁ!」

一発目、お腹に助走の勢いも加わったパンチが飛び込む。

「がはっ……」

「どう? まだやられたい? まだ全然本気じゃあないんだけどさ……」

「……うぅぅぅ……もう、いいです、私の負けでいいですのっ!」



志津香たちどうなったんだ? 

霧がさらに深くなってもう何がなんだかわからなくなった白門は只々心配するだけだった。

負けてなきゃいいんだけど……。

「風魔法『ウインド・サーカス』」

志津香の詠唱が聞こえ霧が一気に晴れた。

すぐに志津香たちを見つけた白門は声をかけようとした。

「しず…………か。おまえその服……」

服がビリビリに破け素肌がところどころ見えていてエロかった。

「え? ……っ! 忘れてた!! 見ないでよ!」

手に持っていた黒いグローブをこちらへ投げてきた。

「なんだよ、そんなの投げんな――ごふっ!!」

顔面に入ったグローブは見た目より何十倍も重く、速さが合わさりとんでもない威力になってた。

「な、なにすんだ……志津香……」

でも勝ったみたいだ。だって羅姫が逆さで氷付にされて貼り付けられていたから……。

「せ、先生。これ外して……ください」

「え~めんどくさいな」

そう言いながら、外してくれるところ、機嫌がいいんだろう……って昼からずっと機嫌がいいな。

拘束を解かれた白門は一直線に志津香の元へ駆け寄った。

「志津香、勝ったんだな」

「ちょっと、白門! こっち来ないでよ!」

ビリビリに破けている服が戦いの激しさを物語っていた。

「ほら、これ羽織っとけ」

自分のワイシャツを脱ぎ、志津香に渡す。自分はまだラン二ングを着ているので裸ではない。

「え? あ、ありがと」

ワイシャツを羽織ったのを見て、俺は志津香を抱きしめた。

「ごめんな、こんなに傷つくらせちゃって……」

「え!? え、ええ、べつにいいわよ?」

「でも、必死に戦ってくれてありがとう」

最初は戸惑っていた志津香だったが、ゆっくり身を任せてくれた。


どうだったでしょうか? 面白かったら是非お気に入り登録、点数評価お願いします。

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