表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武装守護霊  作者: 改樹考果
プロローグ『選択の武霊使い』
5/85

5、『オウキ』

 「な!」

 自警団員の人が驚きの声を上げるのが聞こえた。

 その声が聞こえたのは腕で顔を守ってから僅かな時間しか経っていない。

 当然、迫ってきた骨が俺の身体に突き刺さるには十分過ぎるはずなのだが……痛くない?

 恐る恐る上げていた腕を下ろすと同時に、地面に落ちる骸骨犬達の骨。

 え?

 「ぼ、『防御具現』!? ば、馬鹿な! き、君! さっき、この町に今日初めて!」

 余程の出来事が起きたのか、腹に自身を焼く骨が刺さっているというのに、自警団員の人は声を上げる。

 ちょ! 何でそんな状態で驚愕しているんだこの人は!

 「……えっと……それがどうしたんですか?」

 骸骨犬達の動きを警戒しながら、俺はとにかく自警団員の人を落ち着かせる為に、言葉を口にしたが、

 「う、嘘だろ?」

 嘘?

 「……そんな嘘を言う必要がどこにあるんです?」

 骸骨犬達は、自分達の攻撃が防がれたことを警戒してか、慎重に発射した骨を引き戻し、周りをうろうろし始める。

 「ば、馬鹿な……武霊は、い、一ヵ月以上この町に、いないと、憑かない、はず」

 一ヵ月以上町にいないと憑かない? なるほど、つまり、武霊は『星波町限定な存在』ってことか? もしそうなら、サヤが捕まえたってことか? 何であれ、もし、本当に星波町限定なら、『何らかの理由』で『武霊に関することが町の外に出ない』って事だよな? じゃなきゃ、こんなのが出て来るのに、日本、いや、世界中が大騒ぎしないのはあまりにも不自然過ぎる。

 不自然過ぎるが、今は情報が少な過ぎて、何の予想もできない『何らかの理由』に、俺は底知れぬ不安を感じた瞬間、自警団員の人がガクリと膝を付く。

 同時に、何故か剛鬼丸の姿が霧散し、消え去ってしまった。

 俺は慌てて自警団員の人を支えようとするが、自警団員の人は手でそれを制して、

 「と、とにかく、今は、い、今の武霊を使って、逃げろ……で、できるだけ、早く、遠くに!」

 そんなことを言いながら、ゆっくり地面に倒れた。

 「ぅう!」

 同時に、身体に突き刺さっていた骨が引き抜かれ、骸骨犬の肋骨に戻ってしまう。

 骨が引き抜かれたことにより、大出血を想像していたが、出血は一切なかった。

 つまり、それだけ中が焼かれてしまっているということ。

 くそ! このままじゃまずい! だ、だが、ど、どうすれば!?

 目の前に迫る他人の死に、俺が動揺した瞬間、骸骨犬達が一斉に俺に向かって襲い掛かってくる!?

 その瞬間、俺の背後から白銀の腕が飛び出し、骸骨犬達を殴り飛ばした。

 そして直ぐに、剛鬼丸同様にその腕は霧散して消えてしまった。

 な!? え!?

 今起こったことと、どう見ても死にかけている自警団の人のことでパニックになり掛けるが、直前で霧散化した白銀の腕がまさに、俺がイメージしたオウキの腕だったことを思い出す。

 ということは、今みたいにさっきの骨弾丸を防いだってことか!? つまり、これが防御具現。サヤの言っていた守護か! じゃあ、じゃあ、本当に、本当に……だとしたら! いや、まずは落ち着け俺、落ち着けよ……

 混乱からわけのわからないテンションにならないように自分を落ち着けながら、骸骨犬達に再び視線を向ける。

 腕だけ具現化したオウキに吹き飛ばされたことにより更に警戒したのか骸骨犬達は、一斉に遠吠えをし出す。

 その意味を考えるより早く、俺は思い出した『具現化トリガー』を使う為、謎の老人の言葉を思い出しながら、強く、強くイメージする。

 頼む! ちゃんと具現化してくれよ!

 そう願いを込めて、

 「我が呼び声に応え、現れ、武装せよ」

 イメージするのは、白銀の鋭角的なフォルムの騎士甲冑!

 「今は名も無き守護霊!」

 人類を守護する為に造られた俺の物語・王継戦機の主人公!

 「汝は機械の王にして」

 契約者の意志力をエネルギーやナノマシンに変える『ライオンハート機関』を持ち!

 「全てを守る王の騎士!」

 そこから作られたナノマシンを血のように体中に流し、機械でありながら生物の機能を持たせる『ナノマシンブラッドシステム』で構築された躯体を駆る!

 「武装守護霊」

 ナノマシンにより武装と従者を作り出す守護機騎シリーズのアーキタイプにして、汎用防衛型守護機騎ナンバー0!

 「オウキぃいぃぃぃ!」

 その瞬間、俺の背後から何かが現れる気配。

 そしてそのまま俺の身体をすり抜けるように通り抜けたそれは、半透明な姿だった。

 驚く俺の前で、その姿はしっかりと色を帯び始め、質量感を得ると共に着地した。

 俺を守るように立つのは、白銀の二メール以上ある機械巨人。

 何度も、何度も思い浮かべ、想像してきた物語の主人公。

 そして、何度も、何度も焦がれ、望み、心の支えにしてきた主人公。

 度重なる引っ越しの時、両親の出張の時、死を自ら望んだ時、何も無くなった時、俺はオウキを主人公にした物語を考えることで何度も助けられた。

 このオウキが、俺の思い描くオウキそのものではないことは、わかる。

 別の何かが、オウキの姿になっているだけだと。

 だが、それでも、それでも嬉しかった。

 心の底から嬉しかった。

 空想の存在が、現実に目の前にいる。

 そっとその背中に手を置くと、当たり前だが、触れることができた。

 ひんやりとした金属の感覚ではなく、僅かな温かみを感じる優しい感覚。

 オウキは設定上ナノマシンにより構成された金属細胞でできている。

 だから、生きている反応がある程度と妄想していた。

 ここまで再現されている。

 その事に何ともいえない感情が湧きだし、今、俺が置かれている状況を一瞬忘れてしまった。

 そんな俺の耳に、

 「は、早くに、逃げろ……は、『はぐれ化』が、は、始まってしまう」

 そううわごとのように言う自警団員の人の声が入り、言葉の意味を理解しようとした瞬間、周囲に更に大量の骸骨犬達が降り立った。

 咄嗟には数え切れないほどに増えた剛鬼丸に、俺は眉を顰める。

 っく! 初具現化だっていうのに、いきなりこの数は無いだろ!? これでは防御力が弱い『あれ』が使えないじゃないか!……ええい! 仕方ない! 俺のオウキが完全に再現されているのなら! 先にこいつらを蹴散らす!

 「いくぞオウキ!」

 ちゃんと想像どおりになってくれと願いながら!

 「セレクト! ケルベロス二丁! ブリットオーダー! 冷凍弾(コールド)!」

 俺の命令に、オウキの両腕内側の装甲が二枚にスライドして開き、白銀の二丁拳銃がそこから飛び出し、両手に収まった。

 オウキの両肩・両腰・両腕には『簡易格納庫』と名付けているものがあり、それを使うことで機体内のナノマシンが新たな武器・兵器・兵装に構築して出すことができる。

 そして、腕の簡易格納庫は主に武器・防具を出す場所で、今出したのはオウキ専用の拳銃にして、幻獣の名を冠したレールガン式銃器シリーズ『幻獣銃(げんじゅうじゅう)』の一つ。

 更にマガジンの中には、冷凍弾(コールド)を瞬時に精製できる専用のナノマシンが込められており、その仕組み上からその弾数は普通の銃の何十何百も撃つことができる。

 生成する弾丸の威力が高ければ高いほど、構造が複雑になればなるほど、一つのマガジンで撃てる弾数は減るが、冷凍弾(コールド)の最大弾数は発百発。

 それだけあれば、いくら数が居ようと!

 「う――」

 撃て! と俺が言葉を発するより早く、オウキが勝手にケルベロスを連射した!?

 精製と同時に撃ち出された冷凍弾(コールド)が骸骨犬に当ると同時に、弾頭が弾け込められていた冷凍ガスが四散。

 冷凍ガスに骸骨犬が触れると共に、本体である骨は勿論、吹き出している炎ごと凍らせる。

 凍ったことにより地面に次々と転がる骸骨犬達を、『俺自身の視界以外の視界』で見た。

 な! なんだ今のビジョンは!? ってか、俺、命令してないぞ!? どういうことだ!?

 いや、待てよ!? このオウキも、サヤと一緒に心の中の公園にいた。

 ということは、オウキも俺に取り憑いているってことで、魂と魂が繋がっているってことか? だから、俺の意思に応えて、命令より早く撃ち出したってことか?

 そう思うと、何となくオウキから同意されたような感じがした。

 いや、何となくとはいったが、妙に確信を持てる何となくだった。

 って! 今はそんな細かいことを気にしている場合じゃない! できたっていうのなら、今は理由を考えずにオウキを使え黒樹夜衣斗!

 俺はそう自分に言い聞かせ、オウキと剛鬼丸の戦いに集中することにした。

 オウキは俺の指示が無くても次々と骸骨犬を凍らせている。

 ケルベロスは拳銃であり、レールガン形式である上に、弾丸は瞬時に精製するので、マシンガン並みの連射速度を出すことができた。

 しかし、次々と新たな骸骨犬が現れる上に、彼らが折角凍らせた連中を全身の炎で溶かしてしまう為、僅かに増える数の方が凍らせる数を上回っているようだった。

 連射できるとはいっても、周囲に被害が及ばないように配慮して撃っているので、どうしてもその速度は落ちてしまう。

 これではオウキだけでは……

 チラッと自警団員の人を見る。

 身動き一つしておらず、小さい声で

 「逃げろ……逃げるんだ……早く」

 と言い続けていた。

 どう見たってヤバい状態だ。早くしないとまずい!

 だが、下手に強力な武装を使ったら、近隣民家まで影響を及ぼしかねない。ここは住民がいないみたいだったが、だからといって、周りの家に人がいないなんてことはないだろう。

 よし! だったら、手数を増やすまでだ!

 そう思った俺は、新たな兵装をイメージし、

 「セレクト! PSサーバント!」

 俺の命令に応えたオウキの右肩装甲が開き、そこから俺の頭より少し小さいシンプルな白銀の小型円盤が飛び出した。

 両肩の簡易格納庫からは守護機騎シリーズ専用の半自立小型遠隔操作兵器『サーバント』を出すことができる。

 そのサーバントには、その機種ごとに何らかの特化した機能・性能を持たせられるいわば万能兵器。

 そして、今出したPSサーバントは、『要人保護強化用サーバント』。

 オウキから飛び出したPSサーバントは、そのまま俺の背中に移動し、くっ付く。

 くっ付くと同時に円盤の側面が開き、そこから無痛針が付いたチューブが無数に現れ、俺の胸・首・手首・足首に刺さり、身体機能強化・機械同調用ナノマシンが注入される。

 それと共に上層部がせり上がるように開き、そこから黒い液体のようなナノマシンが吹き出し俺の身体を瞬時に覆う。

 ナノマシンにより着ている服が分解され、俺の格好が全てが黒い、体に密着した頭部の部分が無い全身タイツに近い姿にした。

 タイツとはいってもそこには皮膚の薄さに近い人工筋肉が形成されており、俺の少々だらしない身体を引き締め、疑似的な痩せマッチョ体型を形成すると共に、両腰に長いガンホルダーのような機器が付いたベルトが巻き付く。

 更にPSサーバントの本体から大量のナノマシンが追加され、前が開いたマントに近い黒いロングコートを形成した。

 一見頭部は無防備に見えるが、そう見えるだけでちゃんとナノマシンで保護されている。

 PSサーバントつまり、パワードスーツサーバント。

 注入したナノマシンで内を、人工筋肉で外から装着者を強化・保護すると共に、オウキとサーバントに同調する機能を持つ。

 これを使って、俺がオウキと機能的に同調すると、視界に入っている骸骨犬達の一部に白い丸十字のターゲットサイトが現れる。

 白いターゲットサイトは、オウキが狙っているという意味で、全ての骸骨犬にそれが表記されていないということは、明らかに間に合っていないという証拠。

 だが、ここに俺が加われば、こんな状況なんて覆せる!

 そう自分を鼓舞する虚勢を心の中で叫ぶと共に、

 「PSサーバント! セレクト! ドーベルマン二丁! ブリットオーダー! 冷凍弾(コールド)!」

 両腰の長いガンホルダーに両手を当てる。

 するとそこから、冷凍弾(コールド)が装填された漆黒の二丁拳銃が飛び出し、俺の両手の中に納まった。

 両腰に付いた機器は、オウキが持つ簡易格納庫の劣化版で、『簡易格納ホルダー』を名付けている。

 これから出せるのはあくまで劣化版である為、オウキが出せる武器を着用者に合わせた形でしか出せない。

 その区別を付ける為に、こっちの場合は『現獣銃(げんじゅうじゅう)』と名付け、色を変えている設定だった。

 まあ、そうはいっても、正直、名前に関しては死に設定と化しているし、語呂が悪い。

 が、そんな事は今は問題ではないし、例え威力が弱くても、オウキが間に合わない部分をカバーすることができるはずだ。

 とはいえ、俺に銃を撃った経験などある訳ないので、このまま撃っても骸骨犬に冷凍弾(コールド)が当たらない可能性がある。というか外す自信ならある。

 だから俺は、二丁拳銃を構えながら、

 「オートマチック機能起動!」

 音声操作でPSサーバントに身体の動きを任せ、俺の意思に伴った行動を自動的にする機能を起動させた。

 その瞬間、俺の視界に黒い丸十字のターゲットサイトが無数に現れ、オウキが狙ってない骸骨犬にロックオン。

 同時に手足が勝手に動き、オウキと背中合わせになった。

 準備は整った! いっけぇえええええ!

 俺の意思に応え、PSサーバントが俺の指を勝手に動かし、二丁拳銃のトリガーを連続で引いた。

 ドーベルマンもレールガン式である為、火を噴く事は無いが、高速で弾丸が射出されている事には変わらないので、その衝撃は凄まじい。

 はずなのに、着ているPSサーバントの影響で衝撃は一切感じない上に、オートマチック機能により、撃ち出された弾丸は一発も漏れずに黒丸十字が付いた骸骨犬に当たった。

 もっとも、こっちの口径はオウキより小さいので、一発当たった程度では全身を凍らす事ができず、直ぐに残りの炎で溶かされてしまう。

 だが、それで十分! 行くぞオウキ!

 俺の思念にオウキから応じる感情を送られてくると共に、足が勝手に動く。

 背中を中心にオウキと俺は互いの位置を交換する様に回転。

 俺が撃ったことにより動きが鈍った骸骨犬に、オウキが口径の大きい冷凍弾(コールド)を叩き込む。

 その背後で俺が続々と現れる新たな骸骨犬の動きを鈍らすと、再び位置を入れ替え、オウキが止めを刺す。

 この動作を高速で繰り返す事で、オウキ単体で攻撃していた時より早く、効率的に骸骨犬達を次々と凍らせる事ができると思っていた。

 のだが、なんか思っていた以上にオートマ機能が凄かった。

 俺の意思に反応してなのか、俺が足止め程度で止めようと考えていたのに、いつの間にか口径の小ささを補うかのように弾丸を三・四発以上撃ち込む様になっていた。

 まあ、これのおかげで、オウキの止めを待たずに、骸骨犬を氷漬けにする事ができたが、その分、俺の腕は激しく動く為、段々腕が痛くなってきた。

 オートマチック機能は、本来の俺の身体では出せない動きと速度を、人工筋肉と体内のナノマシンによる神経操作により強引に出している。

 だから使えば使うほどに身体に負荷が掛かり始め、体組織がどんどん壊れ始めてしまう。

 まあ、あんまりにも酷くなり始めたら、それを補う為の他の機能が起動するだろうが……なんであれ、普段の俺ではまずありえないなめらかで素早く、かつ、正確な動きに、自分の身体なのに、自分の身体じゃない妙な感じになってしまい、思わず眉を顰めてしまう。

 しかも、これだけ動いているのに、息一つ切れていない。

 そのことにも、激しく違和感を覚えつつ、

 さっきまでは、ちょっと全速力で走っただけで息が上がってたのにな……

 そんなことを思いながら、PSサーバントとオウキの至る所に付いた極小カメラである『副眼カメラ』を思考制御で起動し、周囲を確認しようとしたが、いきなり複数の視界ができたことに、一瞬面食らってしまう。

 感覚的には自分の目で見ている視界なのに、それが複数同時に現れた為だが、本来なら混乱しそうな状況なのに、PSサーバントにより脳が強化されているおかげか、自然に全方位を確認できた。

 冷凍弾(コールド)によって凍った骸骨犬達の上に、まだまだ途切れることなく別個体が降ってくる。

 とはいえ、凍った骸骨犬達が邪魔で、新たに現れた別個体の動きが鈍くなり始めていた。

 今がチャンス!

 そう思った俺はうつぶせに倒れている自警団員の人を見る。

 弱弱しく息を吐いてはいるが、完全に意識を失っているようだった。

 本当に大丈夫なんだろうか?

 そんな不安を感じながら、俺はオウキに自警団の人を助ける為の命令を出そうとした。

 その瞬間、ぞくっと悪寒を感じる。

 何に対して悪寒が走ったのかわからず眉を顰めていると、ずっと視界に収めていた自警団の人の背中から半透明の剛鬼丸がゆっくり姿を現していて……

 唐突にオウキが二丁拳銃(ケルベロス)が、両腕を平行にスライドさせる様に動かして簡易格納庫に収納した上に、素早くこっちに身体ごと振り返る。

 いきなりどうした!?

 そう心の中で問い掛けるが、オウキは応えもせずに俺を抱きかかえた。

 いきなりな行動に唖然としていると、オウキが膝を曲げ、ジャンプ。

 その跳躍力はとんでもなく、二階建ての家の屋根をあっさり越え、その何倍以上の高さまで一気に上がる。

 急激な上昇による強烈なGで一瞬くらっとしたが、PSサーバントの機能が働いたのか、気絶することはなかった。

 そのことにちょっと安心していると、続けざまにオウキが俺にある装備のイメージを送ってきた。

 送られてきたイメージはオウキ専用の飛行装置だったので、その意図を理解した俺は命令を口する。

 「セレクト! ウィングブースター!」

 『ウィングブースター』は、オウキの背中にある簡易格納庫と同じ仕組みで収納されている飛行兼潜航用ブースター。

 羽毛のように細かく細いブースターが翼のように配置されているので、傍から見れば本物がオウキから生えたように見える飛行装置。

 そんなウィングブースターを展開したオウキは、上空に羽ばたくように空中に留まった。

 と同時に、足下で強烈な閃光が!?

 何だ!? 何なんだ!?

 あまりにも強烈な光であった為、俺は軽くパニックになり掛けるが、そうなる前に凄まじい爆発音と衝撃が襲い掛かってきた。

 激しい衝撃と爆風をオウキが上手くいなしてくれたので、俺は爆風がある程度収まるのを見計らって足下を肉眼で確認すると…………え?

 目に入った光景に俺は絶句することになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ