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武装守護霊  作者: 改樹考果
プロローグ『選択の武霊使い』
4/85

4、『サヤ』

 …………あれ? ……痛くない?

 いつまで経っても骨が身体に突き刺さる感覚を感じないので、恐る恐る目を開けてみると、俺はいつの間にか再び見知らぬ公園にいた。

 あまりにも唐突過ぎる不自然な場面転換? に俺はしばらく呆然とし、瀕死の重傷を負って今際の際の夢でも見てるんだろうか?

 その発想に、思わず今着ている服を確認する。

 黒のジーパンに青と白チェックのワイシャツ、その下に無地の白いTシャツと、俺の記憶の最後にある姿と変わらない。

 ん~夢にしては現実の姿と変わらな過ぎる。

 死後の世界だったら、裸になってるか、白装束だろうし、まあ、そんなのが実際にあればだが……とりあえず、

 頬をつねって見る。

 ……うん。痛い。

 ってことは、ここは現実なのか? いや? その割には前後の記憶に差異があり過ぎないか? だって、直前までどこぞの家の玄関前に居て、骸骨犬達に殺され掛かっていたよな? 骨が発射される爆発音だってハッキリ聞いている。

 そんな風に困惑していると、不意に、

 「夜衣斗」

 またしても背後から名前を呼ばれた。

 振り返ると、そこにはやっぱり簡素なドレスを着たウェーブロングヘアの女性がいて、悲しそうな表情を浮かべていた。

 彼女は――

 「サヤ」

 ん?

 「忘れちゃったの? 夜衣斗が付けてくれた私の名前」

 はぁ?

 俺が彼女に名前を付けた?

 全く覚えが無い、どう見ても年上の美人にそんなわけがわからないことを言われ、まあ、急激な状況変化も原因の一つか? とにかく、俺は困惑を通り越して混乱した。

 もっとも、混乱したからといって、この状況がわかるわけではないので……

 腕を組み、片手で口を覆い、鼻だけでゆっくり深呼吸。

 まだ混乱はしているが、まともな思考できるぐらいまでは落ち着いた。

 が、その俺の仕草を見て、サヤと名乗った女性は、少しだけ嬉しそうに

 「ふふ。その癖を『直接』見るのは久し振りだわ。夜衣斗は身体が大きくなっても、そういう所は子供の頃から変わらないね」

 っな!?

 た、確かに今の癖は子供の頃からしている癖で、自分を落ち着かせる時や考える時に今でもよくしている。

 ど、ど、どういうことだ!? 何だかますます混乱したが、落ち着け、落ち着け、と、とにかく、

 「……何者なんだ? あ」

 「サヤ」

 あんたと言おうとした俺の言葉を遮って、ちょっとだけ怒った感じで自分の名前を言うサヤ……さん?

 「さんはいらないわ」

 ん?

 今の思考、口に出したか? というか、さっきからほとんど喋ってないよな?

 その俺の疑念に、サヤさ――

 「だから、昔みたいにサヤって呼んでよ」

 昔? そんな憶えは……って、そんなことより! まさか!? 心が読めるのか!?

 俺の心の問いに、サヤは頷いてから満面の笑みを浮かべ、

 「ようやくサヤって思ってくれた」

 その笑みに思わずドキリとしたが、いやいや、そんなことより!

 超能力者か!?

 「違う」

 じゃあ、魔法使い?

 「それも違う」

 それも違うって……本当に、何者なんだ?

 「何者って言われても……」

 俺の問いに、少し困ったような表情を見せ、

 「私は『夜衣斗のサヤ』だもの」

 とわけがわからないことを嬉しそうに口にした。

 俺のサヤって……

 「ちょっと嬉しい?」

 勝手に心を読むな……

 思わずげんなりしてしまうが、まあ、少なくとも俺に悪意あるわけじゃないだな。だとすると、一体ここはどこなんだ? 俺は助かったのか?

 その俺の問いに、サヤは首を横に振り、

 「ここは『夜衣斗の心の中』」

 …………はあ?

 「だから、夜衣斗の身体は何処にも行っていないの」

 俺の心の中ぁ?

 サヤの電波発言に、疑問より戸惑いを感じたが、

 「電波は酷いって」

 こう実際に心の中を読まれているということは、ここが俺の心の中という裏付けになるか?

 つまり、何か? 俺はやっぱり夢を見ているってことか?

 こくりと頷くサヤ。

 そうことも無げに同意されても困る。

 俺としては何とも言えず黙るしかないじゃないか。いや、元から喋ってないが……だが、それにしては肉体の感覚はちゃんとあるし、意識もしっかりしている。夢ってこんなはっきりしているものだったか? 少なくとも俺が今まで見た夢ではこんな風になったことは無い。

 「もちろん普通の夢じゃないよ。私が夜衣斗の意識をここに連れてきたからね」

 ってことは、サヤが助けてくれたってことか? まあ、身体がそのままってことは、意識が目覚めれば、そのままジ・エンドなのか?

 「……ええ……残念だけど」

 そうか……それにしても……夢ね……

 どうにも釈然としないので、俺は周囲を見回す。

 何度見ても、どう見ても、見覚えのない公園。

 これが俺の心の中だというのなら、何かしらの見覚えがあってもいいはずだと思うんだが……

 「それは仕方がないよ。だって、夜衣斗は『まだ忘れている』から」」

 まだ忘れている? 何を?

 「色々。重要なことから、他愛のないことまで、何もかも……ついでに私のこともね」

 私のって所で寂しそうな顔をされ、思わずぎゅっと胸に来るものがあったが……ん? ちょっと待て! そんな記憶の欠如があるのなら、いくらなんでも記憶の不自然さに気付くだろ!?

 「忘れていることは、日常生活に関係ないことだから、忘れていても不自然にならなかったの」

 日常には関係ない?

 「うん。『非日常』の記憶をね」

 非日常? 非日常ね……何を指して非日常とするか……

 まず思い浮かべるのは、漫画やゲームなど非日常。

 次に思い浮かべるのは、暴力や欲望が支配する非日常。

 色々と考えはするが、俺の記憶の中にそれらと繋がり思い起こすものはなかった。

 いや? さっきまでそれらとは別の非日常を体験していたか? まあ、それは過去の記憶とは関係ないな。ん~俺の今までの人生は、少なくとも非日常と呼べるものと関わりを持ったことがない。決して良い人生を歩いているとは言えないが、『ある意味』普通の人生のはずだ。

 「大丈夫。徐々に思い出すよ」

 そう言ってサヤは俺の後ろを指差した。

 「だって、『閉じられてたもの』が、開き始めているんだもの……だから、いずれ『思い出さざる得なくなる』」

 閉じられていたもの? 思い出さざる得なくなる?

 サヤの言葉に眉をひそめつつ、指差す方向を確かめる為に後ろを振り向くと、

 「……なんだありゃ……」

 思わずそうつぶやいてしまうほど異様な光景があった。

 それは巨大な、円状に集まった宙に浮く黒い枝の塊。

 見上げてもようやく全体像が見えるぐらい巨大なそれは、俺の見ている前でぽろぽろと枝を落としていた。

 落としているといっても、それらの音は聞こえない。

 つまり、それだけ離れているということであり、見えている以上にそれはかなりでかいということになる。

 まあ、俺の心の中だというここに、通常の物理法則が存在しているならの話だが……っていうか、ここが俺の心の中なら、あんなのがある心って……俺、大丈夫なのか?

 そんなことを思っていると、更に変化が起きた。

 枝が一つ一つ落ちる度に、その場所から水のような物が噴き出す。

 これが何を意味しているのかわからず、サヤの方を再び見ると、サヤは最初に見せた悲しそうな表情を浮かべていた。

 「今の夜衣斗だと疑問は尽きないと思う……でも、全部思い出せば、その疑問も全部晴れるから……」

 思い出せば……っていわれてもな……

 もう何が何だかわけがわからず、ひたすら困惑したその瞬間、背後で何かが弾けたような強烈な音がした。

 慌てて振り返ると、黒い枝の集まりのほんの一部が吹き飛んでいて、そこから大量の水が噴き出……何だ? ……え!?


 公園の中にあるブランコに、幼い頃の小さい俺が座っていた。

 そして、その目の前に、サヤがいた。

 「ねえ。名前を付けてよ」

 そう言うサヤに、小さな俺は小首を傾げた。

 「おねえさん、名前ないの?」

 「そうだよ」

 小さな俺の問いに優しく微笑むサヤ。

 「だから、付けて」

 「うん……わかった」

 催促するサヤに、小さな俺は頷き、いつもの癖で腕を組んで手で口を塞ぎ、一生懸命考え始める。

 少しして、

 「ん~……じゃあ……お姉さんは僕の      なんだから……サヤ。サヤって名前はどう?」

 小さな俺のその提案に、サヤは少し苦笑して、小さな俺の頭を撫でた。

 「ありがとう。今日から私はサヤね。そして、夜衣斗。今日からよろしくね」

 そう言って微笑んだサヤに、小さい俺は微笑み返した。


 唐突に思い出した幼い頃の記憶。

 一部欠けている部分があったみたいだが、あまりの唐突な思い出し振りに、それを気にしている余裕はなく、思わずサヤを見る。

 「思い出した?」

 そう言って微笑むサヤだが、その姿は、『幼い頃に見たまま』だった。

 どれくらい幼い頃の記憶なのか、前後の記憶があいまい過ぎて、定かじゃない。

 だが、少なくとも視線の位置からしてその姿は間違いなく小さく、かなり幼い。

 だとすると、十年以上前なのは間違いなく、つまり、普通の人間ならそれ相応の変化がないとおかしいのに、サヤにはその変化が一切見られなかった。

 まあ、そもそも、ここが実際に俺の心の中なら、生身の人間がいる方が不自然だよな……つまり、精神体。いや、幽霊? なんであれ、取り憑かれているのか? 十年前から?

 サヤは何も言わない。

 だが、当たらずも遠からずって感じ、なのか?

 何故かサヤが幽霊という考えに、絶対的に違うと俺の心が否定していた。

 確証はない。

 だが、確信がある。

 そんなわけがわからない心の状態に戸惑っていると、

 「夜衣斗」

 真剣な面持ちで俺を真っ直ぐ見詰めるサヤに、俺は戸惑い、目線を反らしたいのに反らせなかった。

 人の視線は苦手なんだが……

 「夜衣斗には、これから『死の運命』が待っているわ」

 って! 今まさにそうなってるだろうが!

 「大丈夫、この程度の死の運命なんて、夜衣斗ならどうとでもなるわ」

 はあ? 何言ってるんだ? あんな状況、ただの人間である俺にどうにかできる訳ないだろ?

 俺のちょっと怒りが入った問いにサヤは首を横に振り、自分の胸に手を当て、

 「私は、夜衣斗の『運命を変える選択』」

 運命を変える選択? 俺の?

 「夜衣斗が望むなら、死の運命だって『変えてみせる』」

 変えて見せるって言われても……

 「でも、覚悟して夜衣斗。運命を変えるということは、『変えれば変えるほど他の運命を引き寄せる』」

 なんだそりゃ……え~っと何か? つまり、今回の死の運命を退けても、また新たな死の運命が引き寄せられるってことか!?

 俺の問いに、サヤはこくりと頷いた為、

 「どうしてそんなことになると思う?」

 どうして?

 急な問い掛けに、俺は戸惑うしかなかった。

 問い掛け自体も戸惑いの原因の一つだが、更に戸惑わせているのはサヤが悲しくも辛い表情を浮かべるからだった。

 それは俺に対しても向けられている表情にも思えるし、自分に対しても向けられている表情にも見える。

 だからなのか、ピンと来るものがあった。

 つまり、運命を変える為に、サヤは自分のことを『運命を変える選択』と言ったから、何かがあるのは間違いないだろう。それが運命を変えられるほどの『何か』なら、他の運命を引き寄せるって言ったことも鑑みて、『その力を借りれば、それが新たな原因になる』。ああ、だから選択できるようになってるのか? まあ、それがどんな選択かは知らないが、そういうことなんだろ?

 俺の答えにサヤは、躊躇いながらこくりと頷いて、少し悲しげに微笑んだ。

 俺は溜め息一つ吐く。

 強い力には代償が付き物だとはよくある話の展開だが、今の状況から逃れる為にはわざわざ新たな死の運命を呼ぶ力を借りなくてはいけない……か……それがどんな力かわからないが、サヤがあの状況を何とかしてくれるのか?

 「私じゃないわ」

 首を横に振り否定するサヤ。

 「私はあくまで『運命を変える選択』で、ただの夜衣斗の『サヤ』よ」

 それって、つまり……どういう意味なんだ?

 わけのわからない答えになってない答えに、俺は思わず聞き返すが、サヤは薄っすら微笑むだけで、それ以上は答えようとしなかった。

 だが、代わりにサヤは両手をおわん状にして俺に差し出す。

 条件反射的にその手を見ると、そこには……え!?

 「何とかするのは、『この子』」

 そう言うサヤの両手には、いつの間にか、見覚えのある、いや、正確には、『いつも考えているもの』が在った。

 俺は幼い頃からオリジナルの物語を作ることを趣味としていた。

 だから、今まで拙い物から壮大な物まで、数え切れないほど、というのは流石に大げさだが、色々な物語を作っている。

 その作った色々な物語の中で、最も古く、最も長い、今でも考え続けている物語があった。

 それは『王継(おうけい)戦機(せんき)』と名付けている物語。

 ある理由で一度リセットされた地球を舞台に、リセットする前の地球で作られた騎士のようなロボット『守護(しゅご)機騎(きき)』の一機を主人公にした話。

 そのロボットの名前は、『オウキ』。

 創り出したいくつもの物語の中で、俺が最も気に入っているキャラクターだ。

 それのミニチュアが、サヤの掌の上に在った。

 鋭角的な騎士甲冑のような全身白銀のその姿。

 まさにずっと考え続けてきたオウキそのものの姿だった。

 だが、どういうことだ? オウキはあくまで俺の空想の産物であって、実際に存在している訳じゃない。

 それがあの状況を何とかする?

 疑問というより、不信の目をサヤに向けると、

 「夜衣斗、私は言ったよね?」

 微笑むサヤ。

 「私は運命を変える選択だって」

 ふと、骸骨犬と剛鬼丸が頭に浮かんだ。

 そもそも、あんなもの、現実に存在していることはまずありえない。

 あれが何なのか、骸骨犬の方は自警団の放送で『はぐれ』って単語が出て来たことから考えて、はぐれと呼ばれている物なんだろう。

 そして、同じく放送で『武霊使い』って単語が出てきたことを考えると、剛鬼丸は『武霊』と呼ばれている存在。

 両者とも全く別の行動原理で動いているようだったが、どちらも近い、同じような存在に感じられた。

 何故なら、どちらも『人の空想の産物』のような……空想の産物? ……まさか!

 行き着いた思考の結論に、俺は驚愕で目を見開き、サヤを見る。

 こくりと頷くサヤは、更に言葉を続ける。

 「この子は『武装守護霊』。夜衣斗の『想像で武装し、夜衣斗を守護する霊体』」

 ……想像で武装し、宿り主を守護する霊体……だから武装守護霊。だから武霊……

 信じられない話だが、現に俺は骸骨犬と剛鬼丸という存在を目の前で体感してしまっている。

 信じるしかない。

 信じられない。

 信じたい。

 期待や願望や不安や疑惑などの様々が現れては消え、ぐるぐると頭の中を回り、心をこれ以上に無いってぐらい掻き乱す。

 混乱した思考のまま、身体? 夢の中でも身体は身体か? は心の奥底にある願望を体現しようとした。

 オウキを、幼い頃から空想の産物だと思いながら、何度も欲し、空想の産物だと思いながら、何度も助けられた存在が、現実として、実体を持って現れる可能性がある。そんな可能性があるのなら、俺は…………手に入れたい!

 そんな願望が沸き起こる。

 だが、どうすればいいんだ?

 俺のその疑問に、サヤは微笑んで、

 「触ってあげて」

 そう促されて俺はオウキに……躊躇いがちに……触れた。

 次の瞬間、


 小さな俺が誰かを見上げていた。

 視界に入るその人の顔は、何故か霞みがかっていて顔がわからない。

 憶えていないんじゃなくて、思い出していない。

 何故かそう感じた。

 「一度しか見せないから、よく憶えているのだよ」

 その人はそう優しく俺に言って、数歩前に出た。

 全体像と声からして、その人は明らかにサヤではなく男性。それもかなり高齢な人だとわかるが……俺の知り合いに高齢男性がいた記憶がない。

 その事実に戸惑いを感じていると、

 「武装守護霊の基となったイメージを強く強くイメージして」

 そう言った後、老人が呪文のように言葉を紡ぎ出す。

 「我が呼び声に応え、現れ、武装せよ  。汝は                !武装守護霊  !」

 何故か所々が聞こえない。

 これも憶えていないんじゃなくて、思い出していないと感じたが……

 何故思い出せないのか、違和感を覚える忘却だが、どんなに思考を巡らせてもその部分は俺の中になかった。


 不意に映像が途切れ、気が付くと、顔が見えない老人は同じ場所に立っていた。

 何が変化しているという訳ではないが……

 「これが武装守護霊の正式な具現化の仕方・『具現化トリガー』だよ」

 そう老人が言ったことで、時間が飛んだのはわかったが、この記憶の不自然な欠如の仕方は一体どういうことなんだろうか?

 疑問が疑問を呼ぶが、過去の記憶なので答えが返ってくるわけじゃなく、ことは進行していく。

 「これを、君は『君の言葉』で使いなさい」

 俺の言葉で?


 老人の言葉を思考するより早く、俺は記憶の世界から帰ってきた。

 そして、気が付くと手に触れていたミニチュアオウキが無くなっていて、どこにやったのかサヤに聞こうとした時、ふと背後に気配を感じ、振り返る。

 そこには実物大? になったオウキは片膝を付き、まるで本物の騎士のように頭を俺に対して垂れていた。

 これが俺の武装守護霊……

 片膝を付いているとはいえ、俺より大きいオウキに俺は少し圧倒された。

 「呼んであげて」

 背後からサヤがそう促すが、呼ぶ?

 「夜衣斗の言葉で」

 ああ……そうか……そうだったな……

 さっき記憶の中で見た老人の言葉を思い出す。

 所々欠けたその言葉が、何故か自分の中に、自分の言葉としてはっきりと在った。

 その記憶の不自然さに強い違和感を覚えるが、

 「大丈夫。それは夜衣斗が考えた夜衣斗の言葉だから」

 そうサヤに言われると、何故か自然と納得できた。

 これが、俺の言葉。オウキの具現化トリガー……って、こんな長い言葉を言ってる暇ないぞ!?

 「それも大丈夫。もう夜衣斗には、この子の『守護』が付いているから」

 その言葉と共に、


 唐突に俺の意識は現実に戻された。

 思わずつぶっていた目を開けると、視界には迫る無数の骨。

 その光景に、俺は反射的に腕で顔を守ってしまい――

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