小倉あんな、デモゴッド・猫ちゃんマンと出会う
時は2026年1月の中頃。
日中はぽかぽかしているが、まだまだ朝晩は寒い。
ひとりの小学生の女の子が、道を歩いている。
あぁ、今日もいい天気。外はとっても寒いけど。でも、ママからプレゼントしてもらった手袋とパパからもらったマフラーもしてるから寒さもへっちゃらなんだ。
あ、私はね。小倉あんな、って言うんだよ。小学5年生の11歳。クラブは手品クラブに入ってるの。だって魔法使えたらすごいじゃん。え、手品は魔法じゃないって?いいの、いいの。だって、手品は魔法の入り口みたいなもんだよ。手品が上手くなって、魔法が使えるようになって。ぼんっ、きゅっ、ぼんの大人の色気たっぷりなお姉さんになって…そしてイケメンに囲まれて逆ハーレム状態に…
「うふ…ふふふふ…ふひひひ…あっ!」
やばいやばい。ひとりで妄想に浸りすぎてやばい声出ちゃった、気をつけなきゃ。
今は学校帰りなんだよ。私の通う小学校はダークベア学園初等部。小中高とエスカレーター式になっている学校なんだ〜。あ、ちなみにそのダークベア学園高等部、通称DBHS(Dark Bear High School)には、私のお兄ちゃんが通ってるんだよ。私が言うのもなんなんだけど、優しいお兄ちゃん。すこーし調子乗りなとこもあるんだけど、お友達も多いみたい。
「にゃあ〜ん、ごろにゃ〜ん」
ん?猫ちゃんの鳴き声かな?鳴き声のしたほうを見ると…
「でかっ!!」
うん、そうなの。猫ちゃんにしたらなんかちょっとデカいの。顔…とか。体…とか。ん〜〜…猫なのか?猫…なのね?
「そこのかわゆい女の子ちゃん。僕のこと見えるのかにゃ〜ん」
やべ、なんか人間の言葉喋ってるぞ、コイツ。これは無視するに限るよね…私は見えてたけど、見えてないフリして、そ〜っと家の方に帰ろうとする。
「吾輩は猫であ〜る!名前はまだ魔神にゃんこ。うきゅっ!」
やべー!絶対やべーぞ、コイツ。目はくりんとしてて可愛いんだけど、言ってることがヤバい!早足で逃げよう。ん…でも体が言うことを聞かない。
「待ちなさいにゃ〜、そこのかわゆい女の子ちゃん。君は魔法使いになりたくないのかにゃ〜?」
え。魔法使い…?
「その欲望ダダ漏れの思考を読ませてもらったのにゃ〜。魔法使いになったら、きっと逆ハーレムなんてもういくらでもわんさか!!なのにゃ〜。うきゅきゅっ!」
「ちょっと、にゃんこさん。魔法使いになれるってホントなの?」
私は怪しさ満開のデカい猫ちゃんのほうを見て、はっきりと聞いた。
「うにゃあ〜〜。あ、ボクの名前は、デモゴッド・猫ちゃんマン。まぁでも好きな名前で呼ぶといいにゃあ〜。ちなみに魔法使いになるには契約がいるにゃ」
契約…??なんか絵本で読んだ話だと、契約って魂を売るとかそういうやつなのかな。大丈夫かしら?
「契約って、私の魂を売り渡すとか、そういうやつなの?」
「ううん、違うにゃあ。フルーチェ1年分で大丈夫だよ。分割払いも可」
フルーチェて…最近の小学生はフルーチェ食べないし、知らないっての。でもそれならいける。
「よしっ、乗ったわ!私と契約を結びましょう。私を魔法使いにしてちょうだい!」
「おっけ〜にゃあ〜〜ん。じゃあいくにょ〜」
猫ちゃんマンの両手がものすごく光りだした…!
「わっ!!まぶしいっ!」
◇ ◇ ◇
一方、こちらはダークベア学園高等部。エスカレーター式の学園の高等部は、ひとつのクラスに10人前後の計10クラスがある。1クラスごとの人数が少ない理由は、ほとんどが進学を目指す生徒が多いのだが、学力によって細かく生徒を分けることで、教育の効率化を目指しているためだ。
この教室は2年B組のクラスである。今は学校の授業が終わり、終礼中のようだ。
「みなさん、今日の宿題と明日の用意はちゃんと写しましたか?明日は体操服忘れないようにしてくださいね」
教室の前に立って、みんなを仕切っているのはシロクマ・シロリーヌちゃん。クラスの委員長である。1クラス10人と少ないが一応まとめる役は必要なので、10人それぞれが何かしらの係だったり、役割がある。
「シロリーヌ殿!完全に10回ほど確認したので大丈夫でござる!明日の体操服はもうすでに中に着ているでござる」
少し変な喋り方のこの男の子は、ザー・レゴット3世くん。なんかどこぞの国の王様の末裔らしいが、実際は謎である。
「レゴちゃーん、明日の体操服を中に着てたら臭くなっちゃうよ〜!それよりシロちゃんもう帰ろうよ〜」
早く帰りたそうにしているのは、ニッシュ・ユークリウスくん。頭はいいのだが、少しめんどくさがりなのだ。
「あっ、そういえば今日あんなは授業早く終わるんだった、忘れてたわ。ちゃんと帰ってたらいいんだけど」
あんなちゃんのことを心配しているのは…そう、先ほどのあんなちゃんの兄、ルヴァン・セーゴである。本名は小倉 セイゴ。妹思いのお兄ちゃんなのだ。お兄ちゃんの心配が的中したのか、妹は今大変なことになっているぞ!早く気づくんだお兄ちゃん!
果たして、魔法少女に憧れていたあんなちゃんは、猫ちゃんマンの力で魔法使いになれるんだろうか?
あんなちゃんが学園からの帰りで偶然であった猫ちゃんマン。
明らかに怪しいが、なんなのか?
ホントにあんなちゃんは、魔法使いになれるんだろうか?
◯登場人物(カッコ内はモデルとさせていただきましたなろう内の作家様のお名前を載せています、敬称略しております)
小倉あんな:11歳、ダークベア学園初等部5年生、手品クラブ在籍、逆ハーレムをひたむきに夢見る女の子。和菓子が大好き。(小倉あんな)
デモゴッド・猫ちゃんマン:小倉あんなが学校帰りに出会った謎の猫。普通の人には見えていない?(魔神)
シロクマ・シロリーヌ:ダークベア学園高等部2年B組のクラス委員長を務める女の子。責任感が強く、みんなを引っ張っていくリーダー的な存在。いくらおにぎりが好き。(シロクマシロウ子)
ザー・レゴット3世:ダークベア学園高等部2年B組。独特なキャラだが実は由緒ある血筋の生まれ…らしい。(戯言士)
ニッシュ・ユークリウス:ダークベア学園高等部2年B組。ほんわか男子だが、頭はいい。得意科目は数学。(二角ゆう)
ルヴァン・セーゴ:ダークベア学園高等部2年B組。小倉あんなの兄。なかなかの妹思いで、いつも妹のことを心配している。(清坂正吾)




