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⸻ 第4話 大学での困難と友情の支え
大学生活は想像以上に厳しかった。講義の合間に友達がランチに誘うけれど、結衣はアレルギーを気にして一緒に食事ができない。サークル活動に参加しても、みんなが楽しそうに食事を囲む姿を遠くから見るだけだった。
「ねえ、結衣、無理しないで」と、親友の美咲が優しく声をかけてくれた。
「私、君のことを理解したい。どんな時も味方だからね」
美咲はアレルギーについて勉強し、結衣が安心して過ごせる環境を作るために動き始めた。彼女の気遣いは結衣の心を少しずつほぐしていった。
さらに、先輩の拓海も助けになった。拓海は医療系の学生で、アレルギーに詳しく、結衣の体調管理や緊急時の対応を相談できる頼もしい存在だった。
「結衣さん、無理をしないで。でも、楽しめる範囲で大学生活を満喫しよう」
二人の支えにより、結衣は孤独から少しずつ解放され、自分らしい学生生活を模索し始めた。
そして何より、緋人の変わらぬ愛情と献身が、結衣を支え続けた。
「一緒に頑張ろう。君の夢も、未来も」
結衣は笑顔を取り戻し、少しずつだが確かな歩みを進めていった。




