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やっぱりバレた

本日も複数回投稿します!

ブックマークや評価で応援してくださると大変うれしく思います!

よろしくお願いいたします!


我慢しなくなって3週間が経った。

終業後に街へ行くこともすっかり習慣化され、今日もルンルン気分で街に繰り出した。


今日は念願のカフェに行く予定。

ずっと前から気になっていたのだが、なかなか人気だったため寮の門限がある私には少し厳しかったのだ。


でも今日は短縮授業でいつもよりも早く外出できるため、このチャンスを逃すわけにはいかなかった。


「お次でお待ちのお客様~」


店員さんの声に返事をして立ち上がり、ついていく。


予想通りカップルや友人同士で来ている人が多く、1人で来ている人はあまり見かけない。

案内してもらった席はテラス席で、爽やかな風が私の髪を揺らした。


「では、ご注文が決まりましたらお呼びください」

「ありがとうございます」


メニュー表を開き、さっそく目を通す。

このお店は季節のフルーツを使ったケーキが売りらしく、そのどれもが美味しそうで目移りしてしまう。


(このケーキいいな。あ、でもこっちのパフェも美味しそう!!看板メニューも捨てがたい…!)


パラパラとメニューを捲るだけでもう楽しい。

ようやく来れた念願のカフェなんだ!

ここで我慢してどうする!!


「すみませーん」

「はい、ご注文をどうぞ」

「この季節のフルーツケーキと、こっちの看板メニュー、チョコパフェを1つずつお願いします。飲み物はオレンジジュースで!」

「かしこまりました。少々お待ちください」


店員さんは笑顔で注文を受けてから厨房に下がっていった。


ぽかぽかと温かい日差しが降り注ぎ、頬を撫でる風が心地よい。

早く来ないかな~と心を躍らせて待っていると、間もなく店員さんが注文した物を運んできてくれた。


「お待たせしました」

「わ~!美味しそう!」


思わず声に出てしまい、慌てて口を抑えるも店員さんは優しく笑ってくれた。

「ごゆっくりどうぞ」という言葉に会釈してから躊躇なく髪を結ぶ。


(今までは髪に跡がつかないようにするために常におろしていたけれど、やっぱり風もあるし結ばないとね)


本音はケーキを何の不自由もなく堪能するためだけれど、まあまあまあ・・・。

髪を結んで、しっかりと準備を済ませる。


「じゃあ…いただきます!」


フォークでケーキを1口サイズに切り、口に運ぶと甘酸っぱいフルーツの味が口の中に広がった。


(美味しい~!)


食べ進める手が止まらない。

ケーキだけでなく、看板メニューやパフェもあっという間に完食してしまった。


「ふぅ」と一息つき、オレンジジュースを飲む。

うん、正直紅茶とかよりもオレンジジュースの方が好きだ。


「まだまだ食べれそう~…何か頼もうかな」


再びメニューに目を向ける。

どれにしようか悩んでいると、誰かがこちらに近づいてくるのを感じた。

店員さんかな、と思い顔を上げると、そこにはロアンナとルークさんがいた。

2人とも制服のままではあるが、すでにどこかのお店の紙袋を持っている。


「ロアンナ?」

「やっぱりシャルじゃない!私服だからすぐに分からなかったわよ!」


彼女は驚いたように声を上げると、顔を綻ばせた。

ルークさんも私と目が合うと微笑んで挨拶してくれた。


「ルークさんもごきげんよう。デートですか?」

「はい。ロアンナのドレスの打ち合わせに来たのですが、早めに終わったのでそのままデートしています」

「そうだったのですね」


ルークさんは嬉しそうに教えてくれた。

そうか、たしか今日の時短授業も来月ある学内パーティーの準備のためだったっけ?

いつも自分でドレスを見繕えないから全く忘れていた。


「あれ、シャル。レオルドさんはどちらへ?」

「レオルドさん…?いや、私1人よ。レオルドさんはここにはいないわ」

「「1人!?!?」」


2人は声を揃えて驚くと、そのまま呆然としてしまった。


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