表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/26

どれもキラキラ光って見えるの…!


「今日も楽しむぞ~!」


昨日同様、終業のチャイムと同時に教室を出る。

そして寮で着替えてルンルン気分で街に繰り出した。


しっかり考えた結果、無理にアクセサリーを買うのではなく、欲しいと思えるアクセサリーに出会えたら購入する、という結論に至った。


まずは自分の好きなものを買う、ということに慣れないといけない。

レオルドさんの好みかどうかで判断していた今までの癖を治さないとね。


「よーし、まずは昨日回れなかったお店に行こう!」


軽い足取りで目的のお店に向かう。



そこは昨日のお店とはまた違った雰囲気のお店だった。


欲しいと思えるアクセサリーに出会えたら、とは考えたものの、アクセサリー自体は欲しいには違いないのだ。

そう思ってアクセサリー専門のこのお店に昨日から目星をつけていた。


「いらっしゃいませ」


店内に入ると、店員さんは私に気づいたようですぐに挨拶をしてくれた。

ぺこりと頭を下げてから商品を見させてもらう。


(わぁ、全部可愛い・・・!)


様々な種類のアクセサリーが並び、思わず目を輝かせてしまう。

ネックレスもイヤリングも指輪もある。


「良かったらお手に取ってご覧くださいね」

「あ、ありがとうございます」


店員さんは優しく声をかけてくれた。

私はお礼を言ってからおずおずと商品に手を伸ばし、じっくりと眺めてみる。

どれもこれも素敵で目移りしてしまう。


(このネックレス可愛いし、このイヤリングも・・・!)


あれもいいな、これもいいな、なんて考えているうちに時間はどんどん過ぎてしまう。

それでも鏡を見ながら1つ1つしっかり自分に合わせてみる。


何度も繰り返している時、ふと鏡の中の自分と目が合った。



__鏡に映る私が、久しぶりに笑顔だった。



その事実に気づいた瞬間、ほんの少しの間固まってしまった。

こんな自分を見るのは本当に久しぶりだったから。


「わら、ってる」


なんだか鏡の中で笑っている自分が他人のように見えて仕方ない。

それほどまでに信じられなかった。




結局、そのお店でネックレスを1本とイヤリングを2つ、髪留めを2つ購入した。

幼い時に稼いだお金があって良かった、と心の底から安堵の息を吐く。

もしそのお金が無かったら今頃こんな贅沢はできなかっただろう。


今日はそのお店でだけで門限が来てしまった。

それでも楽しい時間を過ごせた喜びが大きかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ