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枷を外す

寮の自室に帰るなり、私は制服のままベッドにダイブした。


今までならこんなことはしなかった。

でももう我慢しないんだからいいの!


「えー!やりたいことが多すぎる~!」


ずっと前から気になっていたカフェに思いを馳せながら足をバタバタさせる。

行きたいお店もあるし、欲しい物もある。

数え出したらキリがないし、考えただけでもにやにやしてしまう。


「どうしよう、幸せすぎる」


今まではレオルドさんの婚約者として恥ずかしくないように、と自制してきた。

けれどもうその必要はない。


「よし、好き放題するぞー!」


ぐっと握った拳をベッドの天蓋に向けて掲げる。

ふと、その手に違和感を感じた。


……あ、忘れてた。


私の右手の薬指には婚約を申し込まれた時にレオルドさんから贈られた指輪が嵌っていた。

あの時は嬉しかったな…。

王子様のような人が、私と婚約を結びたいだなんて夢のようで・・・



「ま、どうでもいいんだけどさ」



今まで一時たりとも外さなかった指輪を躊躇なく外す。

え、未練?

ないない。

浸る感傷も無ければ戸惑いもないんだから。


さすがに捨てるのはまずいか、と思い、アクセサリーケースに入れておく。


久々に自由になった右手を何度も握ったり開いたりする。

見た目もだけれど、何となく心も解放された感じだ。


「また会う時に着ければいいよね」


今思えば、ずっと着けておくように言われたわけではなかった。

婚約したての時にレオルドさんが私の指に嵌っている指輪を見て、あまりにも嬉しそうにしていたから勘違いしていた。


「どうせならネックレスも外そう。ブレスレットも、イヤリングもいいや」


枷を外すかのように、鏡を見ながらどんどんアクセサリーを外していく。

どれもこれも、婚約したばかりの時に貰ったものだ。


「うん、なんだか軽くなった気がする」


沢山のアクセサリーを外した自分は随分とシンプルになっていた。

でも、これでいいのだ。

これから私の好きなものを好きなだけ身に付ければいい。

そう思うと胸が躍る。


「さっそく明日、街へ行こうかな」


寮住みのため門限はあるが、しっかり守れば何度外出しても何も言われない。

しかし時間は限られているため、最大限に活用するための綿密な計画を立てることにした。



***


本日分の更新はまだありますのでお楽しみください!


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