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Clockworks Cellphone

ふと気づけば受信メールが消えていた

古いものから次々と

もう懐かしみながら読むことはできないんだなあ


もはや手遅れも手遅れだけど

もしもちゃんと保護していたら

そしたら思い出に浸ることもできたんだろうになあ


過去を振り返れなくなった

「いま」が更新されていく

思い出は思い出の中だけに

それでいいと思う

それがいいと思うのさ


機種変更をして前の携帯は棚の奥

データが全部消えていた

これが携帯電話のメカニズムなのか

もうあの頃は思うことしかできない


過去を振り返れなくなった

「いま」が更新されていく

思い出は思い出の中だけに

それでいいと思う

それがいいと思うのさ


最初はこれでいつでも連絡が取れると

わくわくしてて楽しい気持ちでいっぱい

でもふと気づけばすれ違いが多くなった


いつでも連絡が取れるなんてありえないのに

いつでも連絡が取れると錯覚に陥って

だんだん面倒臭く鬱陶しく寂しくなって


時は経ち今は諦める術を学んで

すれ違いも日常の中のすれ違いと変わらない

そういえばあの頃はちょっと噛み合わないだけで

どんどん不安になっていってたなあ


あの頃といま、どっちの方がいいんだろう

諦めてしまうのと、不安になるのと


でもそれをいえば公衆電話、固定電話、手紙……

いつの頃でもいつでもすれ違いはあって

だからいま、俺は新しいすれ違いに苦しんで悩んで

そしてまたいつかの未来 また新しい苦悩を


俺はすれ違いをも含めて

対人関係を愛せるだろうか

時代はいつもそれを試している

だから世界に飲み込まれぬように


過去を振り返れなくなった

「いま」が更新されていく

思い出は思い出の中だけに

それでいいと思う

それがいいと思うのさ

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