番外編 一話 伏見玲は知りたい。
番外編のおまけです。読み飛ばしても本編に影響はそこまでありません。
「ふーん...堀田ってこういうアニメ好きなんだ。」
私は一人、部屋で寛いでアニメを見ていた。普段見た事もないし、多分有名なタイトルしか知らないだろう。でも、堀田の好きな作品を知りたかった。
「あ、そうだ。漫画。」
堀田から送られてきた作品名を1つずつ検索してみる。しかし、何冊もある上、全て買うとお金が持たない。
私は少し考えた後、弟の部屋に向かうことにした。
「ねぇ。」
「あ?なんだよ姉ちゃん。」
「あんたさ。この漫画持ってなかった?」
スマホの画面を弟に見せる。
弟は昔からアニメや漫画が好きで、よく見ている。もしかしたら持っているかもしれない。
「...ん?ああ、あるけど...。何、貸してほしいん?」
「うん。貸して。」
「え...なんで?もしかして興味持ったとか?」
「まあ、そんな感じ。」
「ふーん。珍しい。俺ゲームで忙しいから好きに取ってって。」
弟が指差した先は本棚。
上から順に指でなぞっていくと、探していた漫画を見つけた。
「ていうか...なんでそれなの?それ男向けだぞ。」
「...友達が読んでるの。」
「ふーん。姉ちゃんに友達とか、珍し。てか男なん?」
「...そうだけど。」
「あーだからか。多分趣味が同じなら同じジャンルの漫画あるから、貸して欲しけりゃ勝手に取ってって。」
「わかった。ありがと。」
「あーい。」
私は思わず軽くはしゃぎながら、何冊か漫画を抱えて、自分の部屋に戻った。
「ふーん。男友達、ねぇ。」
「友達の好きな本わざわざ読むもんかな。普段そういうの読まないのに。」