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第十二話 冷徹女王に誘われた。

 「おい堀田!お前どういうことだよ!」

「え?何が?」


 朝、学校へ向かっていると、自分の教室の廊下に矢田が立っていた。

というかよく見ると、なぜか人が多い気がする上に、目線も感じる。


「お前あの冷徹女王とデート行ったのか!?」

「え!?な、なにが!?」

「学校で噂になってるんだよ!町で二人で歩いてたとかなんとか...。」


どうやら学校の誰かに見られて、広められたらしい。

まずい、何とか言い訳しないと面倒事に巻き込まれる気がする...!


「いや、伏見さんが実は僕の見てた小説が好きらしくて、それでグッズ買いに行っただけだよ。」

「は!?あの冷徹女王が!?どの作品だよそれ!」

「これこれ。」


そう言いながら、鞄から本を取り出す。


「弟さんが好きらしくて、興味があったんだって。」

「あー...いや、全然想像つかねぇな...嘘じゃねぇのか?」

「いや、ほんとなんだって。昨日グッズ買ったしさ。これ。」


鞄につけてある主人公の缶バッジ。

結局、つけてしまったのだった。


「ふーん...。なんか信じられねぇけど、弟さんがオタクってことか?」

「そうなのかも?あんまりそこ詳しく聞けなかったけど。僕コミュ障だし。」

「まあ確かに、弟さんまでイケメンで陽キャとかは限らないもんな。」


そう言いつつも、矢田はまだ懐疑的な目で僕を見ていた。

でも僕もこの現実を信じ切れていないし、これ以上説明しようがない。


「あ、堀田じゃん。おはよ。」

「え、あ、伏見さん。おはよう。」


どうやら今日は伏見さんのほうが登校が遅かったらしい。


「あ、堀田の友達さん?おはよ。」

「え、あ、ど、どうも、矢田です。へへへ。」


矢田がキョドりまくっている。でもわかる。

僕も最初はそうだったから。というか、今でもそうだし。


「あ...つけてくれてるじゃん。缶バッジ。」

「...伏見さんがくれたし、付けないわけないよ。」

「ふふ、そっか。」


伏見さんの鞄にも、あの時買った缶バッジが付いていた。


「そうだ。堀田、来週の土曜日は空いてる?」

「え、あ、うん。空いてるけど。」

「また遊ぼ?」

「え!?」


薄々誘われるんじゃないかと思っていたけれど、まさかここで誘われるとは。

周りの目が痛い...!


「...あ、いやだった...?」

「いやいやいや!全然大丈夫!むしろ嬉しい、かな。」

「そっか。よかった。後でまたメッセージ送るね。」

「うん。わかった。」


外野がざわつき始めた気がする...。

やっぱり伏見さん目当てで来てたんだろうか、

やばい、この後質問攻めに会う気がする。


「あ、あの...。」


どことなく気まずそうに矢田が口を開く。


「その作品俺も知ってるんすよね。」

「え、そうなの?どのキャラが好きとかある?」

「あーえっと、最近出たばっかなんですけどーーー。」


というところで予鈴のチャイムがなってしまった。


「あ、ごめん。そろそろ行かなきゃ。また話そうね。堀田、あと矢田さん。」

「あ、そっすね!」


矢田が気恥ずかしそうに手を振り、走り去っていった。


「堀田、行こ。」

「うん。そうだね。」


ざわつく外野もチャイムのおかげで消えていった。

ただ、この感じだと放課後に伏見さんは問い詰められそうだな...。

とりあえず僕たちは、自分たちの席へ座った。


「ちっ、気に食わねぇなーーー。」

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