第十一話 冷徹女王は気づかせたい。 五
「ありがとうございましたー。」
二人で店を出る。...手は握られたまま。
あまりの緊張に、心臓の鼓動が止まなかった。
やっぱり僕のことが好きってこと...いやでも、なんで好きなんだろう?
僕は別に陰気だし、会話もうまくないし、見た目もーーー。
「ねぇ、これつけよ?」
「あ、うん。そうだね。」
「...いや、やっぱりやめよ。」
「え?...あ、そ、そっか。」
やばい、何か嫌われることを言ってしまったかもしれない。
「これ、学校の鞄でつける。...堀田はどうする?」
「え!?でもお揃いの付けると...同じクラスだし、クラスの人にばれると思うよ。」
「別にいいよ。ていうか、嫌?」
「いやじゃないけど、その、恥ずかしいというか...。」
「いいじゃん。気にしないでいこ。」
気にしないでいられるなら苦労しないと、心底思った。
ただ、恥ずかしくとも悪い気はしなかった。
「...そろそろ夕方だね。」
「あ、そうだね。そろそろ帰らなきゃかも。」
「...まあ、ここから電車で戻るのに時間かかるし、仕方ない、よね。」
「そうだね。」
「とりあえず、駅まで行こうか。」
手をつないだまま、二人で駅まで歩き出す。
夕暮れに照らされた伏見さんの表情は、
あまりよく見えなかった。
「じゃあ、ここらへんで。」
「そうだね。じゃあね、堀田。」
「...伏見さん、また。」
「!...うん!またね!」
僕が手を振ると、伏見さんは笑顔で手を振り返してくれた。
こうして僕は、心残りを感じながらも、初めてのデートを終えた。
「...なんだか寂しい気持ちになるな。」
少し気落ちしたような足取りで、駅の構内へ向かう。
そのまま混雑した電車の中へ歩を進めた。
次に乗る電車を改めて調べていたところで、
スマホの通知が来る。
『堀田、次行くところ、どこがいい?』
その言葉に、僕は思わず、笑みを隠せなかった。
久しぶりの投稿です、リアルが忙しくなってきたので、投稿頻度が下がります。




