カタチを手にする戦い
あれからいくつもの何かと殴り合った。
でも、1体目の何かを壊した時よりも、簡単に壊れてしまった。
何だろう、この感触は。
分からない。
だから、もっと殴り合える何かと殴り合うことにした。
それは手にカタチを持っている何かのことだ。
この近くには手に何も持っていない何かしかいないな。
カタチの何かと殴り合う前に、壊していこう。
ちょうど近くにいた何かに、跳躍して殴りかかる。
何かは気づくこともなくその殴りは頭に衝撃を与える。
その衝撃が何かの頭を揺らした。
すると、何かは簡単に壊れてしまった。
もっと殴りたいのに。
自分の周りには簡単に壊れる何かがたくさんいる。
それをたくさん壊しても何か違う。
すぐにだ。
すぐにカタチを持つ何かを殴りに行こう。
たくさん走った。
そうして、見つけたカタチを持った何かは自分を見ると直ぐにカタチを振り下ろしてきた。
平らで長い線のようなカタチを手にしている。
腕を落とされていた何かを見てわかってる。
あれに触れると腕が落ちる。
触れちゃいけない。
なら、足払いだ。
突進してきたカタチを持った何かの足を払う。
突進した勢いのまま前のめりに態勢を崩したカタチを持った何か。
その勢いが強かったのか倒れた時にカタチを手放した。
欲しい。
あのカタチが欲しい。
だったら取る。
それだけ。
そうして、手にしたカタチは重い。
重いひたすらに重い。
これを持って突進してきていたんだ、あの何かは。
今にでも手放したいほどの重さがカタチにはあった。
だとしても、ここで手放せばあの何かがまた拾う。
拾った後、このカタチに壊されるだろう。
なら、このカタチを自分が振るうしかない。
震える両手で、カタチを持った。
何かはまだ、地面で倒れている。
何かが手を前にして、手を振っているがよくわからない。
なぜ後ずさる?
これから壊すのに。
震える両手で振り下ろしたカタチは何かの中心を駆けていった。
鋭い一つの線、それがカタチが描いた絵だった。
何かは頭から真っ二つに割れて壊れて消えた。
これがカタチの力なんだ。
殴っても痛い何かが、カタチを振るえば簡単に壊せる。
重いけど。
もっと、カタチを振るいたい、それで何かをもっと壊したい。
それが・・・・
なんだろう、この何かは。
これはどんなカタチなんだ?
胸が......わからない。
これは一体なんだ?