白い世界の殴り合い
視界が明ける。
視界に入ってくる景色は真っ白な世界。
ところどころに何かがいる。
殴りたい。
いや、殴ろう。
まず一発、一番近くにいた何かを殴った。
硬い。
その何かは硬かった。
だから、蹴った。
硬い。
どうすればこいつを壊せる......
......殴られた。
壁に埋まってる。
見えなかった。
近い、近くにいる。
腕を構えて防御。
衝撃に備える。
それは横から、頭部を捉えた蹴り。
反応できない。
地面を転がる。
追撃が来る。
頭を踏みつける足が迫る。
その足に踏みつけられないように両腕で頭を守る。
ガシガシと足が襲い掛かる。
強い力だ。
押しのけようとしても足の力が強すぎる。
体を転がした。
足に力を入れすぎた何かは態勢を崩す。
だから、殴る。
殴って、殴って、殴って、蹴って、蹴って、壊した。
何かは硬かったが、殴っていくうちに柔らかくなった。
何かは少しの時間を持って消えた。
周囲を見渡せば、何かは何かと争っていた。
今殴っていた自分のように。
ただ、自分と違うところは何かを手にしているところだった。
それは鋭利で何かの胸を貫いている。
あれが自分に向けられたら、消えてただろうな。
それになめらかな曲線を手にしているなにかもいる。
それが腕に触れた何かは腕が落ちていた。
あれは何なんだろう?
なんで腕が落ちるのだろう?
分からないな。
それよりも殴りたくなってきた。
近くに殴れる何かはいないだろうか?