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「このわたくしが貴方がた人間に何かをしたとおっしゃいました? 申し訳ございませんが、そのような認識はまったくありませんね。まぁ百歩譲ってもしかしたら肩のホコリを払った際に何かしらの影響を及ぼした可能性はないとは言い切れませんが、私が直接何か意志を持って施したといったことは一切ないと断言いたしますわ。私レッドドラゴンの誇りにかけて誓えますわ」


「いやー、意志を持っているとかそういうのは関係ないんだけどな。こっちは結果だけを見ているのであって」


「認識していないですから答えようがありませんわね。そしてそんなことで話を誤魔化そうとしないでいただけますか? 私は子供を殺されたショックで死にそうなのです。ひねり殺して差し上げますので、頭を垂れて待つことです」


「ちょっと待ちなさい!」


 立ち直った様子のハクナが声をあげた。


「なんですの?」


「私は龍人族よ。なにかがおかしい。いや、すべてがおかしいわ。どうしてレッドドラゴンなどという龍族の中でも最強クラスの種がこんなところに巣を作っているの? それに想像妊娠なんて気色悪い」


「そう、なんと、龍と人間の融合、中途半端な存在でしたのあなた。これはこれは失笑ものですわね。どうですの? 地上最強の存在の攻撃を受けた感想は? それと想像妊娠を今バカにしましたわね? 命だけで償いにさせてあげようかと思っておりましたが、考え直す必要がありそうですわね」


 なんだか話がこじれてるぞ。どうすりゃいいんだ? えっと、結局は俺達のやりたいことは変わらないはずだ。


「おいレッドドラゴンだかなんだか知らないが、俺はお前をぶっころして帰るっていう依頼を受けてるんだ。だから残念だけど、お前が死ぬことは確定しているんだよ」


 俺を言葉を聞いて、レッドドラゴンは一瞬固まった。


「あっはっはっはっはッ!! え、ちょっとまってくださいまし。今なんとおっしゃいましたか? この最強種であるわたくしに勝てるとほざかれたように聞こえたのですが。いえ、勝つだけでは飽き足らず死に至らしめるとも……はぁ、こんなに爆笑させてもらったのは久しぶりですわ。やっぱり人間界に降りてきて正解だったようですわね。その度胸といいますか無鉄砲ぶりといいますかおバカさん加減といいますか、まぁその部分は評価してさしあげますが、惜しいですね。龍族には売られた喧嘩は買えという習わしがありまして、返り討ちにしなければならないのです。今回で言えばあなたは私の死を宣告したわけですから、私はあなたに死をもたらさなければなりません。まぁそんな習わしすら私を縛る要因にはなり得ないんですけれど」


 なんだかやけに饒舌に喋るドラゴンだった。

 もうボコボコにしていいかな? 結構待ったよな俺。一応いい感じに決闘風の感じに持っていったから、まぁ一応やっつけても角は立たないというか、いい感じのウィンで終われるだろ。まぁあとは最強とか言ってるこのドラゴンちゃんに勝てるんかという問題は発生しているが、そこはほら、俺の魔法は最強だから、正直負けたら負けたで諦められるというのはある。俺を超える実力を持つやつがこんな世界にどう収まっているのかまるで想像はつかないけどな。それに俺の力なんてよくわからない神に与えられたものだから、それで負けたらゲームオーバーてことでもういい気もするし。


「まぁどれだけ喋ってもらってもいいぜ。俺はお前を殺すのは確定してるんだけどな。一応言っておくけども後から何をいっても遅いからな。命乞いしても殺すから」


「たかが人間ごときにそんなセリフを言われるなんて、なんだか一周回ってぞくぞくしてくるかもしれませんわ。龍族は種族柄Sでなければなりませんのに。やはり面白い人間。特別に決闘という形を取ってあげますわ。私は誇り高きレッドドラゴンの一族、レノンですわ。覚えておく必要はございませんが、お見知りおきを」


「俺はマサトキだ。ごく普通のそのへんでしょんべんのたうち回ってる人間だ! いくぜ!」


 そうして俺達の決闘が始まった。


 にらみ合いなるのもだるいので、俺はもう普通にワンパンで倒してしまうことにした。



「さぁ、来ていいですわよ。どこからでもかかっってこいですわ。龍族の幾重の魔法防御で彩られた鱗を突破することは、いかなり人間においても無理だということをわからせて刺しあげます。そしてその疲れ切った顔をぜひごまかせてほしいものですわ!」


 ということらしかった。これは好都合かな? ごちゃっとならずに一発で仕留めてやる。


「いくぜ! とう!」


 俺はどう倒すか一瞬迷ったが、ここはシンプルにいくことにした。

 一応決闘ということなので、なんとなくイメージの湧いた拳で語ろぜ的な戦法でいくことにする。


 俺は手にありったけの炎をまとった。そしてそれを圧縮させる。

 当然俺自身にはくらわないよう、全身にはバリアを張ってあるので大丈夫だ。


 すごいエネルギーが俺の腕を覆い尽くす。

 すごいぞこれ、なんだかわからないくらい右手が赤い。ものすごい威力の何かが撃てる。そんな気がする。しかもこれでまだ全然余力はあるからな。それこそ児戯のようなものだ。


 俺は拳を振り上げ、地を蹴った。



 拳は容易く龍族ご自慢の装甲を貫通し、腹に大穴を開けた。

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