第四話 初めての共闘
いやぁ〜今回も遅くなってすいません
昔、ゲーム実況者がなんで投稿が遅れたくらいで謝るのか不思議でしたが気持ちがわかりました。
ようやく始まった。
ニ対二の勝負
お楽しみに〜
第四話 初めての共闘
放課後、飛山と鉄島は帰路に着いていた。
その道は小川のせせらぎの音が聞こえる河川敷で川にはたまにアイガモの親子が泳いでいたりする風景などが楽しめる道で飛山は帰りにのんびり眺めていたりもする。
そんなのどかな帰り道に案の定、不穏な影が忍び寄ろうとしていた。
「まさか帰り道が同じとは思わなかったぜ」
「あぁ、まぁ帰りのコンビニで会ったんだしそうだわな」
「しっかし、お前らキャラが濃い割に結構中身は普通なんだな」
「ん…まぁ騒ぎは起こしたくて起こすわけじゃねぇからな」
「この前は勘違いして、悪かったなこの借りは必ず返すぜ」
「まぁ、あの謝りを見たら怒りも引っ込んだし、期待しないで待ってるわ」
(騒ぎを起こしたくて起こすわけじゃないか…案外みんな俺と同じなのかもな…)
飛山は謎のシンパシーを感じながら複雑な気分を抱えながら歩を進めていた。
そんな二人を除く不穏な二人、そう桜田と栗木山である。
「ねぇ…あの二人、捕まったし成功報酬無いと思うんだけど…」
「安心したまえ、手は打ってある文夫くん」
三日前 歩亜共少年院
「まさか、二人共薬物で捕まるとは思いませんでしたよ」
栗木山の声にも反応せず二人は苦虫を噛み潰したような顔でうつむくだけだった。
「あ〜そういえば、私は写真が好きなんですけど良い写真が取れそうな気がするんですよ」
「なので写真送ったら、二人のこと教えてくださいね」
依頼人の二人は目に光を取り戻し、首を激しく降った。
「あぁ教えるよ!絶対!」
人間は落ちるとこまで落ちると他人の不幸にしか関心を示さなくなる。
二人には自分を不幸にしたキッカケを道連れになることを願うだけが二人の希望なのだった。
こうして栗木山は成功した証拠写真を送れば、金庫の鍵の隠し場所を教えてもらい成功報酬を受け取る約束を取り付けたのであった。
「というわけだ、これで無駄骨を折らずにすむな」
「あの二人が約束を守る保証はあるの?」
「大丈夫だ俺達二人を知ってるということは金を払わないクライアントがどうなったかも知らないワケがない」
栗木山は笑いを堪えながらニタニタと破顔した。
「さてと、経験上あの手の相手はむしろ堂々と戦いを挑んだ方が楽だ」
「自慢の俺の作品で蹂躙してやる」
その時見せた栗木山総司の表情はまさに老醜の怪物のようであった。
「あまりお金には興味無いけど…たまには楽しもうかな、戦いを」
「初めての共闘だね♥」
「ヒャハハ、キモいなオイ!」
「イッ〜サァッサァッ!」
飛山と鉄島はいきなり笑いながら近づいてくる二人の男に困惑していた。
目が少しイってる男とデカい木箱を背負あの現代なのに高さが20センチもあろうかという高下駄履いた男の2人組なのだから、
困惑する二人をガン無視して
二人は悠然と歩を進め、二人の前に立ち、
まるで戦国武将のように名乗りを上げた。
「俺の名前は栗木山総司、人形儡りの栗木山総司だ」
「あっ゙〜あっ〜ハァ~僕は酸砲…酸砲酸手の桜田文夫」
栗木山は2つの手を広げ闘いを申し込んだ。
「ある依頼人に金で雇われた、俺達の金とインスピレーションのため、泣いて貰おうか」
「拒否権は無いぞ」
「あっ!?僕は友情が見たくて来ました!」
その時の栗木山と桜田の表情はニチャニチャと気持ちの悪い笑顔だった。
二人は怪訝な顔を浮かべながら、構えを取る、
下手に逃げたり先延ばしても面倒が増えるだけ
ここで潰すのが最速最短だからだ。
「フン!早速、借りを返せる時が来たな俺が二人共、ブチのめしてやるよ!」
飛山はニヤリと笑いながら言い返した。
「やっぱりお前は憎めないな」
「水臭い事を言うなよ」
「お前みたいなやつを置いて逃げたら、寝覚めが悪い」
「友達の為、一緒に戦うなんて!?」
「これは本当の友情を見れるチャンスか!?」
「「俺達、会って2日しか立ってないんなんだが!?」」
「大丈夫!友情に時間は関係ないと言うだろ!知らんけど!」
と叫びなから、桜田は栗木山の後ろに引っ込んだ。
「「引っ込むんかい!?」」
二人は歯をトゲにしながらツッコミした。
「当然だな2人いるんだコンボ技をキメたいからな」
「さて、お披露目と行こうか」
栗木山は、満面の笑みをしながら、木箱から取り出した人形はなんと高さ150センチもあり、顔には目はライト、口は長方形の突起で、鼻はボタンみたいなのがちょこんとあるまるで昭和のアニメのポンコツロボットみたいな顔で腕は鎖に人間の肘と手に当たる箇所に木製らしき真四角のキューブがあり、胴体は飾りっ気のない長方形、下半身には小型のオフロードタイヤが二輪がついてるというシンプルなデザインの人形だった。
人形を見た瞬間飛山は挑発のため、あざ笑った。
(操作手段は手袋に付いてる糸か…なら少しでも技術を乱す!)
「そんなどう見ても昭和の雑魚ロボットで対決とかお前は一昔前やられ役の博士かよ!?」
「アッ〜ハッハッハ!」
鉄島は冷や汗をかきながら、警告した。
「飛山、油断するな、設計がシンプル過ぎる、間違いなく相当な技術で作られてる」
「あの手のものは複雑な造りになりがちなのにあんなシンプルな辺り、間違いなく高い技術を持ってる」
「 機械構造は複雑なほど脆くなる裏を返せば、単純にするほど耐久性をブチ上げることができるという事だ」
「つまり、もう一度言うが相当な技術力を持ってるぞ」
「見え見えとはいえ挑発は苛つくが流石だ、鉄島賢くん、君は見る目があるな」
「流石は、鉄島バネの制作者の一人なだけはあるな私も複数使わせて貰っているよ」
「「お前もかよ!?」」
「例えばこの高下駄にも鉄島バネが仕込まれていて、この留め具を外せばまだ見せていない人形と合わせて併用してスピード重視の闘いも出来るのだよ」
「さてと、宣言しよう君たちはこの騎士人形の必殺技で倒してあげよう♪」
「舐めやがって!ウオオオオ!」
鉄島は叫び、突っ込むしかしその瞬間、人形は体に内蔵されてる両開きの扉を開き、爆弾を飛ばしドカンという爆発音とともに鉄島は吹き飛ばした。
そうこれが白鉄を瞬殺した必殺技の正体は爆撃だったのだ
「ウグァァァ!??」
鉄島は爆撃の衝撃で吹っ飛んだ。
「「「なっ!?」」」
「くっ!?大丈夫か!?」
「ケホッ俺が義手じゃなかったら終わってたな」
「凄いや!ハハッ!爆発が人一人と同じ大きさもあるよ…格闘技なんかで勝てる技じゃないやぁ…」
「これが私の必殺技爆裂人形!!!」
「俺は必殺技を最初に撃つ派なんだよ!」
「某光の国の戦士と違ってね」
「合理的だろ?フフッ」
飛山は鉄島が倒れないように、抱き抱えながら
起死回生の策を亜光速で練る。
「駄目だ!どうすれば良いんだ!?」
(くぅっ?)
飛山たちが体制を整える間もなく、桜田は胃酸を喉から組み上げようとしていた
「ウッウアグぅ!」。
(喰らえ)
「酸砲!」
その瞬間、体制も整わない二人に胃酸の追撃が文字通り降り注ぐ。
「カーテンガード!」
飛山は防水シートで間一髪、防ぎ切ることに成功する。
「ハァハァ」
(チッ…Lサイズの爆弾で仕留められなかったのは予算的に痛いな)
状況を打開するため、飛山は頭を回す。
(アイツラ考えてやがる!胃酸を吐くキモ男のあいつは人形使いを盾にして角度をつけてまるで高射砲みたいに撃ってきやがる攻めと守りの役割分担が出来すぎてる)
(このままじゃ近づくことも出来ない、せめて、爆発攻撃を対策しねぇと…!?)
その時、飛山に電流が走る。
「駄目だ!こんなバケモンと戦えるか!俺は逃げる!」
飛山は全力ダッシュで逃げた。
飛山以外の三人は啞然として見送ることしか出来なかった。
その後の反応は三者三様。
「アッ〜ハッハッハラッキーだ一人ずつの方が楽だ」
栗木山はあざ笑い、
「またか、」
桜田はいつもの結果に落胆し、悲しみ。
鉄島は覚悟を決めた。
「フン…これで借りを返せるな」
しかし、1分後、飛山はすぐに踵を返し、戻ってきた。
「鉄島ぁ!石拾ってきた!」
「飛山ぁ!」
鉄島は歓喜した、
「投石!?原始人か!こいつわぁ!?」
投石、石で殴ったら、人は死ぬならば投げれば
大ダメージだ決して侮って良い攻撃ではないのだ。
事実、あの宮本武蔵も投石で大怪我を負ったという記録もある。
(くだらないねまずは遠距離攻撃が得意な僕から倒すつもりだろうけど、無理だよ)
(攻撃が当たらないように動揺でもしない限り頭は少ししか出さないし)
(胃酸の射程距離を伸ばす吹き矢と近接戦用の胃酸を塗りたくった白いゴム手袋、白手もある)
「鉄島ぁ!俺に続いて敗者の宝石をぶちかませ!」
「オッケーぇ!!!」
栗木山は二人をニカッと笑い、迎撃の爆裂人形を展開しようとしていた。
「バカめ!今度こそ終わりだ!」
その瞬間騎士人形の扉は開かなかった、いや、開かせなかった。
さっき飛山が拾ってきたのは石だけじゃなかった。
Y字型の木の棒も拾ってきたのだ、木の棒を使い
扉を抑え、誘爆を狙う、それが飛山の作戦だったのだ。
「あの石はブラフだった!?」
「うわぁ~!!?爆発する!死ぬ〜!???」
桜田は体を丸め目をつぶり爆発に備えた。
「バカめ!こんなこともあろうかと安全装置も付けてるのだ!」
「この騎士人形には30万円もかけたんだぞ!」
「まだだ!鉄島!人形をぶち壊せ!」
(こいつのパンチはコンビニの自動ドアをぶち壊す威力!木材なんて簡単に壊せるぜ!)
「さっ…させないよ…かぁ〜」
「動揺してんじゃねーよ」
動揺した桜田は頭を出しすぎてしまい投石をくらい攻撃を防がれてしまった。
「うわぁ~イッテぇ!?」
胃酸の心配も無くなり、全力の5馬力まで引き上げた新の全力の必殺技敗者の宝石が炸裂した。
「勝った!敗者の宝石!」
「「!!??」」
二人は仰天した表面の木の板は壊せたがその次の層は砕けなかったのだ、騎士人形の材料には鉄板まで使われていたのたった。
「効かねぇ!効かねぇ!効かねぇよ俺の騎士人形は鉄壁の守りは砕けない、絶対に!」
「お前が壊したのは、人形の飾りの表面の木の板だけだ」
「人形も俺もほぼノーダメージ」
栗木山は高下駄で見下ろしながら、二人をあざ笑い、嘲笑した、その笑顔は気持ち悪いほどの満面の笑み。
「糞っ!なら今度は足だ!」
「落ちろ!」
「おっとっと~文夫くぅ〜ん支えてサンキューね」
二の矢の蹴りも防がれ、苦虫を噛み潰したよう表情をするしか無かった、仕方なく鉄島は馬力を二馬力まで落とす、最高出力のパンチをマトモに当てると殺してしまうからだ。
「人形でガードしても衝撃までは殺せない、必然的にガニ股になる…」
「そこを狙って足を狙う、ありきたりだね」
「でも無理だよ蹴りを当てるのは」
「人形でガード出来ないはみ出た所は高下駄部分だけだからね」
「生身部分に攻撃は当たらない」
「私たち二人はノーダメージだ」
「残念でした」
「おや、さっきの技の反動で動けないのかな?鉄島くん♪」
「さよなら殴打人形鋏打ち」
「グッ…ぐふっ」
鉄島は人形の打撃をマトモに喰らい大ダメージを負った。
「あんなにタフなあいつが!?」
「説明しよう私の人形操作のための手袋には大量の超小型の滑車が取り付けれており、指を動かすだけでとんでもないパワーになるのだよ」
「滑車の数両手合わせて100つ!」
「その名は百連滑車手袋!」
「これにより、私のパワーは常人の2、3倍まで出せるのだよ」
「僕を忘れてない?」
鉄島のダメージに気を取られ、胃酸付きの拳の不意の一撃酸手を食らう飛山、しかし不幸中の幸い、いや蜘蛛の糸を見たのだった、
飛山はほぼ偶然にもはさみ撃ちの形になった。
栗木山と桜田の一方的な連携を断つことに成功。
「うっ!?」
(あり得ない、カスっただけで!、この痛み!)
(こいつ…ゴム手袋にも胃酸を塗ってるのか?)
飛山は絶望し苦悶の表情を浮かべるしかなかったのであった。
(どうする?どうすれば良いんだ!?)
(二人共攻守の能力が高すぎるどうすれば勝てるんだ?)
(まだだ、まだ終わらねぇ)
(能力で勝てねぇなら頭で勝つしかねぇ)
(!?っ今、はさみ撃ちになってるじゃねぇか!?)
(だが、これだけじゃ…!?)
その時、またまた飛山に電流が走る。
(ニ対ニで不利なら一瞬でいいニ対一にすれば良いんだ!)
(だが、チャンスは一瞬、厳しいな)
一方その頃、鉄島と栗木山はお互いに攻めあぐねていた。
人形を盾にし、あらゆる攻撃を肩代わりし、常にノーダメージの栗木山、
対して、栗木山も鉄島の義手の文字通り鉄壁のガードを崩しきれなかったのだ。
二人は一進一退の攻防を続けていた。
「私の人形にはまだまだ機能があるのだよ」
「何だと!」
「ほら、目がライトになるよ〜」
「馬鹿にしてんのか!?」
(バカめ!油断したな…?俺の人形のライトは目眩ましに出来るほど光を強める事もできる!)
「喰らえ!閃光人形」
卑劣な搦手人形の目に仕込んだ強力なライトで目眩ましが光る。
しかし、鉄島は醜悪な笑みでタイミングを読み切り目をつぶりカウンターをぶちかました。
「俺も技術者だ飾りとライトの区別くらいつくぜ」
(糞!これもダメか…同業者がここまで厄介とは思わなかった)
((この勝負、飛山と文夫の勝ち負けで決まる!))
((頼むぞ))
(飛山)
(文夫くん!)
飛山は桜田を相手に四苦八苦していた
「くそ!桜田のクソボケめ…」
桜田は躱しやすいように半身に構え、吹き矢の筒を持ち、中距離から正確な胃酸狙撃で牽制し、
ゴム手袋にも胃酸を多めに塗りたくり万全の備えをしていた。
「フン、だが俺の服にはポケットを増やして見ての通り体力の石がある…」
「!?」
「フフッ投石がお前の後ろの栗木山に当たって、少しでも怯めば、鉄島は必ずお前らを崩すぜ?」
「つまり、お前が人形野郎の盾にならなきゃいけないってことよ」
「細身のお前が何処まで耐えられるかな?」
台詞から見ての通り、今の飛山の表情は
完全に悪役のそれだった。
投石と言うと弱そうだが戦国時代、多くの兵士を殺したガチの危険な飛び道具が今、桜田に襲いかかる。
「ホラホラホラぁ!!」
暴風雨のような投石を桜田はズタボロになりながらも全て耐え切った。
「うっ!うぅぅ〜」
「なっ!?全部耐え切っただと?」
「喧嘩は根性ってホントなんだね…ハァハァ…」
(あんな最低な日々がこんな役に立つとはね)
桜田はイジメられた過去に想いをはせながら、
涙など流さず、笑って睨み返してみせたのだった。
(どうりで強いわけだあの目はクソどもと必死に戦い続けたヤツの目だ)
「認めるぜお前は強い…石も使い切った」
「殴り合いでケリをつけよう」
二人は笑いあい、距離を詰め合う。
しかし、案の定、飛山は思いっきり騙していた。
「バカめ!引っかかったな!?」
飛山は叫びながら防水シートをぶんなげ飛山は桜田のの視界を遮り、
思っきりドロップキックをぶちかました!。
…栗木山に、
「なにーー!」
「そこは桜田と雌雄と決す流れじゃないの〜!?」
「知る馬鹿!もとはといえばお前らが意味不明な理由で喧嘩売って来のが悪ぃーんだよ!」
「お前らみたいなクソどもは汚い手で倒してなにが悪い!」
「今だ鉄島!人形をぶん投げろ」
「おっシャア!」
その瞬間鉄島は人形を奪い、抱き抱えぶん投げた。
「糸で!指が!指がいてぇ!」
「テメェのせいで指が赤いじゃねぇか!俺の至宝の指を!」
「うわぁ〜」
「なにがうわぁ〜だ殺すぞ!」
「いやお前の人形、亜光速で犬にションベンかけられてるぞ」
「ハッ!なに言ってウワァー!」
騎士人形はアホ面の犬にマーキングされていた。
自慢の人形を汚され、動揺を隠せない栗木山に鉄島は容赦の無い追撃を打つ。
「隙あり!」
「甘いんだよ!」
間栗木山はなんとか精神と体制を整えながら恐るべき第二の人形を取り出して即座に反撃に転じようとしていた、栗木山総司の最後の引き出し、二段と三段を同時に開いたのであった。
一方、飛山は騎士人形を封じ
油断した背中を桜田は見逃さなかった。
飛山の振り返り際を狙い
酸砲、着弾!
「うっうわぁぁぁぁ!!??熱っつ!?」
恐慌状態の飛山はカウンターの蹴りは空を切った。
(なっ!?)
桜田は下手に追撃を考えず、ひたすら安全策を取り遠距離攻撃で妥協したのだ、イジメられっこ時代に皮肉にも培った危機意識、これもまた桜田の強さなのだ。
(クソ!やはり上澄みの胃酸では溶かす力が弱いな…底水じゃないと駄目だな…)
(だけど!好機!)
蹴りを外した瞬間、飛山との距離を潰し、片足で避けれない飛山の腕を掴み
文字通り、精神と身体を削る極悪技が炸裂した。
それが極悪悪戯爪鉋胃酸で柔らかくなった腕の皮と肉を爪で鉋の如く抉り削る、並の人間なら悶絶し、戦意を消し抉り断つ技
正に極悪悪戯の名に相応しい最悪の技だ。
「ギィゃアァァ!?」
そして技が決まると、すぐに距離を取る、胃酸の強みを最大限活かしたヒットアンドアウェイ、これこそが桜田無敵の戦術だ。
「まちな」
しかし、距離を取ろうとした桜田の足が動かなかった。
「ッ!?」
桜田は動かぬ足に視線を落とすと踏まれていたのだ、飛山は桜田の足を踏み、動きを潰していたのだ。
パンチを避けてまた距離を取る為、頭を後ろに下げ、回避を図るしかし、飛山の拳は当たった。
(なんで!?なんで当たるんだ!?)
「象形拳、虎手、簡単な原理だ猫の手の状態で殴れば、指の間接一つ分リーチを稼げるだから当たったんだよ!」
桜田が殴られ怯んだ瞬間襟首を掴み、そのまま顎を開けさせず、酸砲を封じ、敗者の宝石片手打ちで鼻っ柱をぶち壊した。
「うぃぎゃあああぁ〜!!」
「これもお前みたいなク…お前みたいなやつから奪った技だしかし、お前らは性格は悪いが技だけは良いよな」
(これで2対1…勝った!)
「待てよ」
飛山が振り返るとそこには桜田が
立っていた立っていたのだ石を数十発投げられようと顔面を乱打されようと桜田は立ち上がっていた。
「初めての友達との喧嘩…絶対に勝ちたいんだよなぁ」
「うっせー!初めての友達なら家でゲームでもしてろー!」
「なんなんだよ!お前は!?」
桜田もまた、一角の異常者、
たとえ、肉体が大して強くなくても精神性、形容しがたい精神だけで倒れなかった、根性さえあれば喧嘩は勝てるという言葉があるがそれを中々に醜悪な形で実践しているのだ。
今までの歪んだ日々が確かに桜谷に力を与えていた。
もはや桜田はオーストラリアの皇太子を殺害したセルビア人の青年と同格の危険すぎる精神性が
肉体を超越させ、ゾンビのような不死性を実現させているのだ。
心、不屈となれば体もまた不砕と化す。
「くっ!?」
「これならどうだぁ!鷹蹴り」
「1メートルもジャンプして土手っ腹にに飛び蹴りをかます技だ!」
「流石にこれは耐えれねぇだろ!?」
「おっしゃぁ!やったか!?」
鉄島は雄叫びを上げた、しかしすぐにその雄たけびは悲鳴に変わる。
桜田は胃酸を吐く体質故に腹に衝撃を受けると吐きやすい体質になってしまっていた。
しかしそれ故に腹に攻撃を受けると自動的に胃酸によるオートカウンタースキルを獲得していたのだ。
その技の名はアシッドカウンター!
その技は胃酸という液体の攻撃故に如何なる武術のガードもすり抜け攻撃を、攻撃というもっとも無防備な瞬間に反撃するという回避不能ガード不能のこの世界でも最悪のカウンター技である
飛山はたまらず痛みのあまりゴロゴロと転げ回った。
「うわぁぁぁ〜ー!?飛山ぁ!?」
(クソックソッ!?どうする!?どうするってんだよ…鷹蹴りも片手式敗者の宝石でも倒しきれない俺にこいつを倒す策が無い)
(こいつ不死身か!?)
(駄目だな…ご飯食べなきゃ良かったなちゃんと溶かせないよ…)
(胃酸が弱い…まぁ良いや…底水を吐いたときが君の負けだよ…飛山くん♥)
「アッハハみんなァ…勝負はこれからだよ〜」
「ああっ!その通りだよ文夫くん指も大分回復した、人形も万全だ!!」
(くうっ!どうすればこの二人に勝てるんだ!?)
桜田はガード貫通性能ナンバー1&
戦った後の被害ナンバー1
栗木山はガード性能ナンバー1
&フォルムチェンジ持ち
因みに海原はHPと腕力ナンバー1
鉄島は防御と攻撃の総合のナンバー1
序盤なのにステータスナンバー1
多すぎだな
えっ飛山?
あいつは運の良さ(主人公補正)のナンバー1っすよ笑