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スクラップウォーズ  作者: 作シャーク
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第一話 遭遇 前編

       第一話遭遇 前編


 気だるそうな足取りで一人の男が道を歩いていた。

男の名前は飛山連、年は16歳、身長は175センチ、普通の高校生…と言うには

中々に気が荒い男だった、一言で表すなら自分からは喧嘩を売らないが売られ喧嘩は買うを地で行く、そんな男だった。そしてなによりこの男のタチの悪いところは喧嘩を売られて買いきれない時は当たり前のように、手段を選ばないという汚さすら持っているところだった。そしてそれを大人に咎められれば、


 「この私のやることが汚い、いけないことなどと仰りますけどねぇ私が殴ったアイツらなんて暴力なんか振るえない人間をよってたかってリンチにかけるような方々とガンジーみたいなことはとても私なんかはとてもできませんねぇ」などと逆にイヤミったらしくで返す、そんな面倒な男であったいつしか飛山連は問題児どころか不良のレッテルを貼られていた。

挙句の果てに付いた異名は

卑怯者、卑怯者の飛山連


 しかし最近は飛山の不幸体質も悪名の広がりとともに鳴りを潜め、平穏というより退屈な日常を送っていた。


 そんなある日、いつもの高校の帰り道を通り、日課のコンビニでの立ち読みのためコンビニより 

流石に立ち読みとばかりして気が引けるからたまにはプロテインバーでも買うかななどと呑気なことを考えながら入店した。しかしそこには驚きの光景が広がっていた。


 飛山は驚愕し変顔をしながら叫んだ。


「なんじゃあ!ごりゃあー!!」


コンビニは荒らされ、数多くの商品は棚から崩れ落ち、防犯カメラも壊され、カッターまで落ちていたし、よく見ると人の歯まで落ちていた。そして何より目を引くのは、

二人の男だった。このコンビニを荒らした張本人はどうやらこの二人のようだ。


 二人のうち片方は、服は小汚く、更に少し臭うほど臭い、人相の悪い中年、口の歯は折れて血が少し出ていた、飛山はなんとなく分かった床の歯の持ち主はこのオッサンだと!、


 片方の男は制服を着ていて、飛山とは違う高校、不良校葛の原高校の制服をだったしかしそれより目を引くのはその男の腕が普通の腕ではなくまるで建材に使う角材のように四角く色はメタリックな鈍く光る鉄の色をしていた、そう!男の両腕は肩まで義手なのだ。男は中年の襟首を掴みながら叫んでいた。


 「俺の腕はなぁ!テメェの命より重いんだよ!」

「俺のこの義手はなぁ!俺の親父がくれた俺の一番の宝物でプライドで!もはや俺の全てだ!!!」

「てめぇ如きが!ガラクタ呼ばわりしていい物じゃあねーんだよぉぉぉ!」


 余りの気迫に動揺し、物音を立ててしまい飛山は男に気づかれてしまった。

「ん?なんだお前?このゴミの仲間かぁ?」

義手の男は親の仇を憎むような表情で青筋を浮かび上がらせながら怒気をぶつける

「なら、殺すぞ」

流石の飛山も戦慄した、間違いなく強い

圧倒的剛の者に、致命的な勘違いをされたのだから、何故、このようなことになったのか時間は

数分前に遡る。



 先ほど、おっさんをぶちのめしていた男、

名前は鉄島 賢(てつじま けん)

年は飛山と同い年の16の不良

異名は鉄拳の鉄島

正真正銘、本物の鉄の拳を持つ男だ。

鉄島は急な便意に襲われコンビニのトイレで用を済ませドアを開けるとなんと、

運悪くコンビニ強盗に遭遇してしまったのだ。

そう、あのオッサンはコンビニ強盗だったのだ。


 「どういうことだ!せっかく強盗したのに金がレジ2つ合わせても9万と…二千と…小銭しかねぇんだよ!」

「ちきしょう!これじゃ覚醒剤が買えねぇじゃねぇか!サンダーバードにやられた上に薬中にされるし最悪だよ!」

レジの店員はしどろもどろになりながら弁解を始めた。

「すっ、すいません、レジのお金は防犯のため定期的に金庫に移されるのでこれくらいしかありませんたった、助けてぇん」

と店員の命乞いを聞いていた強盗はトイレから出てきた鉄島に気付き、振り向いた瞬間


「あっ!今だ!強盗と戦うほどの給料は貰ってねぇ!逃げる!」


と叫びながらコンビニ店員は脱兎の如く逃げたのであった。


「ああっ!あっ…あっ…ああっ〜」と虚しく呟き、警察に駆け込まれることに絶望した。

しかし強盗は絶望をすぐさま怒りに変え、

少しでも金を稼ぐため、鉄島にカッターを向けた

流石の鉄島もカッターを向けられ身がすくみながらなんとか説得を試みるのであった。


「待っ待てよ、今からでも遅くない自首しろよ、なっ、なっ、」  


「うるせぇ!金を出せば逃がしてやるって言ってんだよ!」


「んっ?よく見りゃあお前の腕ってよ、義手ってやつか?」


「ハハッ!お前も可哀想なやつだな!随分、角張ってゴツい腕だがそんなポンコツな腕で生きてんのに金まで取られてなぁ」

その時!


「俺の腕がポンコツだあッ!殺すぞテメェ!!!」


 鉄島はブチ切れた、この世の誰よりも

それもムリはない何故なら、鉄島にとって自分の義手は自分の全てなのだから、その理由は生まれた頃まで遡る


 16年前 鉄島、誕生、

しかし産室は暗い空気が漂っていた。

何故なら鉄島は生まれながら腕がないのだから

皆が鉄島の未来を暗いものと思い悲痛な面持ちだった。

ただ一人を除いては、

鉄島の父、鉄島 金雄(てつじま かねお)だけが、!

「腕が無いだぁ!それがどうした!母ちゃん!息子が出来たのにそんな顔をすんなよ!」

「俺たちゃあ現代人だぜ!大昔じゃあるめぇし科学技術ってヤツがあるじゃねぇか!」

「俺は町工場の工場長だ!世界の日本の技術でタンパク質の腕なんざよりより上等な腕を作ってやるよ!」

(だからよ、息子よ泣くな安心しろ)

「よしっ!名前は決まった!これから義手で生きていくんだ自分の体の世話するにゃあ、賢くないとな!だから名前は賢!鉄島賢だ!語感も良い、いい名前だな」

「そうねパパ、ママなのに弱気になっちゃ駄目よね」

金雄は家族と自分を奮い立たせたのであった。

拳を握りしめながら。


 その時バタンと扉を開き、産婦人科、主治医志田治郎が現れた。

「感動した!ドイツに行け!ドイツは医療は進んでいる!何より義手の最先端だ!そこなら最高の義手を作る技術を学べる、丁度、私にツテがあるアチラも日本の技術を学びたいハズだ。」


 「ヨッシャア!ドイツに行くぞぉ!」

こうして、鉄島一家はドイツに修行に行ったのであった。

「貴方がミスター鉄島?私は通訳です、そこのエンジニアのトップの二人は簡単な自己紹介なら出来ます聞いてください。」

「おっと名前を言い忘れました。私はマイク」

「俺はマイケル」

「そしてぇ!俺がぁ!ケェリーだ!!!」

「ペラペラ」

「お前が義手を作りたいのは、日本のサムライハートかぁと言っています」

「それより、もっと上等なもんだ、強いて言うなら自分のガキに早めのプレゼントをやりたいだけよそれと更に言うなら親心と日本の技術者魂よ!」


 通訳したら3人は涙を流し、叫んだ!

「ウォー!最高だぁ!お前は百億満点だぁ!!!」

「作るぞぉ!世界最強の義手を!!!」

「うっさいわねぇ!子供が起きたじゃない!」

「オギャーオギャー」

「「「「スイマセン!」」」」

こうして、親父金雄、マイク!、マイケル!、ケリー!!!の四人によって

鉄島賢はなんやかんやで世界最強の義手を手に入れたのであった。


 自分のプライド、親子の絆かけがいのないものを罵られた鉄島は強盗に冷たい声で言い放つ。

「殺してやるよ」

それに対し強盗も負けじと叫んだ

「バカめぇ!こっちにはカッターがあるんだぞ!刃物に勝てるわけ無いだろ!」

激昂しながらカッターを振り回す

しかし、その凶刃は拳ごと簡単にお釈迦になった。


「ファンタジーじゃねーんだよ!刃物でこの手の特殊合金が切れるか!」

金属で出来ている義手で弾丸の如く振られた拳はカッターの刃を折り、更にその勢いは更に加速させ、強盗の手をぶち壊した!。


「ヒィ!イデぇよぉ!」

「ポンコツなのはお前のお手々の方だったようだなぁ」

鉄島は相手の先ほどの言葉をそのまま返し、

死刑執行をする処刑人のようにニタニタ笑っている。

しかし、一瞬の隙をつき強盗は起死回生の不意打ちをうった

「バカめ!引っかかったな!」

「俺の拳は鉄拳と言われる程の威力だ!死ねぇ!」 

 しかし、圧倒的の剛の者である鉄島にに小物の不意打ちは通用しなかった。

「ウギぃ!」

砕けたのは強盗の拳だった。

(こっコイツバケモンだ拳を額で受けて砕く高等技術を瞬時にヤりやがったどんだけ喧嘩慣れしてんだ!?)

倒れる強盗ので腕を掴み取り、まるで判決を下す裁判官のように呟いた

「テメェのポンコツ鉄拳は俺の石頭にすら勝てねぇようだなぁ」

「さて、もう終わりだ死ねよ」

「ただの異名じゃない本物の鉄拳をくれてやるよ」

「固定完了」

その呟きと同時に

鉄島の腕の付け根からなにやらガチッガチッと機械音が聞こえた瞬間身の危険を察し青ざめ叫んだ。

「やめろ!」

強盗の命乞いを無視し鉄島の必殺技をぶちかました。


 その必殺技の名は            

敗者の宝石ブラッディ・ダイヤモンド

その技の名の所以は拳の残像と相手の口を切り飛び出た血と汗と義手に塗ってる艶出し油が飛び散り、

血に濡れたダイヤのように見えるそれが名前の所以だ。

シャカシャカと機械音を鳴らす拳は数秒で止まった。

簡単に瀕死になったからだ。

正に瞬殺、まるで工業用プレスマシンが物を潰すように強盗の姿はボロ雑巾になった

あの状況はこうして作られたというのがことのあらましである。

そして場面は最初に戻る


 「待っ待て!お前、なんか勘違いしてないか?」


 飛山はなんとか誤解を解こうとするが鉄島は義手を馬鹿にされるとバーサーカーになるため説得は意味が無いのである。

戦い(喧嘩)を避けれないと悟り

意を決した飛山は即座に戦闘態勢に入る。

二人の拳の風切り音が闘いのゴングとなった。








 














 









 




















  

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