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プロローグ


 今年も始まりました。

 年に一度のド派手な祭り。今年の種目はエッグマンです。年々視聴者も増え続けるこの大会ですが、今年はなんと、過去最大の視聴予約が行われております。その数なんと、三億人以上。

 この三日は、三億人が同じものを見るという大変貴重な日となるでしょう。

 それもそのはず、今回の大会出場者の名前を見れば、その答えが一目瞭然です。

 世界ランク十一位のブラウン・シュガー。世界ランク七位のホワイト・ベル。世界ランク四位のスモーキィ・ラット。そしてなんと、引退との噂が流れた世界ランク一位ベイビィ・ブルーが十五年ぶりに表舞台に帰ってきました。

 十五年前は、まさに敵なし。圧倒的なまでに一位の座に君臨し続けたこの人が、突如として大会への参加を表明。ネット上では様々な憶測が飛び交いますが、その真意を聞くことが出来るのでしょうか?

 では、今年のエッグマンの日程を改めてお知らせします。

 エッグマンという競技の特性上、全三ラウンド、一日ごとに一ラウンド行われます。ただし、初日でエッグを奪われる、もしくは、LPがゼロになると、その場で失格となります。二十チームが参加するエッグマンですが、最終日に残るのは、何組となるのでしょうか?

 それでは、エッグマンの基本情報をお伝えします。

 第三レプリカタウンで行われる今大会は、直径十五キロの円形のフィールドに、二十組のチームがそれぞれ別のスタート地点に配置されます。一チームのLPは50Pとなり、一人10Pが与えられています。その為、最大五人で参加するか、もしくは、二人以上五人未満で参加し、排除された際に、10LPを消費し復活するか、選ぶことが出来ます。ただ、エッグマンの特性上、人数は多い方が有利なのは確かです。

 各チームにはエッグと呼ばれるタマゴ型の球体を与えられます。縦百センチ横五十センチ重さ五キロのこの球体は、チームの生命線。このエッグを破壊されると、その時点で失格となります。第一ラウンド開始時点でエッグには、100Pが与えられています。

 ライフポイントをLP、エッグポイントをEPと表し、敵チームのエンプティドールを排除、または、エッグを破壊すれば、そのポイントが自陣のエッグにEPとして加算されます。

 例えば、AチームがBチームの五体のエンプティドールを全て排除し、更にエッグを破壊すれば、50LPと100EPを足した150ポイントをゲットすることになります。この時、AチームのEPは、最初の100EPと合わせて250Pとなります。そのAチームのエッグをCチームが破壊すれば、250ポイントをCチームがゲット出来ます。

 ただし、エッグを破壊した時点でその破壊されたチームのエンプティドールは失格となりますので、LPである50ポイントは得られません。最高ポイントを得る場合は、敵を排除してから、エッグを破壊する必要があります。

 そして、エッグマンの一番の特徴となるラウンド制ですが、各ラウンドの制限時間は一時間となります。ラウンド終了時の獲得ポイントを、次のラウンドに持ち越すことになりますが、ラウンド終了時点で自陣のエッグを両手で持っていた場合は、その時点でのEPを二倍にすることが出来ます。つまり、予め与えられた100EPとラウンドで獲得し、エッグに加算されたポイントの合計が二倍になるビックボーナスです。

 これまた例えるなら、チーム内の五人が逃げ回り、一度も敵と接触しないまま、一人がエッグを両手で持った状態でラウンドが終われば、次のラウンド開始時点で、エッグに200ポイントが付与されています。加算されるのは、EPのみで、LPに変更はありません。

 もし、第一ラウンドで敵チームのエッグを5つ破壊して、500EPを獲得していた場合は、次のラウンドでは、1200EPから始まり、そのラウンドを逃げ回り両手でエッグを持ったままラウンドを終了すれば、第三ラウンドは、2400EPから始まります。そして、最終日にエッグを両手で確保したまま大会が終わった場合、最終獲得ポイントは4800EPとなります。

 このように、エッグマンでは、初日により多くのポイントを確保して、それを維持するだけでも大量のポイントが得られるゲームなのです。ただし、第一ラウンドは、敵の数も多いので、その中でポイントを稼ぐのは至難の業。各チーム、どう動くのかが鍵となります。

 そして、第三ラウンド終了時、最大獲得ポイントを得たチームが優勝となり、優勝チームのみ、そのポイントに対して賞金が与えられます。1ポイントに付き10万円で換算されるので、先ほどの4800ポイントで終わったチームが優勝すれば、4億8千万円を獲得することになります。

 もしも、全てのラウンドが終了する以前に、全ての敵チームのライフポイントが無くなる、もしくは、敵のエッグを全て排除することが出来れば、その時点で終了となります。この場合のみ、ラウンド終了時の二倍ボーナスを得る方法が変わります。この場合は、ゲーム終了時点で、エッグを両手で持っていれば、二倍ボーナスが適用されます。つまり、ラウンドの時間が終わる、もしくは、ゲームが終わる瞬間にエッグを両手で持っていれば、二倍ボーナスを得られるのです。

 また、自陣のエッグが破壊されると、その時点で失格となるルールの特性上、生命線であるエッグを、敵チームから奪うことも出来ます。これは、敵チームのエッグを両手で持ったまま、十秒間経過すると、そのエッグを自陣のエッグに強奪することが出来ます。これにより、初めに与えられたエッグが破壊されたとしても、強奪したエッグがある限り、即敗退ということにはなりません。

 また、エッグを強奪されたチームは、破壊されたわけではないので、そのラウンド内であれば、行動することが出来ます。ラウンドが終了するまでに、敵チームからエッグを一つでも強奪出来れば、次のラウンドに移行することが出来ます。ラウンド終了時点に、エッグを一つも所有していない場合は、誰一人欠けていなくても、その時点で失格となります。

 そして、エッグには、親エッグ、子エッグがあり、初めに与えられたエッグが親エッグとなります。そして、強奪したエッグは全て子エッグとなり、獲得ポイントは全て親エッグへと加算されるので注意が必要です。

 例えば、第一ラウンドでXチームがYチームのエッグを強奪します。この時、どちらのエッグも100EPだったとします。その後、XチームがZチームから150Pを獲得します。その場合は、Xチームが開始時点から持っていた親エッグに150EPが加算されます。なので、Xチームは、親エッグが250EP、子エッグが100EPとなります。Xチームの親エッグが他のチームに破壊されると、Xチームは100EPを所持している状態になります。この時、Yチームは、ラウンド終了時点まで動くことが出来ます。ただ、エッグを所持していない為、LPやEPを獲得しても、ポイントを得ることが出来ません。その為、なるべく早く他のチームからエッグを奪う必要があります。

 エッグを二つ所持している状態で、親エッグが破壊、もしくは、強奪された場合は、持っていた子エッグが親エッグへと変わります。子エッグを複数所有していた場合は、子エッグを獲得した時間が早いものから、次の親エッグが決まります。

 子エッグも、親エッグ同様、ラウンド終了時点で、両手で確保していれば、EPが二倍されます。

エッグは隠すことも持ち歩くことも出来ますが、それを見つけるアイテムも存在する為、護衛を付ける必要があるでしょう。一チーム最大五人で行われるエッグマンですが、どれだけエッグを強奪するかも、考える必要があるでしょう。

 エッグはチームの生命線であると同時に、弱点でもあのですから。

 そして、ゲームの行方を左右するアイテムですが、これは、EPを利用して購入出来ます。

 アイテムは、武器、エッグサーチアイテム、エンプティドールサーチアイテム、エッグサーチアイテムの索敵から隠れるアイテム、エンプティドールサーチアイテムの索敵から隠れるアイテムなど、貴重なものばかり。これらのアイテムを駆使してエッグマンを優勝するのは、どのチームなのか?

 エンプティドールで行われる夢の祭典。

 最大獲得賞金二十三億七千八百万の行方は?

 エッグマンは、明日の正午から。



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