韻、微なる言葉遊び(いん、びなることばあそび)
今回の主題は3つです。言葉で遊ぶことと、できるだけ韻を踏むこと、それから、遊ぶなりに、全体として意味を持たせることです。
それぞれに反省はありますが、3つの方向性を持つバランスシートを浮かべて採点すると、三角形のバランスはとれたように思います。三角形が小さいのが玉に瑕です。いえ、瑕に玉かもしれません。
追記 忘れていました。意味を多重に持たせた部分が(たぶんですが)三か所あります。これも、言葉遊びとしては主題のひとつなのでバランスシートは四角形ですね。失礼しました。
こころ切り取り、切り口に 冷めた血糊で勅
弥陀の御手から滑り落ち 鴉連なり啄みぬ
痛みなき傷、泣き顔も 十に忘れて九とならず
残る心も、ここいらの 入らずの藪で破こうか
琴の古都より聴こゆれば 言は事のみ言い連ね
聴こゆる、他人の独り言 我に似たりて、したり顔
暗き路地裏、論理的な 四行に五行差し込めず
手を合わせても、しあわせの 福音たちは立ち消ゆる
足場を探すわたくしの 想いは、重荷と思われて
いっそ浮かべる一筝の 調を辷る舟として
漕ぎ出そうかと、小汚き こころに此処を尋ねれば
切れたこころは、心地よき 嘘より呪詛を宣える
「わたくし」を「葦の葉」としたのは、言葉遊びのためですが、フランスの思想家パスカル氏の「人間は考える葦である」を参照しています。「じゃあ、私も風に吹かれて右往左往する葦の葉っぱでもいいか」という安易な考えです。
「一筝の調」は「一つの筝曲の調」という意味合いです。