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赤髪の女勇者アンナ ~実は勇者だったので、義妹とともに旅に出ます~  作者: 木山楽斗
第六章 獣人達の王

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第98話 再生する肉体

 ガルスは、獣王と対峙している。

 なんとかダメージを与えたガルスだったが、獣王の回復する肉体(リバース・ボディ)によって、回復されてしまったのだ。


「くっ……」

「ほう?」


 ガルスは、一度獣王から距離をとった。

 ダメージを与えても、回復されるというのは、とても厄介である。攻撃しても、そのほとんどは無駄になるのだ。

 そのため、考える必要があった。あの肉体を攻略する作戦を練るために、ガルスは距離をとったのだ。


「逃がさんぞ!」

「くっ!?」


 しかし、獣王はガルスを逃がさない。

 ガルスが後退した直後、獣王は駆け出していた。 

 その速度は、後退していくガルス以上である。


火炎の吐息(ヒート・ブレス)!」


 ガルスは、後退しながら火球を放つ。


「ガオオオオッ!」


 だが、その炎も獣王の雄叫びによって、打ち消される。


「くっ……」


 ガルスは、どんどんと後退していく。

 急な方向転換で攻撃することはできるが、それは既に使った攻撃であるため、獣王に読まれてしまうだろう。

 故に、今は別の手段を考えなければならないのだ。


「ならば……」

「ほう!?」


 そこで、ガルスがとったのは防御の体勢であった。

 腕を前に構えて、顔を隠し、相手の攻撃に備える構えである。


「面白い、なら、いくぞ!」


 そんなガルスに、獣王が腕を振るう。

 ガルスは、全闘気を防御のために使い、その攻撃を受け止める。


「くっ……!」

「なるほど、中々の防御だな」


 獣王の攻撃が、続いていく。

 ガルスは防御に集中しつつ、獣王の隙を探る。

 そこでガルスは、攻撃と攻撃の間に、わずかな隙を見つけた。


「竜人の手刀リザード・スラッシュ!」

「ほう!?」


 その隙に、ガルスは手刀を叩き込む。

 それにより、獣王の体は切り裂かれ、血が噴き出る。


「ふっ! 流石だな!」

「くっ……!」


 しかし、獣王の体はすぐに再生していく。

 そして、ガルスが与えた傷は、消えていってしまった。


「ふん!」


 さらに、獣王は攻撃を重ねてくる。

 傷を負ったことなどなかったかのような攻撃だ。


「くっ!」


 ガルスは攻撃を躱しつつ、獣王の懐に潜り込んでいく。


「はあっ!」

「何度やっても、無駄だ!」


 ガルスは再び、手刀を振るう。

 今回は、ある一点に狙いを定めている。


「む!?」


 それは、獣王の心臓だ。

 いくら強力な再生能力をもっていても、即死すればそれは関係ないはずである。そのため、ガルスはそこを狙ったのだ。


「竜人の手刀リザード・スラッシュ!」

「ぐっ!」


 ガルスの手刀が、獣王の心臓部に突き刺さった。

 ガルスの腕に、確かに肉を貫く感触が伝わってくる。


「これで!」

「ぐっ!」


 一気に腕を引き抜くと、獣王の体から血が流れていく。


「やったのか……?」


 ガルスは、あまりにも呆気ない決着に困惑していた。

 ここまで簡単に獣王を倒せるなどと、思っていなかったのだ。


「ふっ!」

「何!?」


 その瞬間、獣王が笑う。

 心臓を貫かれているというのに、その顔は余裕そうであった。


「ふん!」

「ぐわあっ!?」


 困惑するガルスに、獣王の腕が振るわれる。

 無防備だったガルスの体は、大きく吹き飛んでいく。


「くっ!」


 ガルスは、なんとか空中で体勢を立て直しながら、獣王を見る。

 すると、獣王の体にあったはずの傷がなくなっていた。

 その様子に、ガルスは目を丸くすることしかできない。


「何故……?」

「着想は悪くなかったが、残念だったな。極限まで闘気を高めれば、心臓がなくともしばらくは生きられる。その隙に体を回復させれば、何も問題ないということだ」

「なんだと……?」


 どうやら、獣王の闘気は生死すらも凌駕できるものらしい。

 あまりの闘気に、ガルスは困惑することしかできなかった。


「さて、行こうか」

「くっ!」


 そんなガルスの元へ、獣王はゆっくりと近づいてくる。


「む?」

「何!?」


 しかし、獣王は何故か足を止めて後退した。

 その直後、獣王のいた場所に雷が落ちる。


「……まさか!?」


 ガルスはその雷を見て理解した。援軍がやって来てくれたということに。


「ほう? 援軍か?」

「ああ、悪いが、俺達も戦わせてもらう」


 そこに現れたのは、カルーナ、ティリア、ツヴァイ、ネーレの四人である。

 アンナ以外の勇者一行が、ここに揃ったのだ。


「ガルスさん、大丈夫ですか?」

「ティリア……ああ、大丈夫だ」


 ティリアは、ガルスの隣に並び、回復魔法を使う。


「俺がメインで行く……お前達は、援護を頼む」

「はい、ツヴァイさん」

「よし、やってやるぜ」


 獣王の前には、残りの三人が立つ。

 さらに、役割分担も決まったようだ。


「ふふふ、面白いことになってきたな」


 実質的に、五対一の状況となったが、獣王は笑っていた。

 まだまだ、余裕といった態度だ。

 獣王と勇者一行の戦いが、始まろうとしていた。

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