終わりの見える純愛
こんなことってあるんだろうか…
また、こんなに人を想う日が来るなんて
思わなかった。
そんなふうに想う人に出会ったことは‥
人生とは儚く、尊く、そして切ないもの。
巡り合わなきゃいいのに‥
片思いのままならいいのに‥
ただ見てるだけでよかったのに‥
どうして繋がってしまうの?
なぜ惹かれ合ってしまったの?
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人は産まれた時に、
いや、産まれる前に天の上からテレビ状の画面で
自分の歩む人生を見ている。
見て尚、自分の意志で産まれてくるのだ。
嬉しいことも、悲しいことも。
変えられる運命と
変えられることのできない運命が
絶対人にはある。
私はそう信じている。
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10代 大恋愛を経験
子供を出産
20代 働きながら余裕もなく子供を育てる
30代 自分にとっての生き甲斐を見つけ歩き出す。
そして、私は夢に向かって今を生きる
名前は……………… 比翼【ひよく】
27歳の頃、いい人に巡り合って、
生活の流れが変わり2年間は辛い日々を迎えながらも30歳を迎えた頃には落ち着き始めて
現在33歳になった。
私は、すごくカッコイイ言い方をすれば
デザイナー
自宅で仕事をしながら、イベント会場に呼ばれ
色々なところを飛び回る自由人らしい職についた。
31歳でデザイナー業に専念し、1年近く立った頃
イベントでお世話になっている相葉部長”から
個店ではなく、大きなイベント以来の話が飛んできた。
私はとても嬉しくなって、二つ返事で仕事を受けた。
20○○年 4月
イベント当日
私は大きな荷物を抱えてイベント会場に到着。
人数が多いこともあって、緊張していた。
時間になりお客様が入るについて、
不思議なことに、いつも以上にハキハキと
仕事をこなしていくことができた。
午前を無事に終え、昼食を済ます。
後半も頑張ろうと意気込み、午後のイベントも
スタート。
午前中にもいたのかわからないけど
午後になって、
一際目立つ一人の男性がいた。
どうしてこんなに気になるのか。
この人はどこの誰なんだろうか。
午後その人はイベント会場にずっといた。
でもお客様はずっと回り、私は普段通り
仕事に専念していた。
するとその男性が、イベント内容について一度
訪ねてきたのだ。
私は軽く返事をしてまた仕事に戻った。
最後までその人のことは気になりっぱなしで
少し手が開くとその人を目で追っていた。
色んな方と名刺交換は済ませたけど、
その人と名刺交換はしていなかった。
なぜなら私は仕事を受ける方なので
普段なら名刺は自分から配るけど
あくまでお客様にであって
会社の方には、読んでくれた方の顔も潰しては
ならぬと、求められて返す形を取っていた。
相葉部長は○○支社の方と仲がいいのか
名刺交換を進めてきてくれて、無事名刺交換を果たし
「○○支社からまた多分呼ばれると思います。
よろしくお願いします」
と、言われた。
仕事も無事に終わりクタクタだった私は片付けを済まし、名残惜しさを残しながらその場を後にした。
帰り際、あの人はどこの誰なんだろう。
と思いながら、なぜかまた会えるような気がした。
”縁”があればきっと……………。
一ヶ月半後の6月。
突然、知らない番号から着信がなる。
電話に出ると
「先日はお世話になりました、○○の○○です」
私は誰かわからなかったけれど、
「お世話になりました!」と、返事をした。
「6月○○日に、こちらの支社でまた
イベントをお願いしたいのですが」
私は6月の予定は5月にはほぼ埋まっていて
着信がきたその日は、もう一日しか
あいていなかったのだ。
手帳を確認してみると、
空いているその日を指定してきたのだ。
「その日なら空いています。」
「相葉部長に連絡先を聞いていたのですが
教えてもらえなくて、他の方に聞いてかけてしまいました、すみません」
「そうなんですね、構いませんよ、ありがとうございます。」
「先生、ラインやっていますか?
やり取りをラインでしたいのですが」
「やってます、電話番号で検索して頂ければ
出てきます」
「今送っていいですか?」
随分、せっかちな人。
電話を切ってから検索すればいいじゃない…
その日、疲れていた私はそう感じた。
そうして、彼からラインが届き、
「先生の作品やイベントでできる物の写真を送って頂けますか?」
「はい、わかりました!
よろしくお願いします。」
「今すぐ送ってもらえますか?」
本当になんてせっかちな人だろう。
私は疲れてるんだ!
写真を探すのも一苦労。
すぐにだなんて言われても…
と、思い
「30分以内くらいには送れると思います。
よろしくお願いします。」
と、答えて電話を切った。
電話を切ってから
もしかしてあの声は…
そして、相葉部長の行っていた○○支社とは
違う営業所の人だったな。
と思った。
そして少しゆっくりしてから
彼にラインを送った。
イベントについてのやり取りを軽くかわして
その日は終わった。
イベントの日が近くなり
人数や時間の確認の為に連絡で数回やり取り。
あくまで仕事での連絡を交わしていた。
彼のイベントの前日が相葉部長の支社での
イベントだった。
その日も無事終わり、帰る前に相葉部長に
○○支社の方からイベント依頼が来たことを
伝えてた。
相葉部長は、なんで?というような表情を
浮かべ、名前は?と聞いてきた。
その時私は彼の名前をわすれていてラインで
確認すると、下の名前が書かれていた。
相葉部長とほぼ声を揃えて
連理?!【れんり】
「連理、そうです!
名字がわからなくて…」
でも、○○支社?
おかしいな。
ちょっと確認しますね。
いつも、親切な相葉部長には本当に頭が上がらない。
「先生!○○支社は、△△支社の事です‼
住所書いておきましたよ。」
と。紙を渡された。
私はすごく焦った。
場所がうまく伝わっておらず、相葉部長に
聞かなければ明日私は場所を間違えていたことになる。
あの彼はなんて、説明不足なんだろう…と思った。
「危ないですね…私間違えるところでした」
「良かったです‼明日頑張ってくださいね‼」
と、支社を後にした。
家につくと、彼から
「いま電話できますか?」
連絡に気づかなかった私は30分ほどしてから
「遅くなりました、大丈夫です。」
と、返すとすぐに着信がなった。
「明日はよろしくお願いします……………」
最終人数の確認等の電話でした。
「それと、10時半からではなく、9時半頃に
来ていただいてもいいでしょうか?」
また!
場所も間違えるところだったし
結局思っていたより場所も遠いし…
「9時半は厳しいですね、9時半すぎに着くように行きます、大丈夫でしょうか?」
と、答えた。
「大丈夫です、では明日よろしくお願いします。」
と電話を切った。
でも私は恐らく気にしていた。
彼の声を。
もしかして、彼はあの彼ではないだろうか?
結構サバサバしている私は
”明日会えばわかるだろう”
と、夜になり眠った。
イベント当日 6月
一応、9時半には着くように家を出た。
すると電車は遅延。
私はとても、焦り彼に連絡をした。
結局10時前に着いたのだ。
入り口が分からず、現場について彼に電話をした。
「今下に行きます、待っててください!」
「分かりました」
ここに来るまで遅延にはあうし、
荷物は重いし来るだけでとても疲れていた。
ドアが空いて、人が向かってくる。
顔を見て
彼の声を聞いて
”嘘みたい…本当にあのカレだ”
心の中でそう思って
でも、顔を見たら
あんなになんて人だ
と思っていた感情が全て無くなった。
なぜかドキドキする気持ちを抑えらなかった。
もっと顔を見たいのに
なぜドキドキするのか知りたいのに
顔が見れない
声をかけられても、そっけなく対応してしまう。
心はこんなにも弾んでいるのに
止められないのに。
少し会話をしたら、到着時間の遅れもあり
すぐにお客様がきた。
「じゃあ僕はまた後で気ますね。」と
彼は部屋を背にして歩いて消えた。
消えてくれてよかった。
居たらドキドキして仕事にならない。
仕事が始まり、私はいつも通りに戻っていった。
午前が終わり、昼食に外へ出た。
公園でお弁当を食べた。
”本当にあの、彼だった”
午後が始まり、部屋に戻ると彼は部屋にいた。
お客様を通じて、耳を耳をたてずにはいられず
仕事をしながら会話を聞いていた。
分かったことは
彼は
既婚者”だということ。
子供”がいるということ。
年齢が私と同じ と言うこと。
そのときはあくまでお客様との会話だったので
ただただ、聞き耳を立てていた。
私にはお付き合いを5年ほどしている人がいる。
だから、聞き耳を立てていたけど、
そうなんだ。と思うくらいだった。
お客様が帰られて、なぜか彼は
私の近くの席に座って話しかけてきた。
私は聞いた。
「32歳なんですね、○○年ですか?」
「いえ、早生まれなので○○年です」
「そうなんですね、実は私も同じ年齢です」
彼はびっくりしていた。
「何月生まれなんですか?」
「○月生まれです、連理さんは?」
「○月生まれです。」
そして、会話をしていたらあっという間に30分がたち、お客様がきた。
ここでの会話でお客様と彼と私で会話をするようになっていた。
なんだかその話が面白くて
「B型ですか?笑」
と、尋ねると
「O型です。」
と、答えた。
バタバタと席を立ちながら歩く私の後ろにきて
「B型だと思った?」
と、急に………………
私はドキドキがどうしても止まらなくて
怖かった。
でも、既婚者だしね。
ドキドキくらいしたっていいよね。
今日だけだもの。
会うならまたきっとこのイベント会場で。
そう思っていた。
少し私の手が開くと彼が横に来て
「先生、先生が良ければ何だけど、相葉部長と
飲みに行きませんか?」
と。
私は「あ!いいですね、私は大丈夫ですよ」
と、答えていた。
「お子さんとか?大丈夫?」
「大丈夫ですよ、連理さんも奥さんは大丈夫ですか?」
夫婦関係があまり…ということを知った。
「じゃあ、行きましょうね!」
と、彼はその場を離れていた。
仕事が終わり、私はまた重たい荷物を持って
帰っていた。
いつもなら、真っ直ぐ家に帰るけど
とても疲れたのと、少し彼のことを考えたくて
大好きなカフェへ入ってカフェオレを飲んだ。
そして、彼に本日のお礼の連絡を入れた。
これはいつも相葉部長にもしていることで
普通のことなのに私は返信を待っていた。
気にしていた。
返信が来て、スタンプを返そうかと思うと
「先生さえよければ相葉部長もいれてぜひ」
と、再度言葉にされた。
私は会場でのお誘いは社交辞令ではないこと知る。
私はとても彼のことが気になって
早くまた会いたい
そんな気持ちが止められなくて
空いてる予定を伝えた。
彼もすぐに相葉部長に確認すると
その日は相葉部長の都合が合わなかったようだ。
私は、それならもう会えないかな。
やっぱり、会えないのかな。
そんなふうに想いながら
ラインを交わし、3日ラインをしていた。
そして、返信が途切れ、私は彼にまた連絡を
してしまった。
そして、自分の気持ちにセーブをかけて
スタンプで終わらせた。
そしたら、翌日彼から連絡がきた。
そして、途切れた。
そしてまた、私から連絡をした。
そして途切れた。
そしてまた、彼から連絡が来た。
もうドキドキしっぱなしの数日。
私は彼のことしか考えられなくなっていた。
なぜこんなに惹かれてしまうか。
どうして、彼にこんなに反応してしまうか。
私にはわからない。
だけど、止まらない気持ちがそこにあった。
乙女チックな表現で言えば
”魂が、気になってる。”
”強い縁を感じてしまう”
こんなところだろうと思う。
そして、その彼からの連絡の日。
私は六本木で飲んでいた。
終電間際だった。
なんとか電車に乗り込むことができて
ホッとしていた。
今日の彼はいつもと違う。
ラインが終わらない
話す内容もいつも違う
なんかこれって…
私はいつもと違うものを感じていた。
そして、話の流れで
自然と
でも、とても不思議に
思いもよらず
私達は
お付き合いをすることになった。
なぜこんなことに?
6月イベントで顔を合わせてから
9日しか立っていなかった。
6月イベントで、会ったのは2度目。
一度目はほぼ会話することもなく
2度目は会話はしたけれどあくまで
仕事の中で。
ラインも途切れたり途切れなかったり
よくわからない状態。
フワフワした気持ち。
私は自分の直感を
ありえないほど惹かれる直感にただ従った。
だけど同時に、彼に不信感を抱いた。
私がそう感じているだけで彼は何も感じておらず
ただ、浮気性だったり
今風な言葉で言えばとても”チャラ”かったり
するんではないか。
そんな中、会うことについて話題は進んだ。
間隔的には
一旦止まる。でも、止まらない。
これがずっと続いていた。
私は会いたいのに会いたくなくて
全く持って不思議でしかなかった。
会う日がやってきた。
その日私はあまり眠れておらず、朝から
なんだかイマイチで、
「今日やっぱり無理かも。」
「夕方にまた連絡しても大丈夫ですか?」
「夕方で大丈夫だよ。」
そして、その日も仕事はあって
仕事をこなした。
途中まで会うのをやめようと思っていた。
だけど、やっぱり
早く会って
彼を見たくて
思っていた直感の確認がしたくて
今の現状を確認したくて
会う事になったのだ。
方向音痴の私は待ち合わせ場所までも
うまく行けない。
”やっぱり今日は駄目な日だ”
”明日にすればよかった”
そんなことを思いながら諦めずに
彼との待ち合わせ場所に向かった。
彼は改札から出て、○○出口からすぐのところを
指定してくれていたのだ。
ついてからわかったことだが。
そして私は、コーヒーを買っていきたかったのに
コンビニにさえ巡り合うことができず
待ち合わせより先にコンビニを探していた。
クルクルしていた。
みつけた。
少し遠かった。
でも、コンビニに
行こうとして信号を待っていた。
すると
「後ろ!」と、ラインが鳴る。
え?と思って振り向くと
暗闇に一台の車を見つけた。
あれは彼だろう。
よく見えないけど、彼だろう。
車に近づく。
コーヒーも買っていないのに。
私はおじゃまします…と車に乗り込んだ。
「支社近いから早く!」
急いだ。
そして車が進んだ。
私は動揺した。
やっぱり、最初の直感が正しいのだ。
私はこの人がやっぱり気になり
この人に会うためにここにきて
よかった。
そう思った。
車を進めながら彼から会話を進めてくれる。
私は動揺した気持ちがバレないように必死だった。
彼は道を間違えていて
方向音痴で、免許もない私はそれさえ気づかなかったけど
「俺、動揺してるね。いつも道なんか間違えないのに」
そう言った。
その言葉を聞いて、
彼は、
彼も、
もしかしたら。
私と同じような気持ちで
私に接してくれているんではないだろうか。
そう感じた。
それから彼は、手を繋いできた。
私は、
「えっ、恥ずかしいし…」
「いいじゃん、二人きりなんだから」
その手を離さなかった。
彼は海に向かった。
私はね、
嬉しいとき、辛いとき、ふとした時
海に行くの。
ただただ、流れる波を見つめて
途方に暮れる。
頭の中を無にして
海の香りを感じて
海の音に耳を向けて
ただ、生きてることを感じる。
あなたはそれを知っているの?
どうして海なんかに…
私は会いながらも彼との話の中で
たくさんの共通点を知る。
私が好きな食べ物を手に取る
私がやっていたスポーツを彼もやっていた
好きなアーティストが同じだった
たくさんの曲を出している中で
一番好きな曲が
同じだった。
たまたまが重なることを偶然と呼ぶ。
たまたまが重なりすぎること
それに何かを感じることを
きっと
縁。
と呼ぶのではないだろうか。
海でハグをして、キスをして、手を繋いで歩いて
既婚者同時とは思えないほど
普通の恋人のように
私達は時間を共にした。
私達はラブホテルへと向かった。
大人なんでね。
初めてって緊張する。
とても、緊張する。
どんな風に私を抱くのか
どんな風に。
相性は?
リアルなところ、そこだってやっぱり
気になる。
そればっかりは、やってみなければわからない
領域だ。
そして、男は女ほどわからないかもしれない。
でも女は子宮で物を言う。
私のおばあちゃんがよく言っていた言葉だ。
本当に、そのとおりだね。
おばあちゃん。
もうこの世にはいないけど
とても大切な言葉を残してくれてありがとう。
トータルして全て
相性は
良かった。
そして、腕枕の中で目を瞑る。
なんでかな。
”やっとこうなれた”
私は魂の声を聞いた気がした。
彼は
「どんなふうな付き合いになると思う?」
「うーん。連理さんは?」
「長い付き合いになると思う。」
私は喜んだ顔がバレないように下を向いて
「楽しく一緒に過ごせそうだよね!」
と、答えた。
私達は家庭を壊すことはないだろう。
それはお互いに強く想っていることだ。
だからこそ、長く続くとも感じる。
何も犠牲を出すことなく
私達は私達の形で
育める何かを悟りを得るために
きっと今生で
巡り合ったのでしょう。
辛くないんです。
既婚者なのに。
いつか別れが来ることは分かっているのに。
ただ
でも
その時間が
少しでも
少しでもね
そう
1秒でも
長く続けばと。
願うばかりです。
罪悪感はないの?
そうね。
そうなるよね。
無いことはないの。
だけどそれより
会うべくして会ったと思う以上
罪悪感より
どのくらいの期間かはわからないけど
そばにいることは
もう。
覆せない事実になるでしょう。
そして、何かを得て、何かを悟り
元の場所へ戻り
来世に向かって
死んでいくのでしょう。
こんな不思議な恋をした人は
幸せでしょうか?
不幸でしょうか?
その答えを知るときまで
比翼連理は続く。
比翼連理とは
※男女が互いに固くちぎり合うこと。
男女の情愛の、深くむつまじいことのたとえ。相思相愛の仲。夫婦仲のむつまじいたとえ。▽「比翼」は比翼の鳥のことで、雌雄それぞれ目と翼が一つずつで、常に一体となって飛ぶという想像上の鳥。「連理」は連理の枝のことで、根元は別々の二本の木で幹や枝が途中でくっついて、木理が連なったもの。男女の離れがたく仲むつまじいことのたとえ。