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知識というモノは

とある部屋に保管されているもの、それは私が知りえた得た知識、()()である。



かつての「私」が生きた時代は今の世ではありえない物が多く存在していた。勿論、今の世には存在しても前世では存在しない物もある。そしてその知識は武器となり得る危ういモノであった。



かつての世で得た知識は、かつての世で使われた文字―ニホンゴ―で書き記し、今の世で知り得た知識は今の世で使われる、かつての世ではエイゴと呼ばれた文字で書き記した知識。



それらの存在を知っているのは、私と、亡き父と、婚約者ゼルド様だけである。父は自領を良きものにする為に私の知識を使い治世を行った。そしてそれを更に改良させようと兄上と義理姉様に伝えている途中で賊に襲われ、辛うじて生きながらえたものの「エーリンをなくすな」「兄に協力せよ」という遺言を残し病に伏せ亡くなった。その言葉の通り私は兄に知識を伝えていたが、義理姉様の「成人もしてない女が世事に口出しするな。女は夫に従ってこそ幸せ」と新しい物好きの傾奇者、ゼルド・シェルドハット公爵様との婚約を結んだ。


そしてそのゼルド様は新しい物好きの傾奇者とはいえ領主であり、新しい政策を打ち出す父の元に何度も出向き、貴族であるのにも関わらず頭を下げ父に教えを請うていたのは周知の事実であった。そして婚約を結んだのもソレ関連だろうと周囲には思われていたが、間違いではないのが少し悔しいところだ。



「君の知識の()()が欲しい」


この言葉は彼からのプロポーズの言葉である。愛のへったくれもない言葉ではあったが彼の熱意だけは本物だった。彼の領民に対する想いに心を打たれた。だから私は、「私」の知識を含めて彼に伝えたのだ。


そして彼はその知識全てを武器に遊び呆け、否、新しいモノを見つけているのだ。





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