6.何だか…
会話文が主です。
よろしくお願いします。
お父様から始まりの言葉を聞いた侍女や使用人達が、料理を運び、紅茶を淹れたあと、離れていきました。
それを見届けたお父様が、話しだしました。
「さて…イレット。来年度から、王立学校に通うことになる。学校ではそれぞれの属性攻撃魔法を学び、実戦訓練をし、卒業後の進路を考えながら、研究課題に取り組んでいくことになる。」
この世界も、年月や時間の単位などが前世と同じであるため、私にとって違和感なく過ごしています。今日は10月1日なので、4月1日の入学までぴったり半年前です。
また、季節も一緒のため、紅葉がとても綺麗な秋の時期でもあります。
「イレットは、しっかりし過ぎていたから忘れていたけれど…まだ、14歳でしたわねぇ~。」
「そうですね。私やオリヴィアとは少し歳が離れていたけれど、一緒に過ごす事が多かったせいか、イレットは良い意味で大人ですからね。学校は寮生活ですが、侍女を1人だけ連れていけるし、あまり心配はしていません。」
「ふふふっ。トーマスは"オリヴィアが問題を起こさないか心配で胃が痛い"と、長期休暇の度に騒いでいたわねぇ?」
レッスン後でお腹が減っていた私は、話を聞きながらも、料理を食べていました。
少し真面目な顔になったお父様が、こちらを見ました。
「ここまでは、トーマス達の話を聞いた事があるから、知っているね?」
「はい。特に、お姉様の武勇伝は楽しく聞かせていただいたことがありますわ。」
「あははっ。学校についてはもういいね?次は魔力封印のブレスレットについて、教えよう。イレット、何故魔力封印が必要だと思う?」
いきなり、お父様から質問された私は、戸惑いました。
顔を下へ向け、物心つく頃にはもう左手首にあり、体の成長と共に、大きさが自動調整されるよう魔術が組み込まれているであろうブレスレットを見つめました。
前世で読んだファンタジー小説では、定番の設定を思い出しましたので、お父様に返答しました。
「一つ目は、子供の不安定な感情による魔力暴走から死亡事故を減らすため。二つ目は、子供の興味による攻撃魔法の発動をさせないため、でしょうか?」
「その通りだよ、イレット。少し付け加えるなら、たまに産まれる魔力量が多い子供は、体の方に負担がかかり、最悪死亡する場合もあるため、必要最低限まで魔力を抑える必要があるんだよ。そして、魔力を宝石に封印するから、魔力量に応じて数が多くなったり、属性色に染まったりと、一人一人違ったブレスレットになっている。」
そう言ったお父様は、左手を持ち上げ、ブレスレットを見せてくれました。
お父様のブレスレットを見ると、嵌め込まれたひし形の宝石は全て緑色をしていました。
「一つ聞きたいのですが…。平均的な魔力量では宝石はいくつになりますか?」
「だいたい、6~8個くらいじゃなかったかしら?お父様とトーマスは8個で、私は、銀6個と緑4色の10個ですわ。私が他の人より魔力量が多いのは血筋によるもですし…。」
お母様は私に、ブレスレットを見えるようにしたあと、話を続けます。
「私のお父様が光属性持ちの王族だから、オリヴィアが隔世遺伝し、イレットの魔力量がとても多くなったのですわ。」
「そうなの……。えっ?…王族?えっ?!ど、どういうことですかっ?」
何だか、さらりと凄いことを、お母様がおっしゃいました。
次回も、頑張ります。ご覧いただきありがとうございました。