2.お話って…
やっと、2話目ができた~!
のんびりですが、頑張って完結させます。
「ん~。」
大きなふかふかのベッドで目を覚ました私は、上半身を起こし、手を上に伸ばしました。
その時、ドアをノックする音が聞こえてきました。
「イレット様、お目覚めでございますか?」
「えぇ。ちょうど、目が覚めたところです。」
そう答えると、ドアが開き、桃色の髪と目を持つサンディーとウィンディーの双子の侍女が、部屋へ入り、お辞儀をしました。
「「おはようございます。」」
シニョンを着けたサンディーが一歩前に出て言いました。
「では、朝のお支度を始めさせていただきますね。」
「おはようございます、サンディー、ウィンディー。今日は、クリーム色のワンピースにしてもいいかしら?」
「かしこまりました。ご用意いたしますので、こちらで顔をお洗いください。」
そう言って、サンディーはベッドの横にあるテーブルに、お湯が入った桶を置いて、衣装部屋へ向かって行きました。
肩までの髪にカチューシャを着けたウィンディーは、顔を洗った私にタオルを渡してくれました。
瓜二つの双子の侍女を見分けるのは、髪型ぐらいですが、姉のサンディーの方が主だって動いています。
私は、渡されたタオルで顔を拭き、スリッパを履いて、衝立の中にある姿見の前に立ち、サンディーを待ちました。
ワンピースや小物を用意してきたサンディーは、ウィンディーと一緒に私の身支度を終わらせ、満足そうに頷いたあと、鏡越しに私を見て言いました。
「イレット様、お支度が終わりましたので、食堂へ移動をお願いします。」
「わかったわ。今日も可愛く仕上げてくれてありがとう、二人とも。」
片付けがあるサンディーを残し、私は食堂へ向かいながら、ウィンディーに話しかけました。
「ウィンディー、今日の予定は?」
「本日は、午前のハープのレッスンのみで、他はございません。」
「それならば、魔法の自習練習をします。」
「かしこまりました。そのように準備をしておきますね。」
会話が終わり、ちょうど食堂へ着いたので、私は入り口に立ち、一礼。
「お父様、お母様、おはようございます。」
「「「おはよう、イレット。」」」
後ろから、お兄様の声がしたので、私は横へずれて、もう一度、一礼しました。
「お兄様、おはようございます。」
「うん。では、席につこうか?」
それぞれの席につき、朝食を食べ始めました。時折、話をしながら、食事が終わったのを見計らって、お父様が話しかけてきました。
「あぁ…そうだ、イレット。話があるんだが、午後は空いているかい?ん~…お茶をしながらでもどうだろうか?」
「いいんじゃないかしら?難しい話ではないのだし。トーマスも一緒にいかが?」
「うん。特に急ぎの仕事はないので、たまには、家族でお茶会もいいですね。」
私の返事を聞く前に、もうお茶会をやることが決定してしまいました。
「ふふっ。私も特に予定はないので、大丈夫です。天気が良いことですし、外でいただくのはいかがです?」
「いいわねぇ♪では、決まりね!アンディー?」
お母様はそう言うと、後ろに控えていた侍女長を呼び寄せました。
桃色の髪と目を持ち、双子の侍女の母親でもあるアンディーは、お母様に近づきました。
「はい、奥様。」
「聞こえていたかしら?急で悪いけれど、用意をお願いね?」
「かしこまりました。」
「では、トーマス。午後のお茶に間に合うよう、私達は仕事を終わらせるとしよう。」
「えぇ、そうですね。母上、イレット、先に失礼します。」
席を立ったお父様とお兄様は、執務室へと歩きだしました。
「イレット、あなたもレッスンがあるのではなくて?しっかり頑張りなさいね☆」
「はい、お母様。では、失礼します。」
私は席を立ち、一礼した後、(お父様のお話って、何かしら?気になるわね…)と考えながら、ウィンディーと共に部屋へ戻りました。
読んでいただき、ありがとうございました。