剣
「幹は多分無理だよね」
「・・・だよな」
樹を倒したところに来たはいいが幹では多分できない。幹だと硬いことには硬いんだけどなー
「幹がダメなら枝ならどうだい」
「・・・枝か」
確かに枝はどうだろう。
俺は枝のところに行った。切り倒された時、樹の重さで折れていた枝があった。
やっぱりすごく大きな樹だったから枝も大きいな。
とりあえず斬ってみるか。
「シノ、氷雪剣貸して」
「良いよ」
斬ってみるか。
俺は剣を構えた。剣が紅く光る。
「はあああ!!」
俺は剣を振った。
キン!!
枝には傷はつかなかった。
・・・硬い。これなら出来るはずだ。氷雪剣と同じくらい強い剣が。
「これならいけそうだね」
「そうだな。枝を持っていこうか」
俺は枝を持ってシノに聞いてみた。
「シノ。武具店ってどこにあるの?」
「ここから真っ直ぐ歩いたら着くよ。行こうか」
「おう」
武具店に向かっている中考えてた。
剣を作るのにも時間はかかるだろう。その間にシノに剣を教えて、剣が出来たらシノと衛士大会に出る。衛士大会からの推薦枠は2人らしいから、俺とシノの2人で衛士大会で勝ち抜いて修剣学院に入学する。そしてそこで剣を学んで、央都大会で勝って騎士になる。騎士になれば白亜の塔に入れる。そしてアリスを助ける。完璧だな。
「着いたよユウキ」
目の前にあるのはごく普通の武具店だった。看板にはニス武具店と書いてある。
「入ってみよう」
入ってみたら、ごく普通の武具店だった。いろんな剣や斧などがあった。
「いらっしゃーい!」
そう言って出てきたのは、青い髪の年老いた老人だった。
「誰かと思ったらシノくんじゃないか」
「お久しぶりです、ニスさん」
「知り合いなの?」
「うん。僕ここで斧買ったから」
あーなるほどな。シノはもともと木こりだったからな。
「お隣さんは見たことない顔だな」
「ユウキっていいます」
「ワシはニスだ。宜しくな」
「はい。ニスさん」
見た感じ悪い人じゃ無さそうだな。
「それで今日はどのようなご要件で?」
「あー今日は剣を作って欲しくて来ました」
俺はニスさんに赤い大樹の枝を見せて
「これで作って欲しいんですけど」
「何。これはあそこにある赤い大樹の枝か?」
ニスさんは驚いた顔で聞いてにきた。
「は、はい」
「それじゃあ切り倒したのか?あの樹を?」
「はい」
「そうか・・・」
・・・やっぱり切り倒したってのはすごいんだな。
「分かった。作ろう時間はかかるがいいな」
「は、はい!ありがとうございます。それでお代は」
「金は要らん」
え?
「200年間切り倒されなかったあの樹で剣を作れるなんて一生に1回あるかないかだからな」
「あ、ありがとうございます」
やった。ニスさん優しすぎるだろ。
剣が出来たら連絡するという事になり、ユウキ達は家に帰ることにした。