騎士を目指して
「ユウキ・・・本気?」
「うん」
「騎士になるって大変なんだよ」
「うん」
「修剣学院で修剣士代表になって央都で開催される央都大会で優勝しなきゃいけないんだよ。それに修剣学院に入るためには、近くの街で開かれる衛士大会で代表にならなきゃいけないんだよ」
「うん。じゃあ代表になればいいじゃん」
「いやいや!そもそも僕達剣振れないのに」
「あーそれは大丈夫」
「何で?」
「俺剣振れるから」
「はい!?」
嘘は言ってない。この世界のスキルとかが、俺のやっていたゲームと同じだったから。剣を振ることは可能だ。
「剣振れるからいけるって」
「君は出来ても僕はできないよ」
「大丈夫大丈夫。俺が教えてあげるからさ」
「うーん・・・分かったよ。騎士を目指そう。アリスを助けるためだもんね」
「よし。じゃあ頑張るか」
「そうだね。僕にちゃんと剣教えてよ」
「分かってるよ」
これから俺たちは騎士になるために特訓するんだ。アリスを助けるために。そして、記憶の欠片を見つけるために。
「てかユウキ、剣どうするの?」
「あ」
そうだ。俺には剣が無い。シノには氷雪剣があるが、どうしよ。
「一応近くに金属細工師がいる武具店があるけど」
「氷雪剣みたいな剣は央都にしかないか」
うーんどーしよ
「一応まともな素材を渡せば作ってもらえると思うけど近くにまともな素材ないね」
「うーん」
剣は大体金属で出来てるからなあ。氷雪剣は永久氷で出来てるらしいけど。木刀でも練習には使えても戦いでまともには使えないわな。金属なみに硬い木なんて・・・あるわけ・・・いや
「・・・いやあるぞ。剣の素材。しかも凄くいい奴が」
「え?そんなのあったっけ?」
「樹だよ。赤い大樹でなら出来るはずだ。氷雪剣と同じくらいいい奴が」