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記憶の欠片

・・・ゆ・・・ゆうか・・・わ・・・?

・・・思い出した。

俺の名前はユウキじゃない、優川樹だ。俺は高校のクラスの友達と学校に行ってる途中に黒い服の男?に襲われて・・・この後が思い出せない。個人情報はとりあえず思い出せたけど、なんでこの後思い出せないんだろう。ていうか・・・この世界・・・明らかに日本じゃない・・・いまさらだけど。騎士がいて、剣があり、奥義があり・・・なんで俺はこんな世界にいるのだろう・・・。この世界での名前は優川樹ではなく、ユウキになっていた。この世界で自分を証明出来る窓というものではユウキと書いてあった。ユウキって名前はゲームで使っていたプレイヤーネームだ。そしてシノがいっている奥義は俺がしていたVRMMOゲームであったスキルだ。いったい・・・


「ユウキ?大丈夫なの?」


「・・・ああ、大丈夫だ・・・ありがと・・・」


「そ、そう・・・とりあえず戻る?」


「あ、ああ・・・」


・・・俺はあの宝石に触れたから記憶が少し戻った・・・おそらくあの宝石は、記憶の欠片だ。おそらくほかの場所にも欠片があるはず。それを全部見つければ・・・・記憶は戻るのか・・・。それなら俺は記憶の欠片を集めるために、旅に出る必要がある。でも俺はこの世界をよく分かっていない。どうするか・・・


「ユウキ着いたよ。・・・ユウキ?」


「ん?あ、ああごめん。ちょっと考え事を」


「そう?さっきので何かあったの?」


「・・・・・」


・・・シノにはなんて言おう。俺はこの世界の人間じゃない。そもそも俺は優川樹だ。その話をして、シノは信じてくれるのか。


「なあシノ」


「うん?何?」


「シノって名前、プレイヤーネーム?」


「プレイヤーネーム?何それ?」


「・・・ごめん変なこと聞いた」


どういう事だ・・・シノには確かに知性がある。それは会話してて分かる。この世界は騎士だの奥義だのあるあたりこの世界はゲームの世界のはずだ。知性があるシノはNPCじゃなくプレイヤー・・・シノという名前はプレイヤーネームで本名が別にある・・・はずなんだ。でもシノはプレイヤーネームという言葉を知らない。つまりプレイヤーではない。だったらこの世界はゲームの世界ではないのか。でも奥義という名前ではあったが、ゲームのスキルはあった。・・・この世界のことも、なんで俺がこの世界にいるのかも、記憶の欠片を集めれば分かるのだろうか。


「それにしてもさ」


「ん?」


「あの大樹が切り倒されるとか、僕もう信じられなくて」


「そうか。そりゃそうだよな。ずっと切り倒されなかったもんな」


確かに1振りで切り倒すとは思わなかった。もう赤い大樹を切ってく作業が無くなったわけか。・・・ん?


「てかさ」


「何?」


「大樹はもう切り倒された。そしたらシノの天職はどうなるんだ?」


「あーそうか。新しい天職見つけなきゃな」


「あー何。天職終わったら新しいのを見つけなきゃいけないのか?」


「そうなんだよ。どうしようかなー」


新しい天職かー。てか俺も天職見つけなきゃいけないのかな?今天職無かったしな。うーん・・・あ。


「なあシノ」


「何?」


「前に言ってたアリスって人はさ、連行されたんだよね?」


「そうだけど?」


「どこに連行されるんだ?」


「白亜の塔って言う央都の真ん中にある塔だよ」


「その塔ってさ、一般人とか入れるの?」


「無理無理。入れるのは白亜の塔の騎士くらいだよ」


「そうか・・・」


「そんなこと聞いてどうするの?」


シノはアリスの話をしている時、悲しい顔をしている。おそらく自分を責めているんだ。アリスが連行される時、助けることが出来なかったから。シノにとってアリスは大切な存在なんだと思う。助けれるなら助けたいと考えてると思う。アリスは白亜の塔にいて、白亜の塔に入れるのは騎士のみ。・・・この事をいう前に、シノに聞かなきゃ行けないことがある。


「シノ。突然だけどアリスを助けたいか?」


「え・・・」


シノは少し動揺していた。しかしすぐに真剣な顔になって答えてくれた。


「助けたいよ。アリスを・・・僕にとってアリスは、大切な存在なんだから」


「そうか・・・」


そう答えると思ってたよ。


「でもどうやって助けるの?白亜の塔には騎士しか入れないのに・・・」


「そんなの決まってるだろ」


そうだ。簡単な話だ。


「騎士になればいいんだよ。俺達が」

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