赤い大樹
シノの天職は木こりだとしったユウキ。なんで木こりなんか・・・
「・・・木こりって木を切る人の事だよね?」
「そうだよ」
「近くにあった森の木を全部切っちゃうの?」
「いいや、違うよ」
「じゃあどっかの木を切ってるの?」
「そーだよ」
「どこの木?」
「ここから少し先にある赤い大樹だよ」
大樹?赤い?そんなものがあるのか
「ついでに聞くけどその大樹って何本あるの?」
「1本だよ」
「・・・へ?」
1本だけ?マジで?
「1本だけならその仕事もう終わってない?」
「それがねー、先代から始まって大体200年経ってるんだけど、200年間ずっと斧を振り続けてもその大樹は切り倒されていないんだ」
「何だって」
200年間ずっと切っても切り倒れないのか?そんなことあるのか?
「実際に見てもらった方がいいかもね。ついてきて」
俺はシノと一緒にその大樹があるところに行ってみた。
そして目の前にあったのは、赤い色の大きな杉の木だった。
「・・・でかすぎねーか?」
「赤い悪魔って呼ばれてるよ。まあ200年間ずっと切り倒せなかったんだからそう言われてもおかしくないか」
でかすぎる。悪魔の名前をもっていてもおかしくない。・・・でも200年間ずっと切っていたんだったらいくら大きな木でも切り倒せるはずだ。ていうか・・・
「なあシノ。なんで200年間も切っていたのにこいつには傷がないんだ?」
「あーそれはね。この木は時間がたつ事に天命が回復するんだ」
「・・・マジで?」
天命は体力のようなものだと家に向かっている途中に聞いていた。天命は年によって最大値が変わっていく。30歳から天命の最大値は減っていく。天命は身体的傷害を受けた時減り。天命がゼロになった時死ぬと。天命は動物や植物、道具にもある。道具の場合、天命がゼロになった時壊れる。動物や植物も天命がゼロになった時死ぬ。大樹の場合、一部分を集中的に天命を減らすと木は切り倒される・・・と聞いた。シノに。
シノはこの大樹は天命が自動回復すると言った。こんな大きい木だと天命の最大値はとてつもなく多いだろう。天命を斧で減らしてもその分天命が回復していく。つまりこの大樹を切り倒す事は・・・
「無理じゃね?」
「そだね。まあ回復量より上回るくらい天命を減らすことが出来ればいけるんだけど・・・斧だとそんなこと出来ないんだよね」
「・・・そうだな」
確かに斧で出来たら200年間こんなことする訳ないよな。
「あ。氷雪剣使ってみたらいけたりするんじゃない?」
「無理だよ。僕、剣とか振れないし」
「そうか・・・。じゃあ俺やってみてもいい?」
「あーいいよ。ちょっと待っててね。取りに行くから」
「あ、ごめんありがと」
200年間斧で切り続けたのにも関わらず切り倒されなかった大樹。剣で切ることは出来るのか?あ。
そもそも俺・・・剣振れるのかな?
赤い大樹を切り倒すために、シノの氷雪剣を使うことにしたユウキ。ユウキは剣を振ることが出来るのだろうか。