修剣学院
修剣学院。
文字どうり剣を学ぶ場所。見習い修剣士として1年間学び、昇格試験を受け、合格することで、上級修剣士となる。そこからまた1年間、剣の腕を磨き、卒業試験を受け合格することで、卒業出来る。また、卒業試験での主席、次席は、修剣学院からの推薦枠として、央都大会に出場出来る。修剣学院入学時、寮の部屋決めも兼ねた試験が行われた。ユウキとシノの結果は・・・・・・
「同じ部屋になったね、ユウキ」
「・・・・・・ああ」
シノとユウキは寮の部屋でそう会話していた。シノは3位、ユウキは4位だった。実技試験では、ユウキは1位、シノは4位だった。実技の結果を見てユウキは「・・・・・・あれ?やばくね?」と言っていたが、筆記試験でユウキは4位に下がり、シノは3位に上がった。ちなみに1位、2位はどちらも貴族だったので、シノと同じ部屋になれたのはとてもいい事なのだが・・・・・・
「・・・・・・なんかなぁ・・・・・・」
実技で1位を取っていたが、筆記で下がってしまったのが少し・・・・・・。ユウキにとっては、嬉しいような悲しいような、曖昧な状態だった。
「・・・・・・別にいいんじゃない?ユウキもともと筆記苦手だったわけだし」
シノはユウキにそう言うが
「そうなんだけど・・・・・・1位から下がったのはちょっと・・・・・・」
「まあそうだよね。僕は上がったけど・・・・・・。でも上級修剣士になる時に1位になればいいじゃん」
「・・・・・そうだな。がんばろ」
・・・・・・そうだ。ここで1位を逃しても、最終的に卒業試験で1位を取れば・・・・・・もちろんシノの言う通り、一年後の試験でも1位を・・・・・・。頑張ろう。
「上級修剣士と言えば、あれ今日だよ、ユウキ」
シノがユウキにそう言う。
「今日なんかあったっけ?」
身に覚えがない。
「ほら、上級修剣士からの指名。もう玄関に貼られてると思うよ」
上級修剣士からの指名。成績上位12名は、上級修剣士からの指名があり、1年間剣技を教わる事が出来るシステムがある。
完全に忘れてた。
「あーあれ今日だったな。見に行くか」
「うん!」
シノとユウキは玄関に向かう。向かう途中、
「ユウキ、指名のことすっかり忘れてたでしょ」
シノがそう言ってきた。
やだこの人、俺のことわかってきたな〜。
「・・・・・・イヤマサカ。ソンナコトナイヨ」
棒読み気味だったがシノにそう言い、歩くスピードをはやめた。
玄関に着くと、指名の紙が貼られていた。
シノとユウキは自分の名前を探す。
指名か・・・・・・まあ主席と次席は、そのまま見習いの主席か次席を選ぶだろうな・・・・・・。そもそも貴族でも何でもない俺を指名してくれる人なんているのだろうか・・・・・・。少なくとも貴族は俺のこと指名しないだろうな。
そう考えてたら、自分の名前を見つけた。ユウキを指名した人の名前は・・・・・・
「・・・・・・クレナ・ブランドー」
指名した人の名前は、クレナ・ブランドー・・・・・・次席上級修剣士。
・・・・・・ん?次席?
紙には、クレナ・ブランドー次席上級修剣士と書いてあった。
そう。ユウキを指名したのは、次席上級修剣士だった。