西大会決勝
・・・決勝が始まる。
シノはジェイ・キリシタンのことを考えていた。
ジェイ・キリシタンは強い。今大会でも圧倒的強さをほかの人たちに証明していた。多分西大会優勝者はジェイ・キリシタンだとみんなおもっているんだろう。
正直どうやったら勝てるのだろう。まあ考えても仕方が無いか。
・・・行こう。
「西大会決勝!!シノ選手対ジェイ選手!!」
「完膚なきまでに叩きのめしてやろう」
「・・・負けるつもりはありません」
「双方、構え!!」
お互いに剣を構え、そして、
「始め!!」
合図と同時に2人は動き出した。お互い超スピードで動き、剣を振るう。互いの剣が合わさった。鍔迫り合いに持ち込まれた。今のとこ互角だ。
「・・・このままいけると思うなよ、格下が」
ジェイがそう言い放ちながら、剣が赤く輝く。
この状況で奥義を!!
だんだんとシノの剣が押されていく。
そして―
「シャアアア!!」
そのまま吹っ飛ばされた。
「ぐあっ!!」
吹っ飛ばされたがまだ体は動く
・・・戦闘不能になるまでは負けることは無い。まだ戦える。
「終わりだ格下」
ジェイが剣をを上段に構える。剣が赤く光る。
・・・・・やるしかない。いくぞ!!
シノが剣を下段に構える。シノの剣が輝く。しかしジェイの剣とは違い、蒼く輝いている。
「シャアアアア!!」
「はああああ!!」
ジェイの赤とシノの蒼が衝突し、火花を散らす。そして威力が打ち消しあった。
「まさかまだ終わらないとは・・・しかし次で最後にしてやる!」
確かにこれが単発奥義同士ならこの次で勝負が決まり、僕は負けてしまうだろう。
・・・・・単発奥義同士なら
「いいかシノ。これは相手が奥義を使った時に使うんだ」
2年の修行中、ユウキは僕にそういった。
「どうして?」
「理由は2つ。奥義を使用した後、少しの間反動で動けないから。もう一つはこっちが先に使った場合、対処される可能性があるからだ」
「なるほど」
確かにとっておきを対処されてしまったらおしまいだ。強い人たちに勝てる希望が無くなる。
「そもそもこれは、相手の攻撃を防ぎつつ反撃する技。普通の奥義より強力だ。だけど反動も大きい。だから使う場面をちゃんと考えて使うんだ。いいな」
「わかったよ。ユウキ」
「・・・いや、次はない」
「なに!?」
ジェイの剣はもう輝きを失っている。
しかしシノの剣は、
「なぜ光が消えない!!」
シノの剣は輝きを失っていなかった。それどころかさっきよりももっと蒼く輝いている。
ほかの奥義とは違う。ユウキが教えてくれたとっておき。
連続剣技。
勝つのは・・・僕だ!!
「ぜああああ!!」
シノは叫び振るう。
二連撃奥義の二連撃目を。