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はらり消えゆく救世主  作者: はうと.
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僕の住む町

目が覚めたら、トイレに行って、朝ごはんを食べて、ニュースを見て、靴ひもをきちんと結んで学校に行く。そんな毎日。


ーーその日のニュースも暗いものばかりだった。正直つまらないけど、仕方がない、最近は明るいニュースなんて滅多にないのだから…。


僕の朝のゆっくりとした時間は、朝ごはんの主食を決めることから始まる。

キッチンから、朝ごはん、ホットケーキとご飯、どっちがいいー?という少しけだるげな声が聞こえる。どんなチョイスだよとは思ったものの、僕は ホットケーキィ、と答えた。まだ声が掠れている。僕はこの時間帯の声がなんとなく苦手だった。学校に着くまでには治っているだろうか。

…ふかふかのホットケーキが出来上がるまでの間に、僕が今住んでいる環境とちょっとした時代背景を教えてあげよう。

時は現代2XXX年!ーーえ、もうちょっと教えろって?長生きしてればわかるだろーー僕は今ちょっとした都会と田舎が混ざったような微妙な所に住んでいる。だけど電車に乗れば東京だってすぐ行けるし、別方向に乗れば田んぼだって見れちゃうぞ、凄いだろ!小学生の時は田植え体験したんだぜ!!どうよ!……まあいいや。はあ。…それで、僕ら家族は今、



隔離されている。



ーー実は最近、流行り病があるそうで。

僕はそれにかかっているらしい。らしい、ばっかりだけど、ほんとにどこが悪いのか分からない。だって見た目はどこもほかの人と変わりないんだ。

病名は、後天性変異症候群、略してAVS。どこから来たのかも分からず、悪さをしているウイルスへの対処法も分からない。そしてかかった人がこの先どうなるかも様々で、はっきりとは分かっていない。だから隔離されてるんだ。

さっき「どこへでも行ける」って言ったけど、本当に、東京や田んぼばっかりの田舎に行けているわけじゃない。

隔離されている人が多すぎて、僕が生まれてからすぐくらいに、「今までの生活を返せ」と隔離施設に閉じ込められていた人がデモを起こした。長い間議論した結果、さすがに可哀想と思ったのか、模擬市街地が完成。その後は予想をはるかに超えて増える患者とその関係者のために、と、市街地の規模はどんどん大きくなっていった。そして電車や新幹線などの交通機関の発達が進み、最初は都心のみだった模擬市街地も、田舎のような自然あふれる地域までできたってわけ。初めて文面に起こしてみたけど…虚しっ!それでーー


ーーホットケーキができた!だから今はこれで終わり。溶けたバターとどろりとした蜂蜜が食欲をそそる。いただきます!



ホットケーキはいつ食べてもおいしいな。


…時間的にはそろそろ学校に行かなくちゃならない。隔離地域にも学校はある。

僕ら隔離組の行く学校は小中高一貫で、ちなみに僕は高校1年生だ。受験は無いけど、中学校での素行や学力でクラスが割り振られる。僕は中の下だから、教室は毎日騒がしいし、授業もそこそこ面白い。…内容はあんまり分かってないんだけどね。そして登校時間も休みも自由だ。大学みたいな制度(僕は大学みたいな制度の意味がいまいち分かんないけど、母さんはそう言ってた)を取っていて、1週間に規定のコマ数と教科を取り入れれば卒業できる仕組みになっている。早く帰りたくて朝に授業を詰めこみ2時か3時に帰る奴もいるし、僕みたいに朝はだらだら過ごしたい人は3限目の10:15から授業を入れて、1:15から始まる6時間目は昼休み、4:15から始まる9時間目を最後の授業にして5時頃に帰ったり、5時から居残って他の活動をしたりしている奴もいる。

そういうわけで、僕は朝からのんきにホットケーキが食べられるのだ。


靴ひもをしっかり結んで外に出ると、今日は冬らしい、と言えばいいのだろうか、からりとした天気だった。肌が冷たい空気にさらされ、ちくりとする感じが僕は嫌いじゃない。

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