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翠眼のソナタ  作者: 冷潤 
砂漠王国バントベール
7/7

マジックアワー

川を渡る算段がついたペルは市場へ買い物に出かける。それを追っていった俺とソナタはあるものを見つけたり、ドボーンしたり···

「そんな楽しい日常が続けばいいな」

奏介はなんとなく旅が終わるような気がしていた。

マジックアワーな時間帯!

誰もが黄昏(たそがれ)る!

しかし物語は大きく動こうとしていた···

港町から南に10キロほどいったところに首都バントベールはある。首都の中央部には川が流れていて、川を境に北町と南町に分かれているが、現在両町の市長が争い事を起こしているため自由な通行が出来ないらしい。

「どーすんだよ~、北町来ちゃったけど王宮あるの南町だよ~?」って俺がリーダーだった。

「あっ見えてきた!よーしみんな、競争だよー」

というソナタの声につられて走ってしまったのが誤算だった。情報はあらかじめ港町で得ていた。

つまり、冷静に考えれば···競争しなけりゃ今ごろついていたのだ。

···ちなみに、俺は3位だった。

ということで着いたときにはもう夕方だったので、宿に泊まることにした。


~宿にて~

「宿にはゆったりくつろげた思い出が無いんだよ!」<奏>

「私のしゃべり方を真似してほしくないんだよ!」<ソ>

「失礼ね!いい仲間と出会えたんだからいいじゃないの」<ペ>

『えー!?』<奏><ペ>

な、なによー!!と怒っているペルはスルーして俺たちは部屋へと向かった。この国くらいになると男女が別々の部屋も登場してくるのだが、やはり金がかかる。

ということで、いつもと同じ3人部屋で窮屈に過ごしているという訳だ。

そんなとき、俺はふとあることを思い出した。

···そういえば今、この国では珍しい、討伐隊結成してたんだったよな。鈍蔵さんたち···無事はいれたかな~

そんなことを思い出していると、いつの間にか寝ていた。


次の日、俺達は南町に何とか入れないか考えていた。

「通行許可証発行ってのがあるのよね。でも今は両市長喧嘩中ってことでそれは無理。でもほかに手段はないわけで・・・」

「合法的じゃないならたくさんあるけどな」

「屋根の上を走っていけばいいんじゃないかな?」

おおっ!!!

・・・ってそれは100%捕まるって。

「屋根…いいかも!!」

ええええええええー

意外とふざけているようでふざけてないとぺルは言うが、俺は100%できれば1000%くらい反対だ。

この町は屋根と屋根の間隔がけっこう広いほうの町なのだ。しかも町の中央部にはリード川が流れてるわけで…

「問題はリード川よね」

やはりそこで詰まるか。いいぞ。そのまま違う案を…

しかしそんな俺の願望とは裏腹に、ぺルはなにか閃いた顔をしていた。

「これが・・・こうなり・・で・・だから・・うん・・で・・・」

「できた!!」

「うえええ~…」

その、『あ~、また頑固のせいで大変なことになりそうだわ~』みたいな「うええ」はなによ!れっきとした合法的な方法よ!川の問題は大丈夫だわ!

「市場に行ってくる」、そう言ってぺルは出て行ってしまった。

きっと唖然とした顔になっているな、俺の顔。

相変わらずのぺルの頑固さと決断力の速さには驚かされる。

「ぺルにかけてみるか・・・」

俺達もぺルのあとを追いかけることにした···

まあ屋根の上走る時点で川もくそもなく非合法だけどな。


~リーン市場~

ここは首都バントベール北の町一番のにぎわいを見せる市場だ。

朝はとれたての海産物を売ったりしている。

「そうすけーみてみて!おいしそうだよ~」

えっと~

見るとそこには···


プルノンティウスの佃煮 100g4000ポーロ


···。

ええっと…完全にこれは?···

ゲテモノだった。いや、ぐちゃぐちゃでよくみえないが、プルノンティウスってところと見るからにぐちゃぐちゃな中身で完全にヤバイ。

ていうか意外と高いな、プルノンティウス。

「なぁ、本っっっ当にこれ、うまそうに見えるか?」

「うん♪とっても面白···じゃなくて美味シソウダヨ!」

···後半、カタコトになってるよ。

今はとにかく、こんなプルノンティウスにかまっている暇はない!

あと多分、俺が食わされる。いや、喰わされる。それだけは嫌だ!。

イナゴや蜂を食べる国でも、それはごく一部なのだ。

「てことでSeeYou♪」

俺は全速力でダッシュ、そして角を曲がり直進。

途中でソナタの声が聞こえたが俺には関係無い!

「一直線に逃げるべしっっ!!!」

つっっっ!?

『ドボーン\·ш·/』

うぁぁぁ~という情けない声と共に町の端から海へと落ちた。

「そーすけ~!そっちは海だよ~」

···寒っ。


~リーン市場専門街~

···この店にはあるかしら?

ペルは奏介がボチャってる間に真面目に買い物をしていた。

ペルはいま、工具の店に来ていた。目的は作戦に使う仕掛けを作るためだ。

「あったあった。あとはアレを大量に用意するだけだわ♪」

「順調じゅんちょー!」

満足げに買い物を済ませたペルはまだ知らない。これから気付く最大の誤算に···


1時間後···


「おーい」<奏>

「ペルちゃーん」<ソ>

「あ、奏介とソナタだ」

そろそろ買うものを買ったし二人に作戦教えてあーげよ。

ペルはおーいと手を振り二人のもとへと駆け出した。

辺りは陽が落ちはじめていて、

『マジックアワー』

と呼ばれる時間帯になっていた。

「夕日がキレーだな」<奏>

「そーすけー、赤くておっきいねー」<ソ>

「地平線に夕日が沈む。ロマンチックね~」<ペ>

俺はそんな夕日を見ながら、同時に旅の終わりを予感していた。

「夕日のように沈んだら終わり。今は沈みかけってとこかな?」

しかし。そんな俺の考えるような終わり方はしない。

ー物語は大きく動き出す。

新年明けましておめでとうございます。遅くなりましたが、投稿できました。

物語は嵐の前の静けさって感じにしたかったんだけどなってたかな?

ま、楽しんでくれればいいや。

誤字、脱字訂正、感想、意見はどんどん送ってきてください。

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