再生
遂に迎えた決勝戦。しかし圧倒的な強さの前に倒れる奏介。
奏介、死の危機!?
俺とソナタは今、武術大会に出ている。なんで出ているかって言うと、資金が底をつく寸前だからだ。
···出場費と武器買って底ついたけどね。
そして時は現在、第一回戦。
俺は木刀を握りしめ、いかつい顔のお兄さんと鉄球遊びを始めるところだ。
やっべー。絶対即死だよ。
···てゆーか観客木刀見て笑っとる。
カーンとゴングが鳴り、俺は仕方なく、打撃力に賭けた一撃をお見舞いするべく走り出した。
「はべっ%!▽※$¥?」
案の定、鉄球にクラッシュされた。
ギリギリで木刀でガード出来たから良かった。
木刀強くね?
相手が、何故?という顔をしている間にすかさず起き上がり、懐に入って上段斬りを決めた。
すると、鉄球を持った大男は一言もしゃべらず倒れた。そのまま10カウントしても起き上がらないので、俺はK.O勝ちをした、ということになる。
···木刀最強やん。
その後も着々と勝利していき、Aブロック決勝。これに勝てば、2位は確定だ。
そんなことでうかれていた俺の気持ちは一瞬で戦闘モードに戻された。
「決勝の相手···かなりヤバイオーラ出てる」
今までの、
鉄球の人よりも小さく
二回戦の筋肉自慢の奴ほど筋肉があるわけでもない。
三回戦の顔がとにかく怖い顔の奴とも違い、浅黒い南国特有の色で顔は整っている。
突出した特徴があるわけでもないのに、ただひたすらある気持ちが読み取れる。今までの人とは違う狂気に満ちた思い。
ただひたすらの
【破壊衝動】
のみが読み取れた。
『ええ~ヤバイよ。俺、もうすでに震えているし。これはいくらなんでも···」
ゴングが鳴った瞬間に打ち込む。それしか勝つ方法がないと思った俺は、駆け出す態勢をとった。
カーンと金属音が鳴ったとき、
俺が飛び込もうとしたとき、
すでにアイツはいなかった。
···速い!じっと見ていたが、いついったのか見えなかった。
刹那、俺が持ち前の危機回避能力を発動させ、相手を見つけたときには、もう勝負はついていた。
俺の完全なる敗北だ。
手刀と呼んでいいのか、という攻撃力だった。
俺の腹は完全に貫通されていた。
おまけに腕は両方骨を粉砕されていた。
勝てるわけない。そう思った。
次元が違う。そう思った。
でも思っただけで行動はできなかった。
何故なら思考を巡らせたとき、俺は死んでいたから。いや、正確には死ぬ直前だった。
そんな俺に更なる追い討ちがあった。両腕でさされ、体の中をほじくられた気分だ。
俺はそのまま深い眠りについた。
次に起きたときには、次の日になっていた。全身包帯で巻いてあり、生きていることが不思議だった。
傷口や腕を見て俺は驚愕した。
折れた形跡はなく、えぐられた痛みも外傷もない。
つまりは五体満足だった。
「調子はどうだい?いや~すまなかったね」
という男は昨日の相手。浅黒い肌と顔は一切変わってなかった。
しかし、決定的に違うのは、殺気が無くなっていたことだ。
いくら殺気が無くなっていても昨日の今日なので、俺は叫んだ。
「いやっ!いぎゃ!あがああああああああああー」
すると、
「おいおい、いきなり叫ばないでくれ。何かやらかしたと思われるだろ」
と男は苦笑いした。
~病室~
「改めて、すまんかった。」
と男は深々と頭を下げた。
俺はまず名前を聞いた。
「僕はシーセン·イ·サイザ。武術の極みを目指して旅しているんだ」
「そんで。なんで俺は生きてるんすか?しかも五体満足で」
実際俺は、あのとき死ぬ寸前だった。その時を思いだすと嫌な汗がでる。
「あれは僕も予想外だったんだよ。まさか君がそんなに弱いと思わなくって」
···さらっと暴言はかれたな。
「で、何故君が五体満足かっていうと、生命を司る拳法で君の体内を治したんだ。正式には再生拳というらしいんだけどね」
···最後の追い討ちじゃなくて治療か。
随分とモゾモゾしてたな。
「再生拳をモゾモゾ0で出せる用に頑張って···」
「え?」
といって首をかしげるサイザに、何でもないと言い、俺は包帯をはずした。
その直後、ガラッとドアが勢いよくあいて、ペルとソナタが入ってきた。
まず始めに、
「悪かった!」
と謝った。俺のせいで、貴重な最後の望みがたたれてしまったからだ。
「資金は良いよ?ソナタ優勝したし」
「そうか!ソナタすげーなぁ~」
と頭を撫でる。
「そうか、優勝か···」
優···しょ··う?
えっええええええええええーーー!?
優勝したの!?
サイザに勝ったの!?いやいや···
冗談はやめろよ~と言おうとしたところで目の前に、
『祝!優勝! ソナタ殿』と書かれた金の入った袋が置かれた。
あ、マジもんだ。
ソナタって一体なにもんなの?
という疑問がさらに大きくなった。
···やっと城に行ける。
すべての真相は城に行けばわかるような気がする。だからあまり深く考えずに城を目指すことにした。
ー旅の終わりは着々と近づいてきている。
いつからバトルになったのだろうと書いてて思いました。大々的なあらすじにあおられた人。落ちがあんなんで、スマン。
···これでも一生懸命書きました。
感想お待ちしております。
批評も勿論OKです。(さらなる作品のレベルアップのために)






