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翠眼のソナタ  作者: 冷潤 
記憶探しの旅
4/7

豪傑と精密

船旅の途中で会った特徴的な二人組。その二人はある異名を持っていて···

初バトルの第4話!


砂漠王国バントベール行きの船に乗って早くも一週間。

···正直飽きてきた。

「奏介~。飽きた~あと酔った~」

すごっ!髪の色と顔の色が酷似してきた。酔いに弱いな···あ、俺も。

グロッキーな俺たちとは対称的に、全く大丈夫そうな顔をするペルさん。

「流石、商人は旅に慣れているからペルは平気そうな顔だな」

ええ、これくらい可愛いもんよ。

と、ペルさん。気のせいか少し青ざめている。···酔ってたりして

「こんくらいは良いのよ···。あの波は···師匠のバカ!」

壮絶な過去の片鱗を見てしまったような気がする。

···そっとしておこう。

一人でブツブツ言っているペルはほっといて、俺は双眼鏡で遠くを見た。

「おっ、珍しい野鳥」

フェルマー大陸では見られない鳥だな。南国っぽい色してるし。

実際、一週間の間に何も変わっていない訳ではない。特に気温の変化は大きい。

ピーンポーンパーンというメロディのあとに、アナウンスが入った。

『乗船しているお客様。御食事の準備が整いました。食堂へお越しください』

ここの食事、すっごくうまいんだよな。

···この船旅で唯一楽しみなことが食事なんて。

人生損している用な気がする。


~食堂~

この船にも、色々な国からきた色々な職業の人がいる。特に多いのはハンター系の職業の人だ。賞金首狩りのやつやら、傭兵の奴とかもいる。

実際、バントベールは年中無休で兵士募集をしている国だしな。この人たちにとっては、いい仕事だろう。

あれっ、空いてる席がない。どうしようか。

そこは宿の時と同じく相席だろう!

とか思った方すいません。

そのとおりです。

ということで、二人組の賞金稼ぎと一緒に食事することになった。

···威圧ハンパねぇ。阿修羅を相手にしてるレベルだよ!?

「とりあえず自己紹介をしましょうか」

という向こう方の提案で、俺たちは自己紹介をした。

次は相手の番だ。

まずは右の長身で細い男から、

「私は、ネソチナ·マールトッカと申します。短い船の旅ですが、宜しくお願いします」

見た目と比例して、凄く丁寧だ。

うん。こっちはいいんだよ。思った通りさ。問題は阿修羅がオーラとして出ている、左の人さ。

「我は、鈍蔵響嶄(なまくらきょうざん)と申す。九時浦、と申したな。我はそなたと同じ、龍州の出身じゃ」

その言葉を聞いて、ソナタとペルは頭に「?」が生まれた。

ま、そうなるわな。

「俺の故郷の国は龍を大陸の神と信じている人がおおいので、別名で龍州と呼ばれているんだ」

へぇーといった顔をする二人。

まぁ一回でわかる人は相当宗教家なので、普通といっちゃ普通な反応だ。

まぁ自己紹介の次は大抵、なぜ船に乗ったのかという話になる訳だ。

「私達は、一ヶ月後に王国が大規模な討伐隊を出すらしいので、それに参加するつもりです」

討伐隊?あの巨大砂漠王国が臨時で討伐隊を作る必要があるのか?

と思ったが、特に深く考えなかった。

俺たちは旅の目的を簡潔にまとめて話した。

残念ながら情報は手に入らなかった。それでも話せたので、久しぶりに食事以外で楽しいと感じた。

と、その時。

ズガーンという音と共にとてつもない衝撃がきた。

「うわっ!」<奏>

「奏介ー!!」<ソ>

「ちょっとぉ」<ペ>

と言ったのもつかの間、二撃目が来た。

徐々に周りが騒がしくなってきた。

「いくぞ」と俺が声をかけると、すでに二人はいなかった。

俺らは甲板に出た。

そこには、超巨大な魚型モンスターと交戦する二人の姿があった。

「むっ、鱗が硬い」

なら、と鈍蔵は持っていた刀を二つくっつけた。

鋼鉄の広刃(プレートブレード)。龍州の武器だ。本来の刀の切れ味を半分にして、二刀流戦闘を可能とさせる特殊な武器だ。扱うには単純な腕力が必要となる。

···もちろん俺は一本すら持てない。

ウオオォという掛け声と共に跳んだ鈍蔵は全体重をのせた攻撃を放ち、見事魚を一刀両断にした。

···すっげー。

一方のマールトッカさんはというと、一刀両断された魚を恐るべき速さと正確さでさばいていく。使っている武器は、精密武丁、影刀(えいとう)だ。

精密武丁は名前の通り、精密さが必要で、おまけに武器包丁なので武器がわりにもなる。

「聞いたことがあるわ。龍州の豪傑と精密の調理師と呼ばれる凄腕の二人組がいると」

その凄腕の二人組には、惜しみのない拍手が送られた。


~部屋~

さばいた魚は船の食料になった。

魚料理に困ることはしばらくないだろう。

「いやはや、少々疲れた。」

あの剣持って少々って···

「ソナタ感動したよー。奏介と違って強いねー」

ぐはっ!俺は精神に深い傷を負った。

「いやー凄いよ!噂には聞いていたけどそれ以上だよ。奏す···ヘタレリーダーとはちがうわね~」

俺は···ガラスのハートなんだよ!?

もう俺のハートも一刀両断さ。

「も、もう寝る。おれの心がもうもたない」

いやいや冗談だってー。

俺はなんとか元気を取り戻した。

その後、俺達は明け方まで語りあった。


4話にしてやっとバトルです。

しかも主人公じゃないし♪

個人的には結構好きな第4話いかがだったでしょうか?

感想お待ちしております。


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