表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

***

***

「ねえ、おかしくない? ねえ…! ちょっと!」

 誰か、誰かこの暴走した二体のロボットを止めてくれ…!

あれから即行動を起こした私達は、トイレで()()きあっていた。




――――そう。この言葉。

「ティッシュって、どこにあるの?」

 この騒ぎは、私のこの考えなしに発した言葉から始まったのである。




「これを、いい感じの長さにちぎって配る!」

「さぁ、やるわよ!」

「…う、う~ん?」

 い、いい感じの長さ? ちょっと…!

 何、この温度差。私は氷点下二度ぐらいにまで冷めているというのに、この二人。目が燃えとる。

「…まさか、本当に配るの?」

 そう言って、乱雑に私の手に載せられていく三十センチばかりに切り取られたトイレットペーパーを見た。



―――ティッシュ違う!

 どう見たってゴミだった。目をこらして頑張ったけれどゴミにしか見えなかった。

…なにこれティッシュ? …――――違うじゃん! 明らかにゴミじゃん! これは下手をしたら、私たちは校内(口内)を荒らす(虫歯)菌みたいなものになってしまうんじゃないのか! それは流石にアホすぎるんじゃないのか! ていうか小学生か!



と、頭の中ではさんざん喚いている私だけれども実際口を衝いて出た言葉は。

「ちょっと…! 二人とも…! おい! えーっと…」

情けない限りである。

そして事態は、正常だった私をも感化しておかしな方向へと進み続けた。

そして現在に至る。

止める人は、誰一人として―――――いなかった。







***

スッ――。スッ――。

素通りする人々。

…何だろう、これは。





廊下に佇む女子高生。そいつは、ゴミを配っていた。

つまり、――――――私だ。




 私が友達だと信じていた奴らは。

『あんたなら出来るさっ!』

『お前なら出来ると信じているっ!』

という青臭いセリフと共に颯爽と姿を消した。


――――――何、これ?

 

 泣いてもいいですか?


私は誰にともなく許可を請うた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ