戦闘開始(改)
迷宮1階
地上からの階段を降りると、約20畳ほどの石壁造りの小部屋についた。 迷宮には所々に光鉱石でできた照明があり、明るい。
小部屋から出て、幅2m位の通路を進む。しばらく進むと曲がり角になっているようだ。
曲がり角の先から足音が聞こえてくる。
ヒタヒタヒタ …
ヒタヒタヒタ…
ヒタヒタヒタヒタ…
段々と大きくなる。
「いよいよ魔物か!?」
タロウは内心ビビりながらも、歩を止め相手が近づいてくるのを待つ。 曲がり角を過ぎて接触なんてまっぴらだからだ。
杖を握りしめ、指先に神力をかき集める。
ヒタヒタ…
ヒタ…
足音が鳴り止む。
どうやら向こうも曲がり角を過ぎて、こちらに気がついたようだ。
そこには、ボロボロの服に、枯れた手足。見るからにゾンビがいた。バ○オハザード、ドラ○エの腐った死体だ・・
「うぷ・・・吐きそう…」
タロウは一瞬顔を背けた。
ゾンビは好機と捕らえたのか、奇声を発しながら手を触手のように伸ばし、襲いかかってくる。_(._.)__(._.)_
「うわ!ヒ、ヒール~」
青白い光が手のひらから放たれる。
「やべー、どうしょう…」
回復魔法を敵に使っちまった…
「グアアア~」
ゾンビは慌てて、触手を引っ込める。どうやらヒールに当たった部分が、崩れ落ちている。
「おや? 効いてる?」
タロウはさらに、ゾンビに向けてヒールを放つ。
「グアアア~」
ゾンビの右半分に当たり、当たった所から乾いた紙粘土のようになって崩れ落ちた。
「やっぱり効いてる~♪」
どうやらアンデェット系モンスターには、ヒールは効くようだ。
半身になって身動きの取れないゾンビにトドメのヒールをして、タロウの初戦闘は幕を下ろしたのであった。