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〈エリミネーター〉



 最後の一人を倒すと、俺の頭上にポップなテキストが浮かびあがった。


《㊐ᙓ慧鈰聮弰地縰地弰Ȱ㊐ᙓ䡑鈰碐錰朰估怰唰䐰》


 どうやら進化条件を満たしたようだ。


《ꈰﰰ꼰אּꨰﰰ꼰0됰혰אּ괰뀰0윰ꌰ똰뤰뼰ﰰאּ됰혰》


 だが、今進化するのは危険だろう。

 一度進化を始めてしまうとキャンセルできないし、まだこの森には敵がいる可能性もある。

 俺は現れた三つの選択肢を選ぶこと無く放置し、一旦洞窟の様子を見に行く事にする。


 火が鎮火していれば、残骸がどの程度残っているかを探したい。

 一応、これで全ての人間を倒したとは思うが、まだいる可能性もあるので、その索敵もかねて森の中を飛び回る。


 かれこれもう十人以上を仕留めた。

 たかが俺一人のために、これ以上の大所帯でやってくる事など考えづらい。

 今までの傾向から考えるに、一つのパーティーは五人で編成するのが基本なのだろう。

 という事は、あってもあと1パーティー。


 可能性は薄いと思いながらも探していると、いた。



 一人、人間が森の中を歩いていた。


 マジか。

 ここに来て、単独?


 それも、今までこの世界で見た人間とは少し様子が違う。

 軽装の全身鎧を身に着けており、森の中を歩き回るのには明らかに適していない異様な装い。

 顔もフルフェイスで見えないし、鎧に似合わず鞄を背負っている。

 だが、その足取りには迷いがなく、慣れた様子だ。


 ここにきてやっと、危機感知がいまだ止んでいない事に気づく。


 ずっと鳴りっぱなしだったので慣れてしまい、忘れていたが…もしかして、こいつに対して鳴っていたのか?


 見たところ、そんなに強そうには見えないけれど…


 まぁいい。


 手早く仕留めてしまおう。


 俺は影魔法で弓矢を作成し、引き絞ってチャージを溜める。

 狙いをしっかりと定めて、矢から手を放した


 豪速で風を切り、矢は間違いなく鎧武者の頭へと迫る。

 それが、当たる直前。

 鎧武者は高速で振り返り、矢を掴んだ。


「ギィ!?」


 そんな、馬鹿な!


 驚愕して固まった俺に、鎧武者は掴んだ影の矢をへし折ると、落ちていた石を拾ってこちらに投げつける。

 距離が離れているし、闇に溶け込んでいる俺の事は見えてもいないはず。

 だが、矢が飛んできた方向から逆算し、半ば直感で投げつけられた石は俺のこめかみを掠り、バランスを崩して木から落下する。


「ギゥ!」


 背中から落ちて空気が口から漏れ出て、変な声が出てしまった。


 そんな俺を蔑むように見下ろして、鎧武者は悠々と歩く。


「驚いたな。まさか、ゴブリンが弓を使って奇襲とは……それに、その姿。ブレスト・ゴブリンか?にしては身体が大きいし、模様も文献と異なるな…」


 鎧武者が何事かをブツブツと呟いているが、俺にはそれが何語なのか、どんな意味なのかは全く分からない。


 ただわかる事は、この男は俺が思っていたよりもずっと、強いという事だ。


 呪いのアックスを取り出して戦うか、逃げるか。

 そもそも、逃げられるのか?


 無理だ。勝てる気がしない。


 それでも、この男に戦いを吹っ掛けたのは俺だ。

 戦ってやる!


 俺は立ち上がり、右手に集中して呪いのアックスを取り出そうと力を入れた。


 けれど。



「〈神速一閃〉」



 男が、何かを呟いた刹那。


 一瞬で抜刀された剣が俺の首を断ち、何も、見えなくなった。





────────────




《進化条件を満たしました。進化先を選んでください》


《アーク・オーク ゴブリン・ロード ディザスター・ゴブリン》








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